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カスタマージャーニーマップの作り方を徹底解説!便利なツールも紹介

2020年06月30日

カスタマージャーニー

カスタマージャーニーという言葉がご存知でしょうか。マーケティング施策を考案する際は勿論、MAのシナリオ作成などの場面で耳にすることも多いカスタマージャーニーですが、なんとなく聞いたことはあるもののどのように作ればいいのか分からない方もいらっしゃるかも知れません。
今回の記事では、カスタマージャーニーの基本的な知識から、実践的なマップ作成の流れや作成ツールの紹介をしていきます。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは顧客の体験や体感を意味しており、顧客が商品の購入やサービスを利用した時の感情や行動を段階的かつ時系列で把握することを指すマーケティング用語です。そして、カスタマージャーニーを認知や興味関心、購入や利用、共有やリピートなどの段階や時系列ごとに情報を書き出して表にしたものをカスタマージャーニーマップと呼びます。

カスタマージャーニー作成のメリット

次にカスタマージャーニーを作成するメリットをチェックしてみましょう。

消費者行動を可視化できる

カスタマージャーニーは消費者行動を可視化することで、新たなアプローチやより効果的な販売促進を進めることができるようになるのがメリットです。
実際問題として、商品やサービスを提供する側は消費者がどのような感情を持って行動し商品の購入やサービスの利用をしてくれるのか把握しにくいという課題があります。この課題を解決するためには自社で入念な調査を行った上で事実やデータに基づいた消費者行動の仮説を作り上げることが重要です。そして、仮説に基づいた消費者行動を指標することで、効果的なプロモーションや適切なアプローチを生み出すことにつながります。
消費者行動を把握し適切なアプローチができるようになれば売上や利益の底上げも期待できることを考えると、企業や組織として積極的に取り入れるべき手法であり考え方であることがわかります。

共通認識を持つことができる

カスタマージャーニーによって消費者に関する具体的な行動や感情が示されることによって、部門や部署、立場を越えて共通認識を持つことができるようになることもメリットのひとつです。
例えば企業や組織では企画する人、開発する人、売る人など様々な形で部門や部署に分かれます。その中で大切なのが共通認識を持つことですが、実際には部門や部署の間、または上下関係や人間関係による立場の間で温度差があったり、お互いの意思疎通や意識の統一が難しいのが企業であり組織と言えます。
カスタマージャーニーによって具体的に何が効果的であり、効率的なのかお互いが共通認識を持つことで、部門や部署、立ち位置を越えて消費者のために何をすべきか一丸となって考えられるようになるでしょう。

提供するコンテンツに一貫性が出る

カスタマージャーニーはブランドとして提供するコンテンツに一貫性が出るのもメリットです。
カスタマージャーニーでは消費者のブランドに対する行動や感情の流れも把握できるようになるため、企画や開発、営業や販売など違った立場においてもブランドイメージを意識した施策を行えるようになります。端的に言えば広告によって商品を購入を検討したり、実際に商品の購入や利用したりする流れにブランドやメーカーらしさをが伝わりやすくできるということです。
ブランドやメーカーとしての認知度やブランド力の向上=信頼感や安心感の向上となり、結果として市場におけるポジションの確率やシェアの増加も期待できます。

カスタマージャーニーマップ作成の流れ

次にカスタマージャーニーマップを作成する流れをご紹介します。あくまでもざっくりとした一般的なカスタマージャーニーマップの基本となる書き方の説明となりますので、ご自身の企業や組織に合わせて柔軟にカスタマイズしてみてください。

目的を設定する

はじめにカスタマージャーニーマップを作成する目的を設定します。目的自体は曖昧な表現や数値化しにくいものでも構いませんが、効果測定が可能な数字やデータに基づいて、現状と未来を何らかの形で把握できるようにすることが大切です。

・自社ECサイトの会員登録数を増やしたい
・リピート率の向上やSNSによる共有を促したい
・コンテンツから問い合わせや資料請求につなげたい
・より効果的な広告や営業展開をするためのベースが欲しい
・新しいコンテンツや商品、サービスの指針を作りたい

