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ファンを味方に付けるアンバサダーマーケティングとは?成功事例や流れも解説!

2020年09月02日

アンバサダーマーケティング

アンバサダーマーケティングとは、企業ではなく企業の熱心なファンであるユーザーが主体となって情報を発信することで消費者の購買行動を促すマーケティング手法です。あまり聞き馴染みのないという方でも、ネスレの「ネスカフェアンバサダー」という施策は聞いたことがあるかもしれません。
今回の記事では、混同されやすいインフルエンサーマーケティングとの違いも含め、アンバサダーマーケティングの基本的な知識から成功事例、実践の流れを解説していきます。第三者の口コミを活用したPRを取り入れて行きたいと考えているマーケターの方の参考になれば幸いです。

アンバサダーマーケティングの基礎知識

まずアンバサダーマーケティングの基礎知識についてご紹介します。

アンバサダーマーケティングとは

アンバサダーマーケティングとは、商品やサービスに熱心なファンやユーザーの口コミや感想などの情報発信を活かして、見込み客の購買意欲を促進させるマーケティング方法のことです。
そもそもアンバサダー(Ambassador)とは「親善大使」「熱烈なファン」のことを表わします。こうしたアンバサダーが自発的に発信した情報を見た見込み客が商品・サービスに興味をもって、購入に至るという流れになります。

アンバサダーマーケティングが注目を集める背景

これまではブランドや商品のPR・アンバサダーは有名人や芸能人が務めることが一般的でした。しかしながら有名人や著名人による発信だと、一方通行で広告の印象を与えてしまいます。このような宣伝は受け手の印象として、テレビCMや雑誌広告と変わりがありません。
さらに情報過多の時代が到来して私たちは朝起きてから寝るまでの間、メールやSNS、インターネットなどの相当の情報に触れています。あまりにも多くの情報に触れるために広告には関心を示せず、広告自体の影響力も低下していると考えられます。
いっぽうでアンバサダーマーケティングだと、ファンによる口コミやユーザーの声は「生の声」や「本音」に聞こえるため、見込み客はサービスや商品に対して「共感」や「親近感」を抱きやすくなります。これまで届けることができなかった層にも拡散できる可能性があります。

混同されるインフルエンサーマーケティングとの違い

アンバサダーマーケティングはインフルエンサーマーケティングと混同されがちですが、もちろん違いもあります。
インフルエンサーはフォロワー数が多い影響力の高い人のことを指します。こうしたインフルエンサーを起用することで、広範囲にサービスや商品を一気に広め、購買行動に不可欠な「認知」をスムーズに行うことができます。
いっぽうでアンバサダーはフォロワー数の大小に関わらず、サービス・商品への熱意や愛情が重視されます。そのためアンバサダーマーケティングにおいては、影響力や拡散力が求められないことが特徴のひとつです。
広範囲に認知を広めるならばインフルエンサーに、質の良いファンを少しずつ獲得していくならばアンバサダーマーケティングが良いでしょう。

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アンバサダーマーケティングのメリット・デメリット

アンバサダーマーケティングのメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

メリット①|リアルな意見を集めることが可能

アンバサダーマーケティングの特徴として、リアルな意見を集めることが可能です。
従来のマーケティング方法では、商品やサービスに対する想いにバラつきがあり、参考にできないことやどれが最も課題なのか判明できないことがありました。
しかしアンバサダーマーケティングにおいては、商品やサービスのファンであるからこそ、本質的な意見や感想を集められる可能性が高まります。アンバサダーから発せられる意見や口コミを参考にすることで、よりよいサービス・商品の開発や提供ができるようになります。

メリット②|自社のファンにPRしてもらえる

さらにアンバサダーマーケティングは自社のファンにPRしてもらえるメリットがあります。つまりポジティブな面の発信が期待でき、中長期的な宣伝効果が見込まれます。
自社のファンがSNSやブログなどを通じてPRしてもらえることで、これまでの方法では決して届かなかったユーザーまでリーチできるとともに、質の高い見込み客をナーチャリング(育成)できます。

メリット③|第三者の意見として受け入れられやすい

また第三者の意見として受け入れられやすいというメリットもあります。芸能人や有名人によるPRだと広告の印象や押し売りされている印象を与えかねません。
いっぽうアンバサダーマーケティングでは、一般人のアカウントやブログであることも多く、広告感や押し売り感を出さずにPRすることが可能です。

デメリット|質の良いアンバサダーを集めることが難しい

いっぽうでアンバサダーマーケティングのデメリットとして、質の良いアンバサダーを集めることが難しいという点です。
そもそも自社のサービスや商品の熱烈なファンを見つけ出すことがひとつの関門かもしれません。しかも自社の条件や世界観に合った人となるとさらに見つけるのが厳しくなるでしょう。仮に見合う人がいたとしても、日常的に発信を行っているかも見逃せない点です。

アンバサダーマーケティングの成功事例

次にアンバサダーマーケティングの成功事例についてご紹介します。今回は3社を取り上げていきます。

ネスカフェアンバサダーの事例

1社目がCMでおなじみのネスカフェアンバサダーです。2012年より「ネスカフェアンバサダー プログラム」を立ち上げています。ネスカフェアンバサダーではネスカフェの商品が飲めるマシンを職場に設置し、社員に笑顔とやすらぎを与えてくれます。いまやネスカフェアンバサダーの会員数は40万人以上を突破しています。
実際アンバサダーになるためには次のようなステップが必要になります、選考を通ると10日ほどで利用開始できます。こうした対応の早さも成功に導いた一つの要因かもしれません。

