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MA・SFA・CRMの違い|解決できる課題は?使い分けのポイント

2020年07月14日

SFACRMMA

MA、SFA、CRMは、いずれもマーケティング・営業の概念または支援ツールです。システムツールとしては機能に重複するところもあり、CRMとSFAを兼ねているツールも存在します。

そのため区別しにくいのですが、マーケティング・営業プロセスのどの段階の顧客にフォーカスするかという点で見ると、それぞれを理解しやすくなります。

この記事では、MA、SFA、CRMの違いを解説し、課題に合わせた選び方を紹介します。

MA、SFA、CRMとは

MA、SFA、CRMというのはすべて、マーケティングや営業に関わるツールです。
MAは、マーケティング活動を自動化するツール、SFAは営業活動の支援ツールです。
CRMは顧客との関係管理をするためのツールを意味します。どのツールも、アナログでは煩雑になってしまう業務を支援してくれる便利なものです。

MA、SFA、CRMの機能にはいくつか重複する部分もありますが、どの段階の顧客をターゲットとするかで、使うべきツールが区別されます。

下記の図1は、MA、SFA、CRMそれぞれのツールの目的や特徴、顧客側の意識変移などを示したものです。

MA・SFA・CRMそれぞれの目的・特徴

この図を基に、MA、SFA、CRMそれぞれについて詳しく説明していきます。

MAとは

MAは「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」のを略したもので、日本語では「マーケティング自動化」というような意味になります。
上記図1の青色の範囲が、MAツールが対象とする顧客の状態および自社の施策です。

MAの対象となる顧客の状態は、リードと呼ばれるいわゆる「見込み客」です。
例えば、自社サイトの来訪者や、展示会などで名刺交換をした相手がリードに当たります。ホワイトペーパーのダウンロードを行った人や、メールマガジンの会員登録をした人なども含まれます。

MAの目的は、リードの中から優先度の高い顧客を見つけ出し、商談へと結びつけることです。リードをできるだけ多く集め(リードジェネレーション)、見込み段階から顧客へと育成(リードナーチャリング)、見込み客の中で優先度を選別(リードクオリフィケーション)していきます。
つまり、MAというのは、顧客となり得るリードを見つけ出し、最適なアプローチを仕掛けるためのツールです。

MAの特徴的な機能として挙げられるのは、以下の通りです。

・メールマガジンの配信や広告配信の自動化
・自社サイトなどから見込み客の情報を獲得
・リード情報の管理
・問い合わせ情報の管理

下記の記事では、MAについてさらに詳細な解説と具体的なMA製品を比較・紹介しています。

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SFAとは

SFAは、「Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)」の略です。日本語では「営業支援システム」といわれます。
上記図1では、黄色で示した範囲がSFAツールの対象となります。

SFAは、商談にフォーカスし、その周辺に近い顧客を対象とします。MAでリードクオリフィケーションまで済ませた後、営業部門に渡った顧客を対象とするのがSFAツールです。
営業のメンバー同士で顧客情報を共有し、商談の予定や内容、結果も併せて管理することが可能となります。顧客や商談情報の引継ぎを円滑に行う場合にも便利です。

SFAの目的は、商談を行い受注を得ることです。顧客に対し、効率的に営業活動を行い、予実管理などを行いながら、売上を獲得します。
つまり、SFAというのは成約するためのツールだということです。

SFAの特徴的な機能として挙げられるのは、以下の通りです。

・営業活動のスケジュール管理と支援チーム
・案件ごとの商談管理
・チーム内での情報共有

また、顧客の中には、商談に至らず再度の育成(リードナーチャリング)を必要とする場合も出てきます。そういったケースでは、再びマーケティング部門へ顧客を戻して検討度を高めるような工夫も必要となります。

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CRMとは

CRMは「Customer Relationship Management」の略語です。日本語では「顧客関係管理」と訳すのが適しているといわれます。
上記図1では、赤色で示した範囲がCRMツールの担当です。一部SFAと重複する部分もあり、また場合によってはMAツールと被る点もありますが、取引履歴のある顧客の管理を担うのがCRMです。

