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メリットは何?ハイブリッドクラウド利用メリットとデメリットを解説

2020年08月05日

プライベートクラウドパブリッククラウドハイブリッドクラウド

クラウドサービスの普及が進んだ結果、企業のシステムすべてをクラウドに移行することは現実的ではないこともわかってきました。従来のクラウドかオンプレミスかではなく、クラウドとオンプレミスとを組み合わせて利用するのがハイブリッドクラウドです。ハイブリッドクラウドの特徴やメリット、でデメリットを解説します。

ハイブリッドクラウドとは

ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとプライベートクラウドもしくはオンプレミス環境を組み合わせて自社のシステムを構成することを指します。クラウドサービス、特にパブリッククラウドを利用することで、ITコスト削減や運用負荷の軽減、柔軟な拡張性というメリットが得られます。しかしその半面、機密情報を保持するサーバをクラウド上に配置することはセキュリティ面でのリスクとなります。また、オンプレミス環境で構成してきたサーバ群をすべてクラウドに移行するには多くのコストと労力が必要となり、クラウド移行後のコスト削減効果を打ち消してしまうこともあります。
そこで、サーバの位置付けや機密性に応じて、複数のクラウド環境やオンプレミス環境を組み合わせて利用するハイブリッドクラウドが採用されるようになってきています。
ハイブリッドクラウドに似た利用方式としてマルチクラウドがあります。マルチクラウドは複数のクラウドサービスを利用することを指し、ハイブリッドクラウドは外部のクラウドサービスとオンプレミスやプライベートクラウド環境を組み合わせて利用するという違いがあります。

パブリッククラウドとは

パブリッククラウドは、クラウド事業者が提供するクラウドサービスを利用し、複数の企業で同じクラウド環境を共用する形式です。
オンラインでの簡単な手続きで即日導入できたり、初期費用がかからなかったりするサービスが多い点が特徴です。

パブリッククラウドの特徴は共用

また、CPU、メモリ、ディスク容量などのリソースを自由に設定できることに加えて、稼働後にも柔軟に変更することができます。利用者はインターネット経由でクラウド環境にアクセスすることになります。

パブリッククラウドのデメリット

障害発生時に自社で対応できない、共用であるためセキュリティレベルが劣るといったデメリットがあります。
パブリッククラウドには、コスト削減、運用負荷の軽減、従量課金、初期導入のリードタイムの短さというメリットがあります。一方で、障害発生時に自社で対応できない、共用であるためセキュリティレベルが劣るといったデメリットもあります。
安価であり、運用負荷が低いため、個人から大企業まで利用されています。

プライベートクラウドとは

プライベートクラウドとは、自社専用のクラウド環境です。パブリッククラウドと違って自社独自の環境構築やカスタマイズができます。
プライベートクラウドは自社で管理するオンプレミス型とデータセンター事業者などが提供しているものを利用するホスティング型に分けられます。

オンプレミス型プライベートクラウド

自社で管理運用するサーバー環境を仮想的にクラウド環境として利用するのがオンプレミス型プライベートクラウドです。リソースを効率的に配分できるのがメリットで、セキュリティや各種の要件は従来のオンプレミス環境と同様に自社独自に構築できます。外部からの不正アクセスも防ぎやすくなります。
サーバーや回線などの設備を自社で保有し運用管理するため、初期コスト・運用コストともに高額になりがちです。

ホスティング型プライベートクラウド

クラウドサービス事業者やホスティング事業者のインフラを利用して自社専用のクラウド環境を構築するのが、ホスティング型プライベートクラウドです。物理サーバーなどを保有しないため、コストはオンプレミス型よりも安くなります。利用する際は、自社からVPNや専用回線を利用してクラウド環境に接続します。

