【プラグイン5選】WordPressでのアクセス解析を徹底解説
WordPressでWebサイトを運用していると、アクセス解析を導入したいと考える方は多いのではないでしょうか。WordPressでは有名なアクセス解析ツールであるGoogleアナリティクスは勿論、様々なプラグインでアクセス解析を行うことが可能です。
今回の記事では、WordPressでアクセス解析を行う方法やそれらの注意点などを含め、便利なプラグインを5つ紹介していきます。
アクセス解析とは
アクセス解析とは「自社Webサイトに訪問してきたユーザーの属性やエンゲージメントなどを調査して分析する行為」を指します。
アクセス解析を行うツールにおいては
- PV:Webサイトの累計閲覧数
- UU:Webサイトに訪問してきたユーザーの数
- 直帰率:1ページだけ閲覧、離脱した割合
といったアクセスに関する指標をデータ収集、数値やグラフで表示して結果を分析可能です。
アクセス解析の必要性
アクセス解析はWebサイトを運営する上で必要な行為です。マーケティング的にWebサイトを定期的に改善してパフォーマンスを上げるためには、分析とそれに基づく施策立案などが必要だからです。
会社としてWebサイトを立ち上げる際は
- 自社のブランド認知度を上げたい
- 指定の商品やサービスを効率よく売り込みたい
- サイトから優秀な人材を採用したい
といったようにさまざまな目的があります。
目的に応じてアクセス解析ツールを使いながら分析を行い、結果が出ているか、そしてどこに問題があるのかを調査することでデータに基づいたマーケティングが可能です。
アクセス解析の流れ
アクセス解析は次のような手順で進めていきます。
- アクセス解析ツールで課題を確認、洗い出す
- 洗い出しを基に施策を立案
- 施策を基にサイトを改善
- 指定期間終了後に再解析
といったようにPDCA形式で改善を繰り返していくのがポイントです。時代や状況によってサイトに求められる内容は変化するので、定期的な解析や改善の必要があります。
WordPressでアクセス解析を行う方法
WordPressでアクセス解析を行う際は、どの方法でも基本的に無料でアクセス解析が可能です(場合によっては有料で機能を拡張したりといった方法も取れます)。
方法には大きく分類して2つあります。
- Googleアナリティクスと連携させる
- テーマやプラグインを利用する
Googleアナリティクスと連携させる
既にGoogleに登録しており、Googleアナリティクスに慣れている方であればGoogleアナリティクスとWordPressを連携させることができます。
所有するドメインをGoogleアナリティクスの管理画面で登録するとトラッキングコードが発行されます。発行されたトラッキングコードを所有するWordPressのソースに反映させることで、ドメインの所有者としてGoogleアナリティクスが利用できる仕組みです。
Googleアナリティクスは日本国内の企業や組織においても利用されていることが多く、実際に利用してみると様々なデータをリアルタイムで収集できるので非常に便利です。
次にGoogleアナリティクスとWordPressを連携させる具体的な方法を2つご紹介します。
テーマやプラグインを利用する
WordPressにはGoogleアナリティクスのトラッキングコードをWordPressに反映させるテーマやプラグインがあります。Googleアナリティクスに対応したテーマやプラグインをインストールして、設定項目などでトラッキングコードを入力するだけなので簡単です。
仕組みとしてはトラッキングコードを設定すると、トラッキングコードを含んだソースコードが自動的にヘッダーなどのソース内に反映され、記事や固定ページが自動生成されるたびに閲覧者の情報を蓄積してくれます。
テーマやプラグインにもよりますが、アクセス解析結果や情報を直接WordPress内で閲覧できるもの、またはトラッキングコードを反映するのみでアクセス結果はGoogleアナリティクスにログインする必要があるものに分かれます。
構成ファイルを書き換える
プラグインやテーマを利用せずにトラッキングコードを反映させたい場合は構成ファイルを書き換える必要があります。例えば、独自テーマを活用している方、またはプラグインがインストールできない方はこの方法がベストです。
