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Salesforce(セールスフォース)とは?機能、導入メリット・事例を解説

2021年03月23日

SFACRMSalesforceセールスフォース

Salesforce(セールスフォース)はビジネス用の営業支援システム(SFA)/CRMシステムです。知名度も高く、日本での導入事例も多数あります。名称に「Sales」とあるため営業支援のイメージが強いかもしれませんが、CRMやマーケティングなど、潜在顧客からすでに取引のある顧客まで対応できる多機能な顧客管理ソリューションのクラウドサービスです。
この記事ではSalesforce(セールスフォース)の具体的な機能や用途、料金など具体的な利用イメージを持てるよう解説していきます。

Salesforce(セールスフォース)とは

Salesforceは、セールスフォース・ドットコム社が提供するCRM(Customer Relationship Management:顧客管理)プラットフォームです。営業、マーケティング、サービスなどさまざまな部署が持つ顧客情報を統合し、企業と顧客との関係作りに役立てることができます。

世界No.1のCRM

Salesforceは世界10万社以上の企業で導入されているCRMプラットフォームで、世界NO.1のシェアを誇ります。SaaS型のCRMシステムの先駆けとしても世界的に有名です。

CRMを軸としたSFA、マーケティング支援のクラウドサービス

Salesforceは、その名称からSFA(Sales force Automation:営業支援システム)としてイメージされやすいですが、SFAに限らずマーケティングやカスタマーサポートなどさまざまな用途でも使用可能なCRMサービスです。
 業界や業種、業務などに合わせた細かなカスタマイズが可能で、世界中のパートナーやユーザーを通して最適化のノウハウが共有されています。

社内の顧客情報を統合したプラットフォーム構築

顧客に対する施策や活動が社内の各部署によって行われた結果、顧客情報が分散した形で収集・保管されてしまうと、情報収集や管理のコストを増大させてしまいます。また、個別の情報を組み合わせて得られる新たな知見や価値が埋もれてしまうことが懸念されます。
Salesforceは、分散している顧客情報を統合し、最新技術による分析機能を提供することで目的に沿った顧客情報の活用を促進します。

必要な機能を選んで使う

営業やマーケティング、カスタマーサービス、研究開発など、CRMを利用する目的はさまざまです。しかし、さまざまな利用目的に対応する多機能なサービスは利用コストが高くなり、またユーザーの修得コストも高くなってしまいます。
 Salesforceでは、そのさまざまな機能の中から必要なものを選んで使用することができるため、費用や時間を効率的に使えます。

セールスフォース・ドットコム社とは

Salesforceを提供する株式会社セールスフォース・ドットコム社は、1999年3月に米国サンフランシスコで創業されています。日本法人は2000年4月に設立されました。

ニューヨーク証券取引所の上場企業でもあり、そのティッカーシンボル(識別用の符丁)はメイン事業である「CRM」となっていることでも有名です(一般的には企業名の略称が多い)。
2017年に「世界で最も革新的な企業100社」で1位を獲得しており、常に安定して上位に選出され続けており、技術面だけでなく経営面でも高い評価を受けています。

Salesforce(セールスフォース)の代表的な製品とその機能

SalesforceはCRMを中心としてさまざまな製品があります。数ある製品の中でも、代表的な製品とその機能について紹介します。

SFA(営業支援)「Sales Cloud/セールスクラウド」

CRMを通じて顧客との関係を構築し契約や商談を成功させるSFAに特化した製品が「Sales Cloud(セールスクラウド)」です。SFAとしての機能と特徴を紹介します。

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顧客管理

顧客の連絡先や取引履歴、接触履歴、取引先に関する社内ディスカッションなどの顧客情報を一元管理することが可能です。また、ソーシャルメディアサイト上の情報をSalesforceに直接取り込むこともできるようになっています。

案件管理

案件ごと、商談ごとの進捗状況、製品、競合、顧客からの反応、見積、支払期日などを記録し、確認・共有できるようになります。企業のビジネスプロセスに応じた柔軟なカスタマイズが可能です。

見込み客管理

見込み客に関する情報を追跡し、ナーチャリング(育成)やキャンペーンなどによるアプローチを可能にします。また、見込み客を適切な担当者に自動的に割り振ることも可能です。チャネルごとに見込み客を管理することで、マーケティング上の注力点を明確にします。

営業の効率化機能

Sales Cloudでは営業を効率化するために、ファイルの共有や同期、ワークフローの自動化、モバイル対応などの機能を提供しています。また、情報を可視化するダッシュボードや、高度な検索機能、入力サポート機能などによって情報利用の効率を高めます。

