生産管理

原価管理システムとは?機能と選び方、原価管理の基本を解説

2021年06月17日

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原価管理システムは、製造業における原材料や製造にかかるコスト、プロジェクトにおける労務費などの費用を一元管理して計算し、原価の維持や低減を図ることで利益を最大化するためのシステムです。 原価を構成する要素は複雑で変動も多く、サプライチェーンがグローバル化した現在では、変化を予測してリスクに備えることも必要です。
この記事では、原価管理システムの機能と目的、原価管理にかかわりの深いERPについて解説し、原価管理が行えるERPパッケージやソフトウェアを紹介します。

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原価管理システムとは

原価管理システムとは、原価計算や原価管理を行うためのシステムです。
原価管理とは、標準原価と実際の原価の差異を算出して比較し、なぜその差が発生したのかを分析して利益改善につなげることを目的としています。 
たとえば、1台のパソコンを作るための標準原価が100,000円で、実際にかかった原価が120,000円だった場合に、なぜ予定していた原価に対して+20,000円の差額が発生したのか原因を分析します。それから、どうすればその差を解消することができるのか、もしくは原価をさらに圧縮してより安価に製造できるのか具体的な対策をとります。 
これを「原価管理」あるいは「コストマネジメント」と呼び、この作業をより正確で効率的に行うために、原価管理システムが用いられます。

原価管理の目的

原価管理は企業が利益を伸ばし、成長していくために重要な業務のひとつです。原価管理を行う主な目的は3つあります。

コストの把握

原価管理によって原価を構成する内容を詳細に分類するため、必要なコストと不要なコストを把握できます。また、項目別にどれだけのコストがかかっているのかを知ることで、どの部分に無駄が発生しているのか分析することも可能になります。コストの削減は利益を増大させるために必要不可欠な工程なので、原価管理をしっかりと行い、無駄なコストを洗い出すことが大切です。

利益の最大化

自社の商品やサービスにかかっている原価を知ることで、利益を最大化させるための戦略を練ることが可能になります。どの部分の原価に対してどんなアプローチをすると無駄なコストを削減して効率化することができるのか、何度も分析を重ねることが、自社の利益率を高めることにつながります。

リスクへの対応

商品やサービスの提供価格が一定でも、原価はさまざまな要素によって常に変動するものです。そのため、原価管理を定期的に行って自社の原価を把握しなければ、予想外の損失につながってしまうこともあるでしょう。リスクを最小限にとどめるために、原価管理は重要な対策のひとつです。

原価管理システムの機能

一般的に、原価システムを単体で運用することはあまり多くありません。基幹システムやERPシステムの機能のひとつとして扱われることが大半で、代表的な機能としては、次の3つが挙げられます。

他システムと連携したデータ収集

在庫管理や会計システムなど、原価に密接にかかわる他の業務と原価管理システムを連携することで、今後の生産計画や会社の経営に重要なデータを効率よく収集することが可能になります。
また、あらゆる業務機能を連携させることで、社内の基幹システムを統合的に管理できます。それぞれの基幹システムごとに独立して運用する必要がなくなるため、運用コストを削減できるというメリットもあります。

原価計算

「原価管理システム」という名称が表すとおり、原価計算を行うことができます。原価には標準原価と実際原価がありますが、原価管理システムは通常どちらにも対応している場合がほとんどです。
自動処理による工程別や部門別の原価計算が可能になるため、原価の推移を可視化してどの工程に対していくら原価がかかっているのかを把握することができます。自社の生産コストを数値化することにより、改善すべき点や継続した方が良い取り組みなどを明確にすることが可能になります。

分析、シミュレーション

品目や項目ごとにデータの分析を実行し、計画していた原価と実際の原価を比較することが可能です。差異が発生している場所を突き止めることにより、何が原因で計画していた原価を超過しているのか、もしくはどの部分が良かったために原価を小さく抑えることができたのかが具体的な数値で分かります。
分析の手法はさまざまで、システムによって採用している分析機能は異なります。自社の方針に照らし合わせて、使い勝手の良いシステムを選ぶと良いでしょう。

原価管理システムの選び方

ERPツールか、原価管理システム単体か

原価管理を行うためには原料のみではなく、さまざまな費用を統合する必要があります。そのためには生産管理や製造管理に関するデータをはじめとして、在庫情報や会計データ、購買情報など複合的なデータを連携させなければなりません。複数にまたがる業務システムのデータを連携させるためには、ERPを導入することが現実的といえます。
原価管理システムはERPの一環であり、ERPを用いてあらゆる業務システムのデータを連携させることで、スムーズな原価管理が可能になります。

ERPと原価管理の関係

ERPは 「Enterprise Resource Planning」の略称で企業の資源を有効に配分して活用する計画のことです。この「資源」はおもにヒト・モノ・カネであり、原価管理は重要な要素となります。