構成ファイルを書き換える方法はWordPressの管理画面の「外観」の「テーマエディター/テーマの編集」にある「header.php」を編集する方法とFTPやWebFTPから同じく「header.php」を編集する方法があります。
Googleアナリティクスの管理画面でトラッキングコードが発行されたタイミングで、そのままコピーして貼り付けるだけのソースコードが表示されますので、headの閉じタグの直前に貼り付けて保存しましょう。
Googleアナリティクスのトラッキングコードの位置は諸説ありますので、最新の情報や信頼性の高い情報源で再チェックすることをおすすめします。
別のアクセス解析プラグインを導入する
Googleアナリティクスが難しい、または初心者で見方がよくわからない方もいらっしゃるでしょう。その場合はGoogleアナリティクスとの連携ではなく、別のアクセス解析プラグインを導入するのがおすすめです。
WordPressのアクセス解析系にはWordPressの管理画面でアクセス解析結果をチェックしたり、蓄積した情報をダウンロードして分析の材料にしたりすることも可能なものがあります。WordPressの用途やアクセス解析の目的に応じて必要な機能を備えているプラグインを導入しましょう。
また、アクセス解析プラグインの中には課金することでさらに高機能なアクセス解析やデータの蓄積、便利な機能が使えるものがあります。無料で利用できる基本的な機能で充分なのか、それとも課金して高機能なアクセス解析が必要なのか、アクセス解析の用途や目的に応じてよく検討しましょう。
アクセス解析を可能にさせる際の注意点
次にアクセス解析を可能にさせる際の注意点として、テーマやプラグインを利用する場合と、構成ファイルを書き換える場合に分けて、それぞれ詳しくご説明します。
テーマやプラグインを利用する場合
WordPressはIT知識や経験がないWeb制作初心者でも扱える、使いやすいインターフェイスが魅力です。だからこそ、自分の操作がどのような影響を及ぼすのか前もって理解しておく必要があります。
まずは、テーマ・プラグインを導入する前にチェックしておくべき項目を紹介します。
既に導入しているテーマやプラグインとの相性
WordPressはテーマやプラグインとの相性に注意する必要があります。相性を確認するとは、「機能的に重複がないか」といった観点の他、「プラグインやテーマ同士で悪影響を与えないか」といった観点を確認することを意味します。しかしながらWordPressのテーマとプラグインの組み合わせは無数あるため、どれとどれの間で影響が出ているか識別しにくいのも事実です。
まずはインターネット上で既に導入しているテーマやプラグインと導入したいアクセス解析プラグインに関する情報がないか調べましょう。その上で既にインストールしているテーマやプラグインと機能的に重複や競合しないかどうか、テーマ固有のオプション部分も含めて下調べすることが大切です。
信頼できるテーマ・プラグインか
WordPressの管理画面からインストールできるテーマやプラグインにおいても、信頼できるのかは一度チェックしましょう。ほとんどは何らかの審査基準を満たしていて問題ないかと思われますが、更新頻度が低かったり、なぜか何年も放置されていることも少なくありません。その場合、セキュリティ性の確保が難しかったり、何らかの脆弱性を抱えていたりする可能性があるので注意が必要です。
また、WordPressでは公式登録されていなくても任意のページからプラグインやテーマをダウンロードしてアップロードすることで、直接WordPressにインストールすることができます。その場合もダウロード先の制作元が信頼できるのかどうか、便利なテーマやプラグインに見えて、実はマルウエアなど悪質なコードを含んでいないかなど調べるようにしましょう。
構成ファイルを書き換える場合
構成ファイルを書き換える場合、特に企業や組織で構築し運営しているWordPressの場合は細心の注意が必要となります。何故ならば、場合によってはWordPressが稼働しなくなったり、最悪の場合はデータを失ったりする可能性があるためです。
構成ファイルを書き換える際にPHPの知識が必要な理由と、もしもの時のためにバックアップをとっておくことの重要性を詳しく説明します。
PHPの知識が必要
構成ファイルを書き換える場合、特に企業や組織で構築し運営しているWordPressの場合は細心の注意が必要となります。