オンプレミスとは

オンプレミスとは、自社が管理する設備内にサーバなどのハードウェアを導入・構築して運用する形式のことを指します。クラウド以前はこの方式が普通であったため、特に名称はなく、クラウドの登場で区別するためにオンプレミスといわれるようになりました。
オンプレミス環境は自社で自由にカスタマイズできるとともに、閉じられたネットワーク環境となるため、セキュリティレベルを担保することができます。そのため、機密性の高い情報を取り扱うサーバは、セキュリティを考慮してオンプレミス環境に配置することが望ましいです。一方で、オンプレミス環境は導入までに時間とコストがかかり、運用管理も自社で行う必要があるため、運用の負荷とコストもかかります。リソースの柔軟な変更に対応できないケースが多くなります。

ハイブリッドクラウドを利用するメリット

パブリッククラウド、プライベートクラウド、オンプレミス環境にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、システムの種類・特性に応じて適した環境に配置することで、全体のメリットを高めることができます。

ハイブリッドクラウドの構成例

ハイブリッドクラウドのメリットを活かした構成例として、パブリッククラウドとプライベートクラウドを使い分ける構成が挙げられます。例えば、会員向けサービスを提供するWebサーバはアクセス数の増減により必要なスペックが変動するためパブリッククラウドに配置し、機密性の高い個人情報を取り扱うデータベースサーバをプライベートクラウドに配置する構成が考えられます。この場合は、インターネットVPNにてパブリッククラウドとプライベートクラウド間で通信ができるようにします。

コスト削減

必要なスペックが変動するWebサーバなどをパブリッククラウドに配置することで、リソースの使用量に応じたコストに抑えられます。あらかじめ必要な最大限のスペックを常に確保することに比べてコストを削減することができます。
また、テスト環境を用意する際にパブリッククラウドを活用することも効果的となります。テストに必要なサーバ台数を簡単に用意でき、本番環境への影響を気にせずに検証することができ、リソース使用量に応じた低コストでテスト環境を利用することができます。

セキュリティ対応

機密情報を扱うデータベースサーバなどをオンプレミス環境またはプライベートクラウドに配置することで、閉じられた専用のネットワーク環境内で扱うことができ、環境のカスタマイズもしやすくなるため、必要なセキュリティレベルを担保することができます。

負荷分散

Webサーバをパブリッククラウドに配置することで、時期やキャンペーンにより一時的にアクセスが増えてスペックの増強が必要となっても、クラウドの機能により柔軟に対応することができます。さらにピークが過ぎたら元のスペックに戻すことができます。

災害・障害発生時のバックアップ環境

クラウド環境を利用することで、利用者側は意識せずとも、物理的に異なる複数の場所でバックアップデータを保持したり、システム全体を別の場所で起動させることができます。そのため、災害や障害発生時にシステムの稼働を維持しやすくなります。

ハイブリッドクラウドのデメリット

環境ごとのメリットを活かせるハイブリッドクラウドですが、デメリットもあります。

運用の難度が高い

特徴や管理運用方法の異なる複数の環境を利用することになるため、運用の難易度が高くなります。そのため、スキルの高い人員を用意したり、外部のベンダーに運用を委託したり、複数の環境を統合管理できるツールを利用するなどが必要となり、コストが高くなることがあります。

構成が複雑化する

複数の環境を利用して自社のシステム全体を構成することとなるため、環境ごとのサーバ群を管理したり、複数の環境間でのネットワーク接続やデータのやり取りを管理する必要性が生じます。

まとめ

従来の通常のであったオンプレミス環境はハードウェアや運用のコストが高く、ITリソースの配分の柔軟性などにも課題がありました。それを解決するクラウドの利用が普及し、パブリッククラウドでは満たせないニーズにこたえる形でプライベートクラウドが登場しました。それぞれを組み合わせ、つないで使うことも可能になり、ハイブリッドクラウドでシステム全体を構成する新しい選択肢となっています。
それぞれの環境のメリット、デメリットを把握し、ハイブリッドクラウドの適切な構成を理解した上でハイブリッドクラウドを検討することをおすすめします。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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