SFAとMAがいずれも「オートメーション」つまり自動化ツールであるのに対し、CRMは顧客との関係構築をはかるマネジメント手法という意味がもともとあり、それを実現するITシステムがCRMと呼ばれるようになったという経緯があります。SFAもMAも広義では、手法としてのCRMを実現するツールということができます。

ツールとしてMA・SFAと区別する場合に、CRMの対象となるのは、実際に取引履歴、受注履歴のある顧客です。既に取引を終え顧客となった対象について、自社との関係の維持・向上を図ります。CRMツールを利用することで、獲得した顧客を他社に逃さないようにサポートします。

CRMの目的は、既存顧客との良好な関係の維持、さらにアップセルやクロスセル、リピーターとなってもらうことによる売上の効率的な向上です。顧客の情報をデータベース化し、分析をすることで、顧客とより良い関係を築けるよう対策を打つことが可能となります。

CRMの特徴的な機能として挙げられるのは、以下の通りです。

・顧客情報(購入履歴などを含む)の管理、分析
・問い合わせやクレーム内容の管理
・定期的な顧客とのコミュニケーション(メール配信・セミナー案内など)

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課題に合わせたツール選定の例

ここまで、MA・SFA・CRM、それぞれの対象範囲と大まかな機能について整理してきました。
続いて、解決できる課題は何かという切り口で見てみましょう。

ここではMA・SFA・CRMが解決できる代表的な課題を挙げますが、実際のツールには機能の差異があります。ツールの選定に際しては、自社の解決したい問題に合ったツールを選択する必要があります。

MAが解決できる課題

MAで解決できるのは、マーケティング部門の課題です。見込み客(リード)の獲得や、商談に結び付く確率などに問題がある際に有用であると言えます。

リードの絶対数が不足している

リードの絶対数が不足している場合はMAツールが有効です。MAは顧客に対して、自社商品への興味関心を引きつける機能があります。例えば、定期的に自社情報のメールマガジンを送付したり、セミナーや展示会の参加者にお礼のメッセージを自動送付したりすることができます。

顧客が自社のWebサイトに来訪した際の施策もあります。ポップアップで資料請求ページや問い合わせページを表示したり、リターゲティング広告を出したりすることができます。新規顧客との接点を作り、リード増加を狙うのもMAの機能の一つです。

その他にも、LINEやメッセージアプリと連携して顧客とのコミュニケーションを図ることができるものや、Web接客に特化したツールもあります。自社製品についての質問や疑問に丁寧な回答をすることも、見込み客を増やすきっかけになります。

商談化率を上げたい

MAは、メールマガジンの開封履歴、Webページの閲覧履歴などから、顧客の行動を分析して、どの程度の見込みがあるのかをスコアリングすることも可能です。
スコアが高いリードというのは、それだけ商談化への確度が高いということです。スコアに応じたリードナーチャリングを行うことで、商談に結び付けていきます。

また、MAは見込み客について、スコアだけでなく「グレード」と呼ばれる指標を設定することもできるものもあります。
スコアが顧客がどのくらい自社に興味関心があるかを示すものであるのに対し、グレードというのは自社にとって、顧客がどれくらい最適であるかを示すものです。企業規模や役職など商談化率や商談の成功率に影響したり、売上にどの程度貢献するかを数値化することで、営業活動の優先順位をつけます。
これらの指標を基準に、より適切なリードを見つけ出し、育成を行い、商談に持ち込みます。

足で稼ぐ営業を中心に行ってきた見込み客の発掘をMAで行うことで、業務の効率化を図ることが可能なだけでなく、質の高い見込み客に対して営業活動を注力できるようになります。