カスタマーサービス「Service Cloud/サービスクラウド」

CRMは顧客からの声を拾い、蓄積することができるため、カスタマーサービス分野でも威力を発揮します。Salesforceのカスタマーサービス「Service Cloud(サービスクラウド)」の特徴を紹介します。

顧客対応のコンソール

カスタマーサービスでは、顧客からの問い合わせへの対応時間で満足度が大きく変わります。Service Cloudでは、カスタマーサービス向けの顧客対応に特化したコンソールが準備されています。専用コンソールが画面やアプリの切り替えなどの操作を最小限に抑えるとともに、高度な検索機能や複数アクションの自動実行機能などを提供し、問題解決を効率化します。

ケース管理

ケース管理はカスタマーサービスのように定型化が難しい業務の管理手法です。ケース管理では、ケースの登録や割り当て、エスカレーションなどのために、必要な情報にスムーズにアクセスできる必要があります。Service Cloudでは全チャネルの情報に対しスムーズなアクセスが可能になっており、スピーディーな問題解決に効果的です。

ナレッジベース(顧客・社内の問題解決)

ナレッジベースとは、業務のための知識を集めたデータベースです。Service Cloudでは、オペレータやサポート担当用の問題解決ナレッジベースだけでなく、一般の顧客向けにWebサイトやコミュニティといったナレッジベースを作成して顧客自身による問題解決を支援します。

CTI連携

CTI(Computer Telephony Integration:コンピュータ・電話統合)連携機能が使用可能です。電話番号から顧客情報の検索・表示や、通話内容の録音、文字起こしなどが可能です。また、電話番号の入力や発信、転送などの操作がワンクリックで可能になり、業務効率が向上します。

顧客対応や担当割り振りの自動化

Service Cloudでは、各ケースに対して問題解決に適切な担当者をAIが判断して自動的に割り振る機能があります。問題の緊急度や担当者のスキル、スケジュールなどの要素を考慮した上で判断されるため、社内での調整業務の効率化に効果的です。結果、問題解決がスピーディーに行われ、顧客満足度の向上に貢献します。

マーケティング「Marketing Cloud/マーケティングクラウド」

Salesforceには、マーケティングに特化した製品である「Marketing Cloud(マーケティングクラウド)」が提供されています。
Salesforceのマーケティング製品としてはPardotが有名ですがPardotはBtoB企業のマーケティング機能が搭載されているのに対し、Marketing CloudはWebサイトでの集客やECなど、BtoCのマーケティングに利用されるMAツールです。
Marketing Cloud(マーケティングクラウド)の特徴や機能を解説します。

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チャネルをまたいで顧客行動を把握

現代のビジネスでは、顧客との接点が多様化しています。Marketing Cloudでは対面、メール、SNS、Webサイト、広告などのさまざまなチャネルから発生する顧客との接点をつなげることで、詳細な顧客行動の把握が可能です。
詳細な顧客行動の把握により、効果的なチャネルからの商品・サービスの提案やマーケティング施策の実施が可能になります。

AIによるパーソナライズ

顧客のWebサイトの訪問履歴やサイト上での行動、購買履歴、好みなどの情報を収集し、AIによって分析することで、顧客1人1人に対して精度の高いアプローチを行うことができます。具体的には、パーソナライズされたコンテンツや、商品・サービスのレコメンド、広告表示などを適切なタイミングと手段で行うことが可能です。
カスタマージャーニーやコンテンツ作成を支援する機能も充実しており、1人1人に対して別の顧客体験を提供しやすくなっています。

Google Analytics 360と連携した分析

Marketing CloudとGoogle Analytics 360と連携させることで、Webサイト上の行動と成約(=顧客化)までを明確に紐づけることができます。また、こうしたデータを利用してMA(マーケティング自動化ツール)の精度を向上させたり、マーケティングテストの効率化をはかったりすることが可能です。Google Analytics 360のオーディエンス情報を使い、SMSやSNS、Web広告などのダイレクトマーケティングに活用することもできます。

その他のサービス

Salesforceにはその他にも便利なサービスがあります。現在のニーズだけでなく、自社にとってメリットがありそうなものはサービス内容をチェックしておくとよいでしょう。