上記はあくまでも一例ですが、具体的に何を目的とするのか明確にすることでカスタマージャーニーマップが作りやすくなります。

ペルソナを設定する

次に目的に合わせてカスタマージャーニーマップのペルソナを設定します。ペルソナを設定することで消費者の行動や感情の動きをより深く考えられるようになるからです。

・年齢や性別、居住地や収入
・出身地や学歴、友人や家族など人間関係
・趣味嗜好や興味関心、長所や短所、特技
・生き方や働き方など日々の過ごし方に対する考え方
・悩みや苦手なこと、克服したいと努力していること
・将来的な夢や現状の生活環境への満足度

上記はペルソナの設定項目の一例です。なるべくリアルで具体的な設定を盛り込むことで、架空の人物像とはいえ共通認識しやすいペルソナを形作ることにつながります。
ペルソナを設定するタイミングでも、ただ一つの部署や部門、担当者が一方的に決めるのではなく、共通認識しやすくなるよう様々な意見を取り入れることが大切です。

ペルソナを検証する

次に設定したペルソナの検証を行います。なぜなら、企業や組織として設定したペルソナは一方的な願望を反映したような設定であり、事実やデータに基づかない単なる理想の顧客像だからです。そして、ペルソナの設定はその後のマーケティング展開全体に影響するものであることから、適切なペルソナに作り替える必要があります。
具体的かつ適切なペルソナを設定するためには売上や実際の顧客層、主なターゲット層など蓄積されたデータや事実ベースでペルソナを作成する必要があります。そして、適切なペルソナかどうか検証するためには、定量調査による数値的な検証と定性調査による数値化しにくいデータによる検証が必要だということです。
実際にどのような形でペルソナの定量調査や定性調査をするべきかチェックしてみましょう。

定量調査

定量調査とは数字や分類、属性などのセグメンテーションによって数値化できるデータに基づいた調査方法です。

・年齢
・性別
・居住地
・年収
・職種

例えば上記は一例ですが、自由文章や感情表現のように人によって異なるものではなく、ある程度画一的に分類できる情報や属性、数値化できる情報で調査します。ペルソナの定量調査では既に企業や組織として蓄積されたデータや新商品や新サービスのためのアンケートやテストの結果を利用して、設定したペルソナと事実データが乖離し過ぎていないかチェックします。
単純に設定したペルソナの年齢層や年収が外れてしまうだけでも行動や考え方が大きく異なってしまうことを考えると、事実データに基づいて裏付けすることの大切さが理解できるでしょう。

定性調査

定性調査とは数字での表現や分類による数値化がしにくいものや、数値化したとしても比較検討の対象になりにくいデータを利用した調査です。

・好きな食べ物や飲み物
・趣味や得意とすること
・ものごとに対する考え方
・家族構成や交友関係
・余暇の過ごし方や忙しい時の機嫌

上記は定性調査のデータとなる一例ですが、これらの情報の活用や比較することで、実在する人物像の考え方や意見、気持ちや感情をペルソナに反映させやすくなります。実際、ペルソナは様々な情報を元に感情や行動を「想定」するために作られるものです。
そして、ペルソナがカスタマージャーニーの基盤となる部分であることを考えると、定性調査に基づいて具体的かつリアルな人物像を作成することで日常の生活や時間の流れ、イベントにおいてどのように行動し考えるのか想像しやすくなります。

マップの中身を整理する

次にカスタマージャーニーマップの中身を整理するために、カスタマージャーニーマップの要素や用語をチェックしてみましょう。

フェーズ

フェーズとは消費者の行動を分ける段階や時系列的な軸となる項目です。

・とある業務を自動化し効率化したい
・業務を自動化できそうなツールを探す
・実際にツールを導入、運用する
・自動化によって削減されたコストを算出する

上記は業務の自動化し効率化したいと考える顧客を想定したフェーズの一例です。こうして段階的かつ時系列で項目を設定することで、それぞれのタイミングで顧客がどのような行動を取るのか、どのような感情で悩んだり、決めたりするのかを区分しやすくなります。
フェーズの設定はカスタマージャーニーマップを作成する目的に応じてスタートからゴールを定めて、認知や興味関心、購入、利用などの段階で区切る方法や空間や場所ごとに区切る方法が一般的ですが、フェーズの項目自体は業界や業種によって異なるため適宜柔軟に扱いやすい項目を設定しましょう。

