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クロスメディア戦略とは?成功事例・成功のポイントを徹底解説!

2020年07月14日

クロスメディア戦略

SNSやニュースサイト、個人のブログや動画などWEBメディアが広く浸透するようになり、2019年の広告費は、初めてインターネット広告がテレビ広告を超えました。

WEBメディアの優勢により消費者のメディアの利用状況に変化が生じる中、クロスメディア戦略を利用した企業広告が増えています。

今回の記事では、クロスメディア戦略について基本的な知識や具体事例をご紹介し成功に導くポイントをお伝えします。

クロスメディア戦略とは

クロスメディア戦略はクロスメディアの考え方や手法をスタート地点として活用し、最終的に企業や組織として利益となるまでの計画を練り込むマーケティング戦略です。

クロスメディア戦略ではただ単に複数のメディアを利用するだけではなく、メディアごとの性質やユーザーの属性など、それぞれの特徴に合わせて公式としての情報を発信することでもあります。同時にメディアごとの強みや弱みを理解した上で効果的に組み合わせることで、幅広い層にリーチしながら広告効果の最大化を図る手法と言えます。

クロスメディア戦略によって見てもらうだけのマーケティング展開ではなく、覚えてもらい、買ってもらうためのマーケティング展開が可能となります。

クロスメディアとは

クロスメディアとは複数のメディアで認知拡大や興味関心の育成を狙う考え方であり、メディアを利用したマーケティング手法のひとつです。メディアを上手に活用することで、集客効果となるだけでなく、信頼性や安心感の向上にもつながり、結果的に売上や利益に影響するため、日本国内の企業でも重要視され始めています。

クロスメディアの考え方や手法は様々ありますが、最低限覚えておくべきポイントは下記の2つです。

・認知を広げるためのクロスメディア
・信頼を積み上げるためのクロスメディア

ただし、どちらも複数メディアを利用する点では同じですが、利用すべきメディアやメディアの利用方法や伝える情報に違いがあることに注意しましょう。

認知を広げるためのクロスメディア

上記の場合は複数のメディアに存在する幅広いユーザー層にリーチすることを意識します。

例えば、ターゲットやペルソナによって表示する広告が変わるWeb広告やSNS広告、または不特定多数の人が見る機会のある雑誌や屋外広告及び広告看板、電車やバスの広告などが向いています。

信頼を積み上げるためのクロスメディア

上記の場合は複数のメディアから情報を発信することで信頼や安心を積み上げることを意識します。

公式ホームページや公式SNSアカウント、テレビCMや新聞雑誌など、情報源として信頼に足るメディアから公式の情報として発信するのがおすすめです。

クロスメディア戦略が広まる背景

クロスメディア戦略が広まった背景はスマートフォンの普及によって、テレビ離れや紙媒体離れが起きてしまったこと、同時にマスメディアの影響力の低下が原因と言えます。実際にスマートフォンひとつで充分に情報が得られるため、既存のマスメディアの必要性が感じられないのも確かです。

しかし、情報格差と呼ばれる問題では逆にスマートフォンを使えない人が一定数いることを考えると、企業や組織としては既存のマスメディアもWeb広告やSNS広告などのメディアも上手に使いこなさなくてはなりません。そのためクロスメディア戦略が横断的に各メディアを有効活用できることから、注目されるだけでなく、重視されるようになりました。

クロスメディア戦略はある意味メディアに依存しないマーケティング戦略であることを考えると、公式SNSアカウントは必要ない、または公式ページやWeb広告はもったいないと考えていると時代に乗り遅れるどころか企業としての存続が危ない可能性もあるでしょう。

マルチメディアやメディアミックスとの違い

次にクロスメディアとマルチメディアやメディアミックスとの違いを抑えておきましょう。

マルチメディアとは

マルチメディアとはメディアという言葉が含まれていますが、広告媒介や情報発信源としてのメディアではありません。どちらかと言えば文字や音声、動画などのデジタルコンテンツ、またはアナログからデジタル化されたコンテンツ、その他CDやDVDなど記録媒体の総称を指すのが一般的です。

マーケティング的な使われ方をする場合もあり、例えば原作となる小説がマンガやアニメになったり、映画やゲームになることをマルチメディア展開と呼ぶケースもあります。

クロスメディアは情報発信源や広告媒体としてメディアを利用した考え方や手法であることを考えるとマルチメディアとクロスメディアはまったく別物であることがわかります。

メディアミックスとは

メディアミックスは基本的にはテレビCMや雑誌、ラジオなどの広告を組み合わせて大々的な広告展開をすることで広告効果を高める手法です。いわゆる一昔前のテレビで見た、雑誌で見たという口コミや評判によって一気に流行や人気を集める手法とも言えます。

また、マルチメディア展開と同じく、特定のコンテンツやキャラクターの人気を利用して、企業とのコラボやグッズの販売、小説がアニメ、逆にアニメが小説になるなどのケースもメディアミックスと呼ばれます。