  1. 申込ページから申込み
  2. 約1週間で担当者から確認の電話
  3. あなたの職場に担当者が説明のために訪問
  4. 希望の商品を「ラク楽お届け便」で注文
  5. 注文商品とマシンが職場に到着


アンバサダーになるために「ネスレ会員の登録」「ネスカフェからのメールの受信」「商品をアンバサダー専用定期お届け便で購入」の3つが条件をクリアする必要があります。いきなりのマシンや商品の購入はためらってしまう方もいらっしゃるでしょう。そんな方にはデモでトライアルすることもできるようです。

参考:ネスレの最強マーケターが移籍 「ファンベース」の伝道師に:日経クロストレンド

ワークマンの事例

2社目が作業服・作業用品で有名なワークマンです。ワークマンでは2019年10月からアンバサダーマーケティングを本格化させています。
ワークマンではセルフ販売を行っている店舗で製品の説明を一部のアンバサダーに依頼しています。また熱心なファンで、かつブログやSNS、YouTubeなどを使いワークマン製品に関して発信している方を「製品開発アンバサダー」として認定しています。アンバサダーには製品の機能開発も参加できるようになっています。
アンバサダーに選ばれる条件として「もともとワークマンのファンであり、すでに高い知見を持っている方」だそうです。ワークマンへの協力の見返りとして、アンバサダーの露出を拡大し、ページビューやフォロワー、再生回数などを増やしてくれることになっています。

参考:ワークマンは「アンバサダー・マーケティング」を本格化します | ワークマン公式サイト

Xperiaの事例

3社目にSonyのスマートフォンブランドであるXperiaです。Xperiaは2013年12月に「アンバサダープログラム」を開始しました。
Xperiaはメンバー応募フォームでアンバサダーを募集し、好きを追求し、自分らしいスタイルで活躍しているトップアスリートやクリエーター、インフルエンサーなどが実際に選ばれています。アンバサダーに認定されると、Xperiaの研究・開発スタッフも参加するアンバサダーミーティングに参加できるようです。
そのミーティングでは、無作為に選ばれたユーザーからのフィードバックとは異なる視点の気づきや発見が得られるそうです。時に優しく時に厳しいアンバサダーからの声が開発者の意識を変え、ユーザー目線で製品を改善することが可能となっています。
また広告とアンバサダーマーケティングを使い分けることで、広告で認知を広げ、アンバサダーマーケティングで購入の後押しを行うことが可能となっているようです。

参考:ユーザーの顔が見える関係づくりが「広告」を超える(Sony「Xperia」) | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議

アンバサダーマーケティングの流れ

続いてアンバサダーマーケティングの流れについて見ていきましょう。ステップは大きく分けて3つあります。

ステップ①アンバサダーの選出

まずステップ①としてアンバサダーを選出する必要があります。
選出方法はさまざまあり、たとえば会員から募る方法、公募をかける方法、SNSなどで候補者を見つけていきます。さらに選出する際には、一定の基準を設けて質を担保することがPR効果を高めるために必要です。
次の3つのポイントを重点的にチェックして、アンバサダーを選出するのがおすすめです。

普段の投稿のエンゲージメントを確認

1つ目のポイントとして、普段の投稿のエンゲージメントを細かく分析してみましょう。アンバサダーはインフルエンサーとは違い、フォロワー数の大小や影響力が多くないこともあります。そのためアンバサダーに期待できる効果は、普段の投稿のエンゲージメントから推測する必要があります。

投稿内容は自社ブランドのイメージを損ねないか

2つ目のポイントとして、アンバサダー候補者の投稿内容は自社ブランドのイメージと合っているかを確認しましょう。ブランドの世界観と真反対のアンバサダーを起用しても、ブランドのイメージアップや購買行動の向上にはつながりにくいでしょう。投稿しているジャンルや方向性の相違がないかも確認するとよいでしょう。

ターゲット層とアンバサダーの属性がマッチしているか

3つ目のポイントとして、ターゲット層とアンバサダーの属性がマッチしているかをチェックしましょう。自社のターゲット層が20代女性であるのに、30代女性のアンバサダーを起用してしまうと、観点やニーズにズレが生じてしまう可能性があります。アンバサダーはターゲット層に適った人物を選出する必要があるでしょう。

ステップ②イベントの開催・商品の送付

ステップ②として選出したアンバサダーに商品・サンプルを送付し、実際に利用してもらうことになります。ユーザーの生の声を直接確認したい場合は、イベントを開催することもあります。企業担当者とアンバサダーは意見交換ができ、商品・サービスの改良に活かすことができます。

ステップ③アンバサダーに情報発信を依頼

ステップ③として最後にアンバサダーにSNSやブログなどを通して情報発信をしてもらいます。必ずしも肯定的な意見や感想である必要はなく、率直な意見の発信をお願いしておくことで、次回の商品開発や改良に役立てることができます。

まとめ

今回はアンバサダーマーケティングに関して、定義やメリット・デメリット、成功事例、アンバサダーの選出方法などをご紹介しました。
実際にアンバサダーマーケティングの手法を用いている企業は多く存在します。アンバサダーマーケティングは広告感や押し売り感が和らぎ、見込み客の興味関心を引きつけやすくなります。
またインフルエンサーや有名人と異なり、多額の費用がかかるわけではありません。アンバサダーさえ見つかればすぐに開始することもできます。さらにインフルエンサーマーケティングで認知拡大を、アンバサダーマーケティングで購買意欲の促進を行うことで、相乗効果を狙うこともできます。マーケターの方や広報担当者の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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