タッチポイント・チャネル

タッチポイントとは消費者との接点となるタイミングを意味します。例えば、自動化するツールを紹介するWebページ、Webページの問い合わせや資料請求、担当者からの電話やメールによる連絡など、自動化ツールを導入までの間に消費者とサービスを提供する側が交差するポイントと言えるでしょう。
チャネルとはタッチポイントとなる場所やモノを意味します。例えば、インターネット上のホームページやSNS、新聞や雑誌などの紙の媒体、電話やメールするためのスマホなど、有形無形を問わずタッチポイントとなる部分がチャネルです。その他にもアプリ各種SNSの広告枠、街頭看板及び屋外広告、テレビCMもタッチポイントとなるチャネルとなります。
タッチポイントやチャネルはフェーズごとに異なることを意識しながら、消費者とどのような形で接点があるのか、どのように接点を持つべきなのか記載するようにしましょう。

顧客行動

顧客行動とはフェーズを推移するタイミングで顧客が取る具体的な行動を指します。例えば、自動化するツールを導入したい顧客であれば、ツールを検索して探したり、過去に交換した名刺や資料から比較検討したりすること、または担当者と話したり導入するための日時を決めることなどがあげられます。
顧客行動は順調にフェーズが推移する中で顧客が取る行動を予測することにつながるので、フェーズを順調に進んでもらうための施策を考えることにも役立ちます。
顧客行動を記載する時はフェーズを推移する行動だけでなく、後述する課題や問題の洗い出しのためにもフェーズの推移とは関係のない行動も明記することが大切です。

感情・思考

感情及び思考はフェーズを推移するタイミングでどんな感情や考えを持っていたのかを明確にすることを指します。消費者の欲しい、買いたいというポジティブな感情だけでなく、失敗への恐れや不安、悩みなどのネガティブな要素も書き出すことが大切です。
特に感情に関する部分は行動への直接的な影響が強いこともあり、ネガティブな要素を把握すること、そしてネガティブな要素を解消することで次のフェーズに推移することもあるため、決して無視できる要素や材料ではありません。
企業や組織、またはブランドやメーカーとして目に痛い情報も時にはあるかもしれませんが、ネガティブな要素こそ課題や問題点であり、解決することでポジティブな結果を生み出すことにつながると理解しておきましょう。

課題

課題とは段階や時系列が推移する中で次のフェーズに進まなくなる原因や要素、またはスムーズに進めるための問題を抽出することを指します。例えば、問い合わせはあっても導入につながらない、導入してもらったけれど継続利用につながらないといった課題を洗い出していきます。
その他にも感情的な部分の解消、行動を移すタイミングで弊害となる要素を適宜抽出することができれば、課題を解決するための施策を練ることにもつながります。
問題発見と問題解決をセットで考えながら、常に疑問を持つこと、また課題や問題をありのままに受け止めることが大切です。

定期的に見直して改善する

カスタマージャーニーマップは作成して終わりといった類のマーケティング手法ではありません。むしろ、定期的に見直して改善することでより効果を発揮します。例えば市場のニーズや自社のポジション、シェアの変化に合わせたり、売上の推移や実際の購買層の顧客情報を反映したりすることで、その時の状況や環境に合ったカスタマージャーニーマップになります。
また、問題や課題となる部分も変化すること、逆に解決した問題や課題を削除して新しい課題や問題を受け入れていくことで、なぜ売上が上がらないのか、なぜ商品が購入されないのかなど根本的な原因を突き止めることも容易となるでしょう。
実質問題としてペルソナやターゲットも時代の流れで変化するのがごく自然であることを考えると、いつまでも同じペルソナやターゲット、カスタマージャーニーマップでは通用しないということの理解にもつながるでしょう。