クロスメディアとの違いは複数のメディアを利用する点では似ていますが、メディアの使い分けをすること、メディアごとに異なるマーケティング施策を展開し、広告効果の最大化を図る工夫をするという点に違いがあると言えるでしょう。

クロスメディア戦略のメリット

次にクロスメディア戦略のメリットを見てみましょう。

広いターゲットに対応

クロスメディア戦略はメディアごとのメリットやデメリットを補ったり、メディアごとに異なるユーザー層にリーチできるため、幅広いターゲットに対応できるのがメリットです。商品やサービスの性質によっては、メインとなるターゲット以外にも需要がある可能性もありますが、ターゲットから外れてしまうと広告媒体から逸れるため見てもらないこともあるでしょう。逆にメインとなるターゲットが主に広告を出しているメディアを見ない場合でも、各メディアで広告展開していれば見てもらえる可能性が高まります。

また、認知されていない段階の潜在的なユーザー層や元々興味のないユーザー層においても「知る」ことによる影響力は決して小さなものではなく、知らなければ買わなかった、逆に知ったから買ったというのも珍しいことではありません。クロスメディア戦略は需要の掘り起こしにも効果的であることがわかります。

詳細に情報を伝えられる

クロスメディア戦略は複数のメディアから情報を発信するため、細かい情報も伝えることができます。また、ユーザーが興味関心を持った時にユーザー自身が情報を検索した段階で公式の情報に触れることができれば、それだけでも企業や組織としての安心感や信頼感の確保につながるのも確かです。

例えば、インターネット上では様々な商品が販売されていますが、時には悪質な業者もいるため慎重な人でなくても販売元や製造元をチェックすることがあります。その際、きちんとしたブランドやメーカーであることが確認できれば、ユーザーは安心して購入できるということです。

その他にもSNS上では様々な情報が飛び交うことで、時にはデマやデタラメな情報が発信されてしまうことがあります。しかし、気になったユーザーが公式ページや公式SNSアカウントをチェックして嘘か本当か判断することを考えると複数メディアを利用してインターネット上の存在を確立しておくこと自体が大切であることがわかります。

クロスメディア戦略事例

次にクロスメディア戦略の成功事例を3つご紹介します。

Twitterの中の人が大人気!SHARPの事例

SHARPではTwitterを利用した公式SNSアカウントによるクロスメディア戦略を行っています。SHARPさんと呼ばれながら、SHARPとしての公式情報や逆に全く関係のつぶやきも含めて、フォロワーやフォロワー以外にも愛され親しまれているキャラやポジションを確立しました。

・83.9万人のフォロワー
・いくつものバズツイートの投稿
・細かく丁寧なリプライやRT
・他の企業アカウントとのコラボ
・製品に関する質問への回答

上記はSHARPさんのTwitterでの実績やアクションの一部であり、商品やサービスの購入に至る影響力も少なくない可能性が高いといえます。好意的かつポジティブな印象のアカウントから発信される情報は見てもらえるだけでなく、いいねやRT、リプライなどのアクションがもらえるため、さらに自然な形で拡散されるため、右肩上がりでフォロワーが増えていくことがわかります。実際にマスクの販売では公式サイトがダウンしてしまうほどのアクセスがあったことを考えるとSNSの影響力のすごさを感じ取ることができます。

ハイボールを若者に浸透させたサントリーの事例

サントリーでは新しく画期的な提案ではなく、昔からあるハイボールという飲み方をクロスメディア戦略によって成功させ、若者にハイボールを浸透させることにつながりました。

・ハイボールの飲み方の提案
・有名女優の起用
・YoutubeやテレビCMの併用
・屋外広告や実店舗のポスター

上記がサントリーの行った主なクロスメディア戦略です。メディアとしてはテレビCM、Youtubeや屋外広告、実店舗のポスターなどを利用しており、まさにクロスメディア戦略を詰め込んだような成功事例です。テレビCMで見た、Youtubeで見たお酒の飲み方を実際にお店で飲めるというのはわかりやすいユーザー体験であり、知ってもらうことの大切さや実際に数字に反映される影響力が見て取れるようにわかります。

現在でもコンビニで売られている缶のハイボールも順調に売れつづけています。また、各種居酒屋チェーン店でも定番の飲み方としてメニューに存在することを考えると、ひとつのブランドの戦略が幅広い範囲にポジティブな影響を与えることも、クロスメディア戦略の有用性を示していると言えます。