PHPについては、権限さえあればWordPressの管理画面の外観をクリックし、テーマエディターをクリックするだけで編集可能な状態になってしまいます。そのため、前述した「header.php」のheadの閉じタグの直前にGoogleアナリティクスで表示されるトラッキングコードをコピペするという説明がよくわかっていない方は作業すべきではありません。
前提として、企業や組織のWordPressは情報資産であるということ、場合によってはWordPressが稼働しなくなったり、最悪の場合はデータを失ったりする可能性があることを理解しておくべきです。
バックアップをとっておく
構成ファイルを編集する場合は必ずバックアップをとっておきましょう。同時に作業手順や編集するファイルのディレクトリ、コピペした箇所の行番号、コピペした内容などもメモしておくことをおすすめします。一箇所編集するだけであれば、スクリーンショットで編集前と編集後の画像を保存しておくのもおすすめです。
バックアップの手順は該当するファイルの内容をそのままコピーして平文で別の場所に保存するか、FTPなどで直接ダウンロードしてわかりやすい名前で保存しておく方法があります。
もし、何らかのミスでWordPressが動かなくなった、またはログインできなくなった場合はFTPで作業前のファイルを「編集したファイルのあったディレクトリ」にアップロードして上書きで保存しましょう。ほとんどの場合はそれだけで元に戻ります。
しかし、うっかりミスやヒューマンエラーは思わぬ事故となる可能性もあるので、必ずWordPress全体のバックアップとバックアップから完全に復元できる手順を抑えておくことも忘れないようにしてください。
Googleアナリティクスとの連携を可能にするプラグイン3選
次にGoogleアナリティクスとの連携を可能にするおすすめのプラグインを3つご紹介します。
Site Kit by Google
【日本語対応】◯
【概要】
Site Kit by GoogleはGoogleの提供するGoogleアナリティクスと連携可能なWordPress公式のプラグインです。
無料で利用できること、日本語対応していること、そして何よりもGoogleアナリティクスの提供元であるGoogleが提供元であることが強みであり特徴と言えるでしょう。
また、関連するGoogleのサービスとの連携も可能な点やWordPressのダッシュボードでアクセス解析をチェックできる点も含めて、Googleアナリティクスと連携するプラグインをひとまず試してみたい方に向いています。
その他、初めてGoogleアナリティクスに登録して、サーチコンソールなどの連携がわからない場合でも比較的簡単にサーチコンソール連携が可能なので、アクセス解析初心者の方にもおすすめです。
【プラン・料金】
・全機能無料で利用可能
All in One SEO Pack
【日本語対応】◯
【概要】
All in One SEO PackはWordPress公式の総合的なSEO対策プラグインであり、日本語対応しています。Googleアナリティクスとの連携もトラッキングコードを設定するのみであり、アクセス解析とともにSEOも行いたい場合におすすめです。
アクセス解析を行う理由としては、WordPressで構築したページの効果測定を行うためであることを考えると、並行してSEOも行えることは効果的であると言えます。
サイトマップの生成やSNSでシェアや共有された時に表示される画像や文章の設定など、WordPressへのアクセスをさらにアップさせる機能も充実していることから、集客効果を高めることも期待できるでしょう。
【プラン・料金】
・基本的な機能は無料
・無料版でも充分に利用価値有り
・PRO/有料版
Basic 49.50/年額
Plus 99.50/年額
Pro 199.50/年額
Elite 299.50/年額
※上記は2021年11月時点のセール価格です。プランごとの詳細やセール前の価格については公式ページをご確認ください。
Google Analytics Dashboard Plugin for WordPress by MonsterInsights
【日本語対応】◯
【概要】
Google Analytics Dashboard Plugin for WordPress by MonsterInsightsはWordPress公式のプラグインであり、日本語対応されています。
