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RFIDとは?店頭作業・在庫管理を助ける仕組み・特徴・導入事例を紹介

2020年09月21日

RFID

バーコードを使ったシステムに成り代わる技術として、RFIDに注目が集まっています。RFIDは小売業界における店頭作業や物流業界における管理作業の手間を省き、作業効率をアップさせるものとして既に様々な企業が導入を進めています。
そこで今回の記事ではRFIDがどのような技術で、どのようなことを可能にするのかといった基本的な知識を解説していきます。

RFIDとは

RFID(Radio Frequency Identifier)とは、RFタグに記されたID情報を無線通信でやりとりすることで識別する仕組みを指します。人によってはRFIDという言葉よりもNFC( Near field communication )と言った方が馴染み深いかもしれません。NFCはRFIDの技術体系に属するものであり、Felicaや交通系電子マネー、運転免許証などで利用されています。その他、NFCタグ、NFCカードリーダー・ライターなどの名称で日本国内で普及しています。

  • 非接触型ICカードのSuicaやICOCAなどの交通系電子マネー
  • スマートフォンに搭載されているFelica
  • 運転免許証や住基カード
  • Nintendo Switchのamiibo
  • クレジットカードやデビットカードのタッチ決済


上記のような形で既に一般的に利用されている技術です。その他、シール型のRFタグを利用することで商品の管理や追跡などの用途への導入も進んでいます。

RFIDの仕組み|バーコードの違いとは

RFIDはRFタグに情報を書き込み、読み込むのが主な仕組みです。識別子とデータベースを照合して各種サービスと連携したり、RFタグを読み込むことで情報を参照することも可能です。例えば、交通系電子マネーを市販のリーダーとパソコンを用いて読み込むことで利用履歴を参照することもできます。
RFIDとバーコードとの一番の違いは情報の書き換えができるか否かです。バーコードやQRコードは一度プリントしてしまえば後から書き換えることは難しく、シールなどを貼り付けて上書きしなければならないという物理的な手間が生じます。また、RFタグであれば任意の情報を書き込むことで、個々に情報を蓄積することも可能であり、より細やかな商品管理や追跡、または個人毎のサービスの提供が可能となるのも大きな違いと言えるでしょう。
RFIDとバーコード及びQRコードとの違いの細かい部分については次項のRFIDの特徴と合わせながらご説明します。

RFIDの特徴

次にRFIDの特徴を簡単に抑えておきましょう。

  • 複数のタグを一括で読み取れる
  • 梱包状態でも読み取れる
  • 表面が汚れていても読み取れる
  • 距離があっても読み取れる


上記がRFIDの主な特徴です。
一つひとつを光が当たる距離で読み込まなければならないという従来のバーコードが抱えていた問題を、RFIDは解決していると言えます。

RFタグ(ICタグ)の種類

次にRFタグの種類について抑えておきましょう。

パッシブタグ型 読み取り機からの電波を利用し電池が不要なタイプ
アクティブタグ型 電池内蔵型で電波を自ら発信しており、パッシブタグ型よりも通信距離・読み取れる距離が長いタイプ
セミアクティブタグ型 パッシブタグ型とアクティブタグ型の両方の用途に応じて組み合わせているタイプ

RFタグは主に上記の3種類です。用途や目的、状況に応じて使い分けられる点、それぞれコストが異なる点を留意しておく必要があります。
パッシブタグ型は電池が不要な分、交通系電子マネーやシール型のRFタグなど、小型化や省スペース化する仕組みやサービスに用いられています。
アクティブタグ型はIoTなどの機器やセンシングなど定期的な通信を必要とする場合、またはセンサーに反応させることで設置した箇所や商品にブザーや通知を行わせる場合などに向いています。
セミアクティブ型は組み合わせるリーダーやスキャナ、周辺機器に応じてパッシブタグ型とアクティブタグ型の機能を割り振ったり、切り替えたりしたい場合など様々な状況や用途に対応できる仕組みです。