SFAが解決できる課題

SFAで解決できるのは、営業部門の課題です。営業担当者ごとの情報共有や管理を徹底したい場合や、商談の成約率を上げたい時にはSFAを検討します。

営業担当者別の実績管理を徹底したい

SFAでは、営業一人一人の実績や進捗をチームで共有することが可能となります。取引先情報や案件情報、抱えている商談の数や予算目標などを数値で予実管理ができます。営業活動の量や、担当者別の商談成功率も把握できます。

個人の抱える仕事量も見えてくるので、チームでタスク配分をすることもできるようになり、業務の効率化が図れます。また、営業担当者が入れ替わる際の引継ぎがスムーズになります。

営業情報を社内で可視化することで、担当者別の管理だけでなく、チームプレイでの営業活動ができるようになります。

商談の成約率を上げたい

SFAを通じて正しく情報共有ができていることで、商談の進捗状況が明らかになります。それにより、顧客に対する効率的なアプローチを営業チーム全体で考えることが可能となり、商談の成功率向上にも繋がっていきます。

また、SFAでは業種や業態に合わせた形で営業プロセスを設計することができます。過去の営業活動記録から、改善点の分析も可能です。

過去に行ったどのようなアクションが効果的であったか、記録を元に改善策を練ることができます。実際に商談が成約した事例から、具体的な数値目標を立てることもできます。

このように、SFAを利用して営業活動のプロセスを見える化することで、営業活動全体の見直しをすることにも繋がります。改善すべき点がどこであるかが明確になれば、商談の成約率の向上も見込めます。

CRMが解決できる課題

CRMツールが担うのは主に顧客管理部門の課題です。製品やサービスの解約率を下げたい時や、LTV(顧客生涯価値)を増やしたいなどの課題がある際に有用です。

解約率を下げたい

CRMは、顧客との良好な関係を長く続けることが目的です。一度契約をした顧客を逃さないためには、顧客のニーズに適切に応える必要があります。顧客の利用状況を詳細に把握できれば、顧客の現状に合わせたアプローチが可能になります。

コールセンターなどにCRMを導入することで、問い合わせ電話やメールなどの情報を蓄積し、契約を交わした顧客に対するアフターサービスを充実させることができます。
また、どのような顧客の解約率が高いのか、どのようなタイミングでの解約が多いのか、解約の理由はなにかを分析する必要もあります。

BtoBサービスであれば、サービスへのログインが減ることは解約の兆候となりえます。状況をヒアリングする電話やメールによって解約を避けることができるかもしれません。

LTVを増やしたい

LTVとは、「Life Time Value」の略語で、日本語で言うところの「顧客生涯価値」というものです。これは、顧客側が自社に対して、どれだけ利益を与えてくれたかという指標です。
当然、取引開始から終了までの期間が長いほどLTVは大きくなります。引件数が多くても同様です。
LTVを増やすためには、顧客側とどれだけ良好な関係が築けるかというのが大きな要因となります。顧客が自社の「ファン」になってくれるような状態であれば、アップセルやクロスセルによる顧客単価の向上も見込めます。

CRMを利用して、顧客の好みや購買製品に合わせたアプローチを行ったり、新製品の案内やセミナーへの招待なども有効です。
また、取引状況などから顧客を分類して「優良顧客」には積極的なアプローチを行ったり、現在取引がない「休眠顧客」には、商品のキャンペーン情報や利用メリットなどを定期的に送付するなどの掘り起こしを行います。

まとめ

MA、SFA、CRMそれぞれの持つ役割の違いや、活用方法などを紹介してきました。どれも、マーケティングや営業活動を支援する便利なツールであると言えます。しかし、活用する段階や、場面を間違えてしまうと、支援ツールの持つ本来の効果が発揮できないこともあります。

自社にとって強化すべきなのはどのような部分なのかを明確にした上で、本当に必要な支援ツールを選択することが重要です。

この記事を書いた人

QEEE編集部

QEEEmagazineはマーケター、人事、エンジニア、営業企画などの企画者に役立つコンテンツをそれぞれ領域のスペシャリストが発信していきます。

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