オンラインショップ立ち上げ

Commerce Cloudを使えば、オンラインショップを素早く立ち上げることができます。ショップサイトを構築するだけでなく、Salesforceのさまざまなサービスや自社の決済システムと連携させることが可能です。商品や顧客の管理はもちろん、ワークフローの管理、複数の決済方法への対応、キャンセル・返品受付、レコメンド機能なども実装した本格的なECサイトが簡単に作成できます。

アプリ開発プラットフォーム(社内・社外向け)

Customer 360 Platformでは、Salesforceをプラットフォームとして社内・社外向けのアプリを開発することが可能です。AIやセキュリティ、ブロックチェーンなどの技術も簡単に利用でき、コミュニティやナレッジベースも充実しているため、スピーディーで高品質なアプリの開発が可能です。

AIによるアナリティクス

SalesforceではAIによる分析が可能です。最初から組み込み済みのEinstein Analyticsでは、既存データの相関分析や結果予測、取るべき行動の提案などを提供します。BIプラットフォームであるTableauを利用すると、高度な分析とビジュアライズされた情報によってスピーディーな意志決定を促すことが可能です。データドリブン型の企業体質を作るために大きく貢献します。

中小企業・スタートアップ向けサービス

Salesforce Essentialsは、10人以下の小規模な企業向けに特別価格で提供されるサービスで、営業支援とカスタマーサービスの機能のほとんどを追加料金なしで利用することができます。 
また、Salesforce for Startupsでは、多くの中小企業・スタートアップ向けサービスを行っています。 
AppExchange パートナープログラムでは、Salesforceのエコシステムを利用し、事業や開発したアプリの販売を行うことができます。 
Salesforce Venturesでは、企業をSalesforceの顧客やパートナー企業、専門家などとつなげます。また、ビジネスアプリケーション開発のためのHerokuライセンスを、1社あたり上限 50,000ドル(USD)相当まで無償提供しています(期限は1年間)。 
その他、Salesforceによる小規模企業の営業力向上や商談成約支援などのサポートについての相談を受け付けています。

Salesforce(セールスフォース)を利用するメリット

CRMやSFAには多くの製品・サービスがあります。その中において、Salesforceを利用するメリットには、以下のようなものがあります。

サーバーの構築・維持管理が不要

Salesforceはすべてクラウド上で提供されているシステムです。そのため、インターネットに接続できる環境があれば、自社でサーバーの構築や維持管理を行う必要がありません。このため、専門の技術者や、サーバー機材、サーバー維持のための社内スペース、電気代などが不要です。加えて、契約・購入から、実際の利用を開始できるまでの期間も短く、およそ2~6か月で使用できます。

セキュリティやプライバシー

自社開発のシステムに複数段階の認証やデータの暗号化などの高度なセキュリティ要件を盛り込むと、開発や維持にかけるコストや作業時間が非常に大きくなります。Salesforceの組み込みの機能を利用することで、これらのコストや作業時間を大幅に削減するとともに、専門家の高い技術によるセキュアなシステム環境を得ることができます。

必要な機能を選べる、追加できる

Salesforceは、さまざまな利用分野にわたる機能の中から、自社に必要な機能を選んで追加することができます。SalesforceのCRM基盤の上に、営業部署にはSFAに特化したSales Cloud、マーケティング部門にはマーケティングに特化したMarketing Cloudを導入し、業務を最適化することが可能です。 

また、新規の機能追加も簡単な手続きで可能なため、企業の成長や組織変更などに合わせ、柔軟な運用が可能です。

テレワーク対応、モバイルでの利用

Salesforceはマルチデバイス対応で、かつインターネット上のクラウドで利用できるため、テレワークにも対応可能です。導入コストが低く、すぐに運用を始めることができるため、急いでテレワーク環境を作りたいという場合にも適しています。

Salesforce(セールスフォース)利用にかかる費用

Salesforceの導入・利用にあたり、必要となる費用について解説します。

導入の初期費用は無料

Salesforceの導入時に初期費用はかかりません。

クラウドサービスでハードの運用管理コストも不要

Salesforceはクラウドサービスで提供されているため、サーバーやネットワーク機器などのハードウェアの運用や管理が必要ありません。
ハードウェアの購入や保管、メンテナンスのためのコストも不要ですので、ランニングコストの削減にも効果的です。