RFIDのメリット

次にRFIDのメリットをご紹介します。

レジ作業の効率が高まる

RFIDは一度にたくさんのタグを読み取れるため、レジ作業の効率が高まるというメリットがあります。コンビニ各社が導入を進めていることから、レジに置いた時点で商品の合計金額が瞬時に表示されるような形で手間も時間も省ける未来が近いということです。
後述しますが、現時点においても、カゴの中に商品を入れて専用の機械の枠に置くだけで合計金額を算出し、購入者が自分の任意の方法で会計するという無人レジ(セルフレジ)も既に実現しています。
その他にも中国では無人コンビニのような形で入店時にQRコードを読み込んで入店、カゴの中に入れた商品を無人レジで会計したらお店を出られるといった仕組みも導入されています。

商品管理の手間が省ける

RFIDは商品の流通や倉庫管理など、商品管理の手間が省けるのもメリットです。

  • 消費期限
  • 賞味期限の管理
  • 在庫管理


上記のような情報もバーコードであれば一度読み取るか、印刷されている期限などをチェックしなくてはならないという手間暇が必要です。例えば、すしのチェーン店ではお皿にRFIDを搭載することで、鮮度を管理し適切に廃棄する仕組みが導入されました。同様にスーパーやコンビニでも導入されることで、顧客が手に取る前に廃棄や商品の移動が行えるようになり、安心、安全な食品管理が可能となるでしょう。
その他にもRFIDによって店頭にどれだけ品出しされているのか、在庫はどれくらいあるのかなども把握しやすくなることから、それらの情報を元により効率的に作業を行えるようになります。

トレーサビリティの実現

トレーサビリティとは追跡可能性を意味する言葉です。そして、RFIDで管理することで商品の生産から最終消費者までの経路、または廃棄までの経路の追跡が実現されるというメリットがあります。各種流通経路や販売までの情報が可視化されることで、例えば商品の不具合、商品による悪影響、商品によって健康を害した場合にすぐに対処することが可能となります。
また、車載システムと組み合わせることで置き忘れや忘れ物防止などの仕組みにも既に用いられています。近い将来、大切なものや忘れやすいものにRFタグのシールを貼り付けておけば、どこに忘れたのか、どこに置いたのか簡単に把握できるようになることも期待できます。

RFIDのデメリット

次にRFIDのデメリットをご紹介します。

コストがかかる

RFIDは非常に小さいですが金属片を用いた記述のため、バーコードよりもコストが多く必要となるのがデメリットです。例えば、社内の備品の管理など恒久的に利用する目的であれば初期コストのみですが、商品そのものを販売するような使い捨てする形になるとすれば、まだまだコストが安いとは言えません。
また、RFIDを導入する目的、用途によって導入するRFIDの型や周辺機器などのコストが異なること、導入することで直接的に利益や売上にどれだけつながるかも課題と言えるでしょう。
ただし、業界や業種問わずにRFIDを導入し活用する流れがあることから、社会に普及すればするほどコストが低くなる可能性もあります。早い段階でRFIDの導入や活用、利益や売上につなげる導線となるかどうか、導入することで他のコストの低減になるかどうかなどは検討しておくべきと言えます。

読み込み漏れが発生する場合も

RFIDは一度に複数のタグを読み取れますが、状況や状態によっては読み込み漏れが発生するのもデメリットです。

  • 金属に影響される
  • タグが重なると読み込みが遅くなる


上記のような状況、状態になると読み込み漏れが発生し、極端なことを言えば会計に含まれなかったり、在庫管理にズレが生じる可能性があるということです。現時点ではRFIDはどんな状況でも対応可能な仕組みではありません。悪意はなくても商品を読み込めずに支払いから漏れてしまうことや、似たようなRFタグが付いた商品に誤って反応してしまうことで確認などの余計な手間が増えてしまう可能性も考えられます。

RFIDを活用した先進事例

RFIDは店頭作業や商品管理の効率化などの目的以外にも様々な場面で活用されています。実際にどのような形でRFIDを活用しているのか、既に導入した企業における先進事例を3つご紹介します。

ファーストリテイリングの事例

ファーストリテイリングはユニクロやGUなどブランドを展開する企業です。

  • グループブランド全商品にRFタグを貼り付け
  • 商品の検品や入荷、在庫管理、棚卸などの情報の蓄積と一元化
  • オリジナルのコンテナを利用し入荷の自動化システムの実現
  • 将来的には無人の入出庫システムの構築を予定
  • 店頭における無人レジの実現