WordPressの管理画面からインストールして有効化し、何度かクリックするだけでGoogleアナリティクスと連携することが可能です。同時にWordPressのダッシュボードからGoogleアナリティクスのアクセス解析をチェックできるようになります。
このプラグインの場合は有料のPROに課金することで、さらに細やかな分析やビジネスで役立つレポートが利用可能となる点です。単純にアクセスの増減をチェックしたいだけでなく、確実にビジネスに役立てる情報を収集したい場合におすすめのプラグインと言えるでしょう。
【プラン・料金】
・基本的な機能は無料
・EC事業や企業や組織として利用するなら課金も視野に
・PRO/有料版
Plus $79.60/年額
Pro $159.60/年額
Agency $319.60/年額
※上記は2021年11月時点のセール価格です。プランごとの詳細やセール前の価格については公式ページをご確認ください。
アクセス解析が可能なプラグイン2選
最後にアクセス解析が可能なおすすめプラグインを2つご紹介します。
WP Statistics
【日本語対応】◯
【概要】
WP StatisticsはWordPress公式プラグインであり、インストールして有効化するだけでWordPressへのアクセス解析が可能になります。Googleアナリティクスなどの外部サービスと連携する必要がないのが特徴です。
また、有料のアドオンを追加することでアクセス解析に役立つ機能や詳細なレポートの出力が追加されます。まずは無料で試して使い心地を体感してから、必要な部分のみ課金することも可能です。
無料で利用できる基本的な機能についても、しっかりとしたアクセス解析が可能なので、まずはアクセス解析でどんな情報が得られるのか知りたい方、またはとりあえずアクセス解析をすぐに導入したい方におすすめです。
【プラン・料金】
・基本的な機能は無料で利用可能
・有料プランではなくアドオンの追加という形で課金
・必要な項目のみ年単位で課金することが可能
※有料アドオン毎の価格や機能などの詳細については公式ページよりご確認ください。
Jetpack by WordPress.com
【日本語対応】◯
【概要】
JetpackはホスティングサービスであるWordPress.comが提供するWordPress公式のセキュリティ・パフォーマンス・サイト管理機能を備える総合的管理プラグインです。サイト管理の部分の機能でプラグイン単体でも統計情報をチェックすることが可能であり、Googleなど各種検索エンジンへのSEO対策の機能も備えています。
WordPressのセキュリティやパフォーマンスに関する管理や機能も設定できるため、総合的な機能の強化につながるのが特徴です。そもそもアクセス解析はアクセスの増加させるためにデータを蓄積し分析することであり、並行してSEOやSEOにつながるパフォーマンスの改善ができるのは大きな利点と言えます。
WordPressの構築において、Jetpackのような総合的なプラグインを導入し、補助のような形で他のプラグインを組み合わせるのはおすすめなので、ベースとなるプラグインをお探しの方に向いています。
【プラン・料金】
・基本的な機能は無料で利用可能
・有料プラン
日次バックアップ月/540円
Security Daily 月/1,335円
Complete 月/5,350円
※プランごとの機能の詳細については公式ページをご確認ください。
まとめ
今回はWordPressでアクセス解析を行う方法や可能にする際の注意点、そしておすすめのプラグインを5つご紹介しました。
WordPressのアクセス解析については、何のためにアクセス解析が必要なのか、目的や用途をしっかりと見極めることが大切です。例えば、単なるアクセスの増減ではマーケティングやWebページの詳細な効果測定が難しい場合があります。
ビジネスで実務レベルで利用したいのであれば、詳細なアクセス解析が可能なこと、またはレポートとして出力して分析の材料になることなど着目してみましょう。
その他、必要に応じて有料プランを活用することで、他の企業や組織にはない判断材料や新しいアイデアの創出につながることを意識してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事がWordPressのアクセス解析について詳しく知りたかった方、または自社の環境に合わせてアクセス解析を導入したかった方のお役に立てれば幸いです。