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知っていますか?LTV(顧客生涯価値)の計算方法、向上させる方法とは?

2020年06月30日

カスタマーサクセスBtoBマーケティングCX

LTV(ライフタイムバリュー)はCLTVとも言われ、顧客生涯価値と訳されます。顧客が一生で自社の商品やサービスにいくら使うかという指標です。一般的にLTVは高いほうがよいとされていますが、計算方法を覚えれば、LTVがどのような指標かが理解できるくらいなじみやすく、覚えておくと有用な指標です。
この記事では、LTVの基本的な考え方と計算式、LTVを高める施策と、顧客個別のLTV算出時の注意点を解説します。

LTVの基本的な考え方

LTVは日本語では「顧客生涯価値」と表現し、基本的には顧客あたりの生涯を通じての自社サービス・商品の購入額のことです。LTVを指標として用いることで、ロイヤルカスタマーの属性の抽出や商品・サービスの評価など、さまざまな情報を得てマーケティングに活用できます。 

LTVの計算方法3つ

LTVは顧客一人あたりのLTVを計算することが可能ですが、顧客数が多い場合は作業量が膨大になってしまいます。そのため、LTVの計算では自社の保有するデータをもとに、1人あたりの平均LTVを算出して利用する方法があります。分析したい事柄に合わせて以下の3つの計算式が用いられています。

計算式①:LTV= 1顧客の年間取引額 × 収益率 × 1顧客の継続年数
計算式②:LTV= 全顧客の平均購入単価 × 平均購入回数
計算式③:LTV=(売上高-売上原価) ÷ 購入者数

上記計算式によって導かれるLTVの数字はそれぞれ異なります。
①は 収益率が変数として入っているため、コストを勘案したLTVが算出できます。
②はもっとも単純に売り上げについてのみのLTVとなります。
③は期間を決めた上で計算する必要があります。

計算する期間の目安 

LTVの計算では、どの期間のデータを用いるかを考える必要があります。自社の状況に合わせて考えて構いませんが、期間を長くとってしまうと、顧客の維持ができるかが不透明になってしまいます。顧客一人あたりの平均購買期間や、資金回収の目標期間などを目安に設定するとよいでしょう。

LTVの指標としての意味

「LTVが高い」と言った場合、その意味するところは必ずしも同じではありません。どのような理由によってLTVが高くなっているのかをよく考え、今後のマーケティングに活かす必要があります。

収益性を示す

「LTVが高い」ことは、単純には「収益性が高い」ことを意味します。算出する式には、収益率や顧客一人あたり利益などが変数として含まれています。そのため、収益性が高くなるほど基本的にLTVは高くなります。
一般的には、新規の顧客よりも既存顧客の方が収益性が高くなります。新規顧客の獲得のためには、市場調査などのマーケティング費用や広告費用などが余計にかかるためです。そのため、獲得した顧客の売上が同じように見込めるとしてもLTVの値には明確な差が生じます。

 施策の効果

LTVは施策の費用対効果を知る指標ともなります。
例えば、Aという施策で獲得した顧客群とBという施策で獲得した顧客群のLTVを比較したり、マーケティング施策を実施した対象ごとにLTVを比較するなどがあります。LTVの数値を意識することで、マーケティング活動の評価もしやすくなります。 

LTVを高める方法

LTVを高めるための基本的な考え方は、単価、頻度、期間のいずれか、またはすべてを高めることです。そのためには、顧客データをスピーディーに分析し、活用することが求められます。
以下では、LTVを高めるために効果的な方法について解説します。 

CRM

CRM(Customer Relationship Management)は、「顧客関係管理」と訳されます。CRMでは、顧客との接触回数やその内容、顧客の購買行動などを細かく記録して分析するマネジメント手法です。
CRMによって、商品やサービスのロイヤルカスタマーの属性を明らかにしたり、どのような施策を行った場合に反応が良いのかを分析できます。また、顧客の新規獲得や離脱についての情報も得られます。
CRM用のシステムは営業やマーケティング、カスタマーサポートなどの分野で広く利用されており、LTVを考える上でも欠かせません。

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カスタマーサクセス、カスタマーサポート

顧客が商品やサービスから離れてしまう場合、期待した便益が受けられていないケースがあります。カスタマーサクセスやカスタマーサポートは、顧客の成功体験を支援し、期待を満たすことを目的とした活動です。
カスタマーサクセスやカスタマーサポートは、解約率を下げ、LTVを高めるために効果的です。実施方法は、電話対応や現地サポート、メールやチャットによるサポート、マニュアルの提供など製品やサービスによってさまざまです。

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カスタマーエクスペリエンスとは、顧客が商品(製品)・サービスの利用の結果、体感した価値のことです。顧客の主観的な経験や感情を重視するとともに、企業のミッションステートメントに合致させることが求められます。
カスタマーエクスペリエンスを導入することで、競合との差別化やブランディング効果が期待でき、LTVの要素である単価や頻度、期間にも良い影響が出ます。導入のためには、顧客をよく分析して提供する体験を定め、現状とのギャップを埋めながら改善を繰り返すことが大切です。

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個別のLTVを算出するには

LTVは便宜上、平均値を算出して用いることが多いですが、用途によっては個別のLTVの算出も必要です。個別のLTVは顧客ロイヤリティ戦略において必要不可欠ですが、算出のためには各部門で保有しているデータが必要になることがあります。企業規模が大きくなるほどデータの収集や分析が難しくなるため、ERPやDWHなどの活用が必要です。 

収益面の把握

個別のLTVの算出のためには、実際に何をいくらで売ってどの程度利益があったかという収益面の把握が必要です。そのためには、取引実績について、割引の有無や割引率、原価なども含めたデータが必要になります。売り上げが高いとしても、それほど収益に結びついていないケースもあるため、本当に優良な顧客の発掘のためには収益面の把握は大切です。
収益面を把握することで、個別のLTVの計算だけでなく、行うべき施策も見えてきます。アップセルやクロスセルのための商品選定や、新商品の投入シミュレーションなどにも活用可能です。

維持・コミュニケーションコストの把握

売り上げが高いとしても、コミュニケーションコストやマーケティングコストが高ければ収益率が下がり、LTVは低くなってしまいます。そのため、商品販売に関するデータだけでなく、顧客の維持やコミュニケーションのためのコストの把握も大切です。
同じ売り上げの人だとしても、問い合わせが多い人などはコミュニケーションのコストが高く、個別のLTVが下がります。この場合、FAQの導入やわかりやすい資料作りを通し、同じ特性をもった層のLTVを高められるケースもあります。

まとめ

LTVは、ある顧客が商品やサービスの購買を始めてから、解約するまでの間にどれだけの収益をもたらすかを示した指標です。LTVを計算することで、営業の収益性の改善やマーケティングに有効な情報を得ることができます。
 LTVの算出には、収益性やさまざまなコストの把握が必要となるため、各部門に散らばったデータをまとめる作業が必要になる場合もあります。LTVの算出や、LTV向上のための施策を助けるシステムやツールも増えているため、上手に活用しましょう。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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