一大ブームを巻き起こした妖怪ウォッチの事例

一大ブームとなった妖怪ウォッチも実はクロスメディア戦略の成功事例です。妖怪ウォッチに少しでも関係するものも含めれば、大きな経済効果を生んだと言えます。

・ゲームソフトやアプリ
・おもちゃ
・アニメや映画
・アパレルやグッズ
・各種ゲームアプリや企業とコラボ

上記は妖怪ウォッチが展開したメディアや実績の一部ですが、ゲームから始まっておもちゃやアニメ、映画やグッズ、そしてコラボにいたるまでデジタルから実店舗などでも利益や売上の増加となったことがわかります。メディア合わせて楽しめるコンテンツや表現を続けているため、もはや日本の定番アニメやキャラクターの存在となったと言っても過言ではないでしょう。子供からしたらゲームでもアニメでもおもちゃでも楽しめるのですから、クロスメディア戦略が成功していることは明白です。

遊びや楽しむといったポジティブなユーザー体験が前提である点や子供が喜ぶこと=親も嬉しいという需要と供給が合致したことも、クロスメディア戦略として成功した理由と言えるのではないでしょうか。

クロスメディア戦略を成功させるポイント

最後にクロスメディア戦略を成功させるポイントをご説明します。

カスタマージャーニーを意識したメディア連動

クロスメディア戦略ではカスタマージャーニーを意識した上でメディア連動することが大切です。クロスメディア戦略は基本的にメディアを利用することが前提であり、決して小さくない広告コストが発生します。だからこそ、購買層が存在しないメディアを利用するのはあまり得策ではありません。

カスタマージャーニーによってユーザーがどのメディアを使うのか推測することで、適切なメディアに広告を出すことができますし、ユーザーとの接点が把握できればタイミングに応じて効果的なアプローチも可能となります。

また、商品やサービスの価格帯に合致するユーザー層にリーチするためにも、メディア自体がターゲットとするユーザー層と乖離がないかどうかも判断材料となります。その上でどのメディアの組み合わせが適切か考えるのがおすすめです。

ユーザーの導線を意識したコンテンツ作成

クロスメディア戦略におけるゴールが購入なのか、それとも資料請求や問い合わせなどリードの獲得なのか明確にしましょう。そして、購入が目的であれば実店舗までの誘導がゴールなのか、それともECサイトやオンライン上のサービスの有料化ページがゴールなのかなど最終的なゴールの媒体を決めておくことが大切です。

同時にユーザーとの接点において常にユーザーがゴールに到達するための販売戦略を練る必要があります。例えば、商品を買ってもらいたければ、まずは商品に興味を持ってもらうこと、次に詳細を知ってもらい購入を悩んでもらうこと、そして悩んだ段階で適切なアプローチをすることで購入してもらうなど、きちんと導線を考えましょう。

極端なことを言えばユーザーがどうやって買うんだろう?どうやって課金するんだろう?と思ったタイミングで購入や課金する方法を示すということです。ユーザーの接点ごとに不安や疑問を解消する仕組みを組み込んでおくとより効果的です。

PDCAサイクルによる検証・改善

クロスメディア戦略はPDCAサイクルによる検証や改善が必要不可欠です。特に数値的な効果測定ができなければ具体的な指標が定まらず、事前と事後の差がわからないままになりますので注意しましょう。

Web広告やSNS広告はレポートなどで状況を把握できるようにすること、ECサイトや実店舗においても、何らかの形でどのメディアが接点で購入や来店につながったのか把握できる仕組みを作ることが重要です。その他、公式ホームページやランディングページについても、アクセス解析を利用してどこから誘導されてきたユーザーなのか、どのページに遷移したのかというデータも今後に役立ちますので、データの可視化や活用も含めたPDCAサイクルとなるような体制作りを意識してみてください。

また、検証するだけでなく改善することも大切です。改善が改悪にならないようにするためにも、具体的な数字や根拠を持った改善を行うことをおすすめします。

まとめ

今回はクロスメディア戦略に関する基礎知識やメリット、成功事例や成功させるポイントをご紹介しました。

クロスメディア戦略は様々な手法や考え方があり、画一的にどれが正解なのか判断しにくいこともあるでしょう。例えば、公式のSNSアカウントも最初はフォロワーや友達は0人から始まります。少しずつ組み立てること、PDCAを意識しながら、または企業や組織としての情報発信であることを留意しながら情報を発信することが大切です。

また、マーケティングでは知ってもらうことの大切さと知ってもらうだけでなく買ってもらうための工夫が基本であることを忘れず、具体的な数字やデータ、もしくは根拠となる事実などを踏まえた上で明確かつ共有しやすい戦略を立ててみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事がクロスメディア戦略の概要を知りたかった方、これからクロスメディア戦略を取り入れてみようとお考えの方のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

QEEE編集部

QEEEは、INTLOOP株式会社が運営するビジネスの総合ポータルサイトです。 多様なコンサルティング実績をもつINTLOOPのノウハウを生かし、あらゆる経営課題・ビジネスの悩みを解決するサービスを提供しています。 QEEEマガジンでは、マーケター・人事・エンジニア・営業などの各職種に向けて、SaaS比較やビジネスコラムなどのコンテンツを各領域のスペシャリストが発信しています。

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