上記がファーストリテイリングがRFIDによって得られた恩恵と言えます。一部のブランドだけでなく、グループに属するブランドすべての商品にRFIDを貼り付けたことで、商品の一元管理と実際に移動した経路情報の蓄積が実現しています。
ユニクロやGUの店頭において、前述したように専用の無人レジ(セルフレジ)の枠の中に商品を入れるだけで自動で合計金額を算出する仕組みを実現しています。顧客が自分で選んだ商品を枠に入れて、任意の支払方法で支払い、近くに用意されているショッパー、またはマイバックに入れて帰るといったようなスムーズな顧客体験を提供していると言えるでしょう。
ファーストリテイリングでは商品の生産から流通、在庫管理から販売まですべての情報が得られるようになり、グループブランド全体での効率化や各種作業や業務の自動化によって、さらなるコスト削減につながることも期待されています。

参考:ユニクロ/全商品にRFID貼付、製造から販売まで生産性を向上 | 流通ニュース
https://www.ryutsuu.biz/column/k101748.html

ミマモライドプロジェクトの事例

ミマモライドプロジェクトとは株式会社ハヤト・インフォメーションが提供する高齢化社会をサポートするプロジェクトです。

  • RFIDを用いた高齢者の行動の把握や補足
  • 自動販売機にRFIDの受信機を設置
  • 高所にRFIDの電波を中継する機械の設置
  • AIによって高齢者の行動が徘徊かどうか判断
  • 家族のLINEに通知、Googleマップで位置表示
  • 行政にも通知が共有され迅速な捜索を開始


上記がミマモライドプロジェクトの主な機能や仕組みです。簡単に言えば、認知症などの高齢者が迷子や徘徊してしまった時にRFIDの仕組みや位置情報などを利用して捜索や保護など、お迎えにいけるシステムと言えます。
AIやIoT、GPSやRFIDなど、最先端の技術をお年寄りを守るために利用しており、既に実証実験において認知症の家族が安心して暮らせるといった結果が生まれています。
今後は高齢者だけでなく、子供やペットなどにも対応可能とすること、対応する範囲の拡大によって地域で見守る社会の実現を目指しているとのことです。

参考:RFID事例(地域を見守る「ミマモライド」) | ハヤト・インフォメーション
https://www.hayato.info/home/jirei_mimamori.htm

フジテレビジョンの事例

フジテレビジョンでは前項の株式会社ハヤト・インフォメーションと提携して夏のイベントにRFIDを活用した事例があります。

  • チケットにRFタグを導入
  • チケット販売からアトラクションの利用、入退場の管理
  • 各種ブースへの来店などの数値化やデータの蓄積
  • カードリーダーを備えたパソコンやスマホでタグの読み取り
  • スムーズな有料エリアへの入場の実現
  • スタンプラリーやイベント内の投票への応用


上記のような形でRFIDとIT技術を組み合わせながら、様々なデータの蓄積や一元管理を可能としました。本来であれば入退場や各種ブースの来店状況、時間帯や人数など流動的な人の動きは可視化しにくい部分ですが、ビックデータとして活用できるという結果が得られています。
RFIDの非接触型であり、ほとんど重さを感じないという自由な点を上手に利用しており、顧客体験を損ねることなく、運営側が必要とするデータを得られるというのは、これからのキャッシュレスや5Gの時代おいても活用すべき考え方と言えるでしょう。

参考:RFID事例(MANICAイベント導入事例) | ハヤト・インフォメーション
https://www.hayato.info/home/jirei_fuji.htm

まとめ

今回はRFIDに関する基礎知識やメリット・デメリット、RFIDを利用した先進事例についてご説明しました。
RFID自体は単なる識別子としての技術と言えます。しかし、他の技術と組み合わせることでコストの削減、新しい顧客体験の創出、「ヒト」や「モノ」を主体とした新しいサービスの提供が可能になるのも確かです。
DXの推進を少しでも意識しているのであれば、AIやビックデータ、機械学習やモビリティ、5Gなどの最先端の技術と同様に、企業や組織として何らかの形で役立てることができるかどうかなど、ぜひ検討してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事がRFIDについて知りたかった方、RFIDを導入したいとお考えの方のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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