ユーザー単位の月額課金

Salesforceの費用は、機能とユーザー数によって決まります。無料トライアルを利用し、必要な機能や人数によってプラン(ライセンス)を選択できます。

Sales Cloud(セールスクラウド)の価格

もっとも基本的なセールスクラウドの価格は、次の表のようになっています。中小企業向けのEssentialsプランは1ユーザー月額3000円(税抜き)です。すべてのライセンスに、2日以内のサポート対応やWebセミナー、イベント、ガイド付きジャーニーなどがつき、別途料金で管理支援や年中無休24時間対応のサポートなどがあります。
ほかにもセールスクラウドとカスタマーサービスを組み合わせた「Sales & Service」プランなどがあり、BtoBマーケティング製品であるPardotのアドオンなども可能です。

Sales Cloud(セールスクラウド)の価格表

プラン名 月額料金(税抜き)
※年間契約が必要
プランの特徴 備考
Essentials 3,000円/ユーザー/月 営業支援、カスタマーサービスの
基本的な機能を利用できます。
ユーザー数
10名まで
Professional 9,000円/ユーザー/月 Essentialの機能に加え、顧客のスコアリング、
売上予想、見積書・請求書の作成支援機能、
開発用機能の一部が使用可能
 
Enterprise 18,000円/ユーザー/月 オプションを除くSalaesforceの
すべての機能を利用可能
 
Unlimited 36,000円/ユーザー/月 Enterpriseの内容に加え、
無制限のオンラインサポート、その他各種の
管理者向けサービスを利用可能
 

導入企業と事例

BEAMS(ビームス)

「BEAMS」ブランドで知られるビームス社では、「1人1人の顧客の購入動向を把握した上で最適な提案を行う」というOne to OneマーケティングのためにSales ForceのMarket Cloudを導入しています。従来、イベントや販促企画の評価は購入者からのアンケートを通して行われており、購入者以外の声はスタッフの印象といった感性に基づく情報しか得られていませんでした。Social Cloudの利用でオンライン上の対話内容をすべて把握可能にしたことで、30以上にわたるレーベル、店舗で実施しているイベントや販促企画についての評価を購入・非購入に関係なく顧客との会話データの蓄積と分析によって精緻に行えるようになりました。 
また、社内の情報共有がメールに偏っていた状況があり、社内の情報共有を盛んにするためにChatter(コラボレーションツール)を導入しています。スタッフのコーディネート写真を共有し、スタイリングの質の向上や、デジタルサイネージを通しての顧客への提案・訴求などに活用されています。

内閣官房 マイナポータル

内閣官房が提供するマイナポータル内の「ぴったりサービス」でSalesforceが利用されています。「ぴったりサービス」は、日本全国1,741の地方公共団体で提供している電子申請可能な行政サービスをワンストップで検索、比較、オンライン申請ができるサービスです。 
しかし、サービスの実現のためには行政機関ごとの独自の用語や様式を標準化することが必要でした。そこでSalesforceのCommunity Cloudを利用することで互いのデータを共有・比較を可能にし、議論を通して標準化を進めることができました。行政のさまざまな分野で標準化が進み、いっそうの効率化とユーザーの利便性向上が実現しつつあります。

freee(フリー)

freee社はクラウドサービス「freee」でバックオフィス基盤を提供していますが、営業システムは自前で持っていなかったため、Salesforceを導入していました。しかし、サポート分野では当時別のサービスを利用していたため、これをSalesforceのService Cloudに変更したことで、営業とカスタマーサービスの間で情報を共有し、顧客のカスタマージャーニーに合わせたサポートを提供できるようになりました。 
また、freee社では社員の成長のためにキャリブレーションに力を入れるなど、独自の人事評価システムを持つ企業ですが、人事評価やフィードバックのためのデータ更新の負担が大きいという課題がありました。同社では、自社で人事のコア業務を満たすサービスを提供しており、独自の人事評価のためのツールのみが必要な状況でしたが、機能やコストの要件を満たすものはありませんでした。そこで、社内のSalesforce開発チームによって、Salesforce Platformを利用した業務用システムを開発しました。追加ライセンスが不要で、セキュリティ要件も満たし、業務も効率化されて現場からも非常に好評を得ています。こうした開発がわずか1ヶ月半で行われており、同社はSalesforceによる開発生産性の高さを高く評価しています。

まとめ

Salesforceは、CRMやマーケティングなど、潜在顧客から既存顧客まで対応できる多機能な顧客管理クラウドサービスです。世界的にもトップシェアのCRMサービスであり、大手から中小企業まで幅広く利用されています。
1つで営業支援やマーケティング、カスタマーサービスなどの他、バックオフィス用システムやシステム開発基盤など、さまざまな方面で利用することが可能で、企業内に分散した情報の統合や活用に効果的です。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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