カスタマージャーニーマップ作成ツール3選

最後にカスタマージャーニーマップを作成可能なツールを3つご紹介します。

ExperienceFellow

【概要】
ExperienceFellowはカスタマージャーニーマップを作成できるツールであり、アプリを通じて実ユーザーによる詳細な購買行動のフィードバックを取得できる仕組みを備えています。また、取得したデータが分析しやすい形でレポートになるため、カスタマージャーニーマップの考え方や手法を早い段階で実用可能にしたい場合に向いています。
実際問題としてカスタマージャーニーマップはペルソナの検証とカスタマージャーニーマップそのものの効果測定がポイントとなるため、ExperienceFellowと同様の仕組みや検証する方法を考えておくことは重要です。ただし、難点としては日本語化されていないため、ターゲットユーザー・社内共にある程度の英語のスキルを必要とします。グローバルな展開を考えている場合や海外での市場拡大を狙っている場合におすすめのツールと言えるでしょう。

【プランや料金】
・2週間の無料トライアル有り
MINI 9EUR/月
SINGLE 49EUR/月
TEAM 89EUR/月
AGENCY 159EUR/月
※プランごとの詳細や機能については下記公式ページをご確認ください。

PLANS & PRICING
https://www.experiencefellow.com/pricing.html

Lucidchart

【概要】
Lucidchartはチュートリアルやテンプレートによってカスタマージャーニーマップを簡単に作成することが可能なオンラインサービスです。ドラッグアンドドロップだけで配置可能な様々な形のパーツも用意されているので、パワーポイントを作成するような感覚でデザイン配置ができるのも魅力と言えるでしょう。
機能面でもペルソナの設定からフェーズや顧客行動などカスタマージャーニーマップを作成する上で必要な要素が盛り込まれているので、初めてカスタマージャーニーマップを作る場合や、しっくりくるカスタマージャーニーマップを作れなかった場合にもおすすめです。また、共有やプレゼンテーションの機能を利用することで、共通認識や一貫性のあるプロジェクトの推進にも役立ちます。

【プランや料金】
フリー 0円/機能制限有り
Individual 開始時800円
Team 1ユーザー/1,000円/最小人数3ユーザー
法人向け 要問い合わせ

※プランごとの詳細や機能については下記公式ページをご確認ください。
Lucidchart - プランの選択
https://app.lucidchart.com/ja/users/registerLevel#/pricing

Marketing Cloud

【概要】
Marketing CloudはSalesforceの提供するクラウド型のマーケティング支援ツールであり、カスタマージャーニーマップを作成できる機能を備えています。AIや連携するサービスによって各種データを収集し、自動的にカスタマージャーニーの生成やカスタマージャーニーごとにマーケティングオートメーションよるアプローチの自動化も可能であり、ビジネスの実務で利用できるレベルのツールと言えます。
またSNSやメールなど様々なタッチポイントを意識したマーケティング対策が可能であり、それぞれから集客しながらデータを蓄積できるので、検証や効果測定に必要なコストの削減にもつながります。
その他、ビジネスにおけるデータの一元化やSalesforceが提供する各種マーケティングツールとの連携によって、シームレスかつスムーズなデータ活用が可能となり、業務プロセスの効率化や自動化の推進も期待できるでしょう。

【プランや料金】
※プランごとの詳細や機能、詳しい料金については下記公式ページをご確認、お問い合わせください。
https://www.salesforce.com/jp/products/marketing-cloud/pricing/

まとめ

今回はカスタマージャーニーマップの基礎知識や作り方、カスタマージャーニーマップ作成ツールををご紹介しました。
カスタマージャーニーマップはいわゆる顧客目線や顧客ファーストのマーケティング展開に適した考え方であり、顧客に寄り添いながら企業や組織としての信頼や安心を勝ち得る材料になります。同時に企業や組織に属していると見えない課題や問題を浮き彫りにすることにもつながるので、売上の伸び悩みや市場規模の拡大が上手く行かない状況を打破するきっかけになることも期待できます。
カスタマージャーニーマップによって企業や組織としての一体感や統一感を作り出しながら、市場におけるポジションの確立やシェアの拡大、または顧客満足度の向上を狙ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事がカスタマージャーニーマップの基礎知識や作り方、カスタマージャーニーマップを作成できるツールを知りたかった方のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

QEEE編集部

QEEEmagazineはマーケター、人事、エンジニア、営業企画などの企画者に役立つコンテンツをそれぞれ領域のスペシャリストが発信していきます。

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