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業種や業界に合っているか

原価の計算方法は業種や業態によって大きく異なります。そのため自社の業界にあった原価管理システムであることが必須です。

建設業の工事原価管理や、 マーケティングやシステム開発の原価管理では、労務費などの管理が重要になります。

プロジェクト単位の原価管理はできるか

同じ製品の大量生産ではない場合には、受注ごとの原価管理が必要です。

また、プロジェクト型ビジネスも、受注ごとの原価管理と同様にプロジェクトごとに個別に原価管理をする必要があります。

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原価管理システム、ソフトおすすめ7選

原価管理システムにはさまざまな種類があり、それぞれの製品ごとに異なる特徴があります。ここでは、原価管理を始めるにあたっておすすめのソフトウェアを7つご紹介します。

売上原価Pro

提供会社:株式会社アイ・ジェイ・エス
料金:600,000円~(MUG版/スタンドアロン)
提供形態:オンプレミス(クラウド版あり)
特徴:受注案件ごとに売上や利益を計算できるため、自社の原価を詳細かつ正確に管理できます。また、項目別に階層ごとの集計が可能で、利用者に合わせた原価計算を行うことができる点も特徴です。原価の中に間接原価を組み入れることも可能になっており、幅広い計算パターンに対応したソフトです。

勘定奉行11[個別原価管理編]

提供会社:株式会社オービックビジネスコンサルタント
料金:480,000円~(スタンドアロン)
提供形態:オンプレミス(クラウド版あり)
特徴:財務会計システムと個別原価管理システムがひとつになったソフトです。システム開発やコンサル業務など、従来では難しかったプロジェクト単位で動く案件の原価算出を可能にしています。また、会計システムとの連動によって、進行中の未完了プロジェクトでも原価管理を行うことができます。

mcframe 7 PCM

提供会社:ビジネスエンジニアリング株式会社
料金:7,500,000円~(5ユーザー)
提供形態: オンプレミス
特徴:マネジメント品質を向上させることを目的として、4つの原価管理に対応したERPシステムです。原価計算の項目を細かく設定できるため、自社の目的に合わせて自由自在な観点で集計が可能です。差異分析の種類も豊富で、コストの無駄をさまざまな角度から見つけ出す機能に優れています。

J-CCOREs(ジェー・シー・コアーズ)

J-CCOREs(ジェー・シー・コアーズ)

提供会社:JFEシステムズ株式会社
料金:15,000,000円~(要お問い合わせ)
提供形態: オンプレミス
特徴:一般的にはセットになることが多い生産管理システムを導入せずに、原価管理システム単体で使えるのがJ-CCOREsです。原価計算や原価管理に必要なマスタを用意するだけで稼動できるため、既に自社で生産管理システムを使用しており、データを連携して使いたい場合におすすめです。

スーパーカクテルデュオ生産原価

提供会社:株式会社内田洋行
料金:2,100,000円~(3クライアント)
提供形態: オンプレミス
特徴:国内でNO.1のシェアを誇るスーパーカクテルシリーズの、中堅中小企業をターゲットとした生産・原価管理システムに特化したパッケージです。「原価・利益シミュレーション機能」を利用することで、今後の利益の変化を簡単に予測することができます。ロット別のトレースに対応しているので、トレーサビリティの管理も万全です。

BizForecast

BizForecast

提供会社:プライマル株式会社
料金:ライセンス価格+導入コンサルティング費用(要お問い合わせ)
※システム導入後、別途ライセンス保守費用
提供形態:ソフトウェア(一部クラウドサービスあり)
特徴:2019年時点、予算実績管理市場シェア1位を誇るシステムです。経営管理機能により、予算データなどを一元管理することができます。Excelと同じような操作で利用できるので、操作方法も容易です。Webクライアントの利用も可能で、マルチデバイスに対応しています。従来のExcelによる運用方法を活かしながら、原価管理を行うことができます。

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Cloud2Mfg

Cloud2Mfg

提供会社: 株式会社Cloud2works
料金:要お問い合わせ
提供形態:クラウドサービス
特徴:Cloud2Mfgの原価管理では、共通費や減価償却費の配賦処理を行うことで、原価計算処理をします。細かな部品の原価把握はもちろん、製造オーダー別で原価を管理し、コスト削減に繋げることが可能です。また、生産計画を立てられたり、品目別に検査項目を自由に設定することもできます。

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Cloud2MFG(クラウドツーエムエフジー)は、メーカーの基本活動である営業・生産・調達・在庫管理の領域を網羅的にカバーする製品です。見込み生産/受注生産・生産計画/MRP作成・原価計算などメーカーのあらゆるニーズに対応します。勿論、自社で生産を行わない企業様にも必要なモ...

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まとめ

原価管理を定常的に行うことは、現場の業務を効率化して企業の利益を伸ばし、今後の経営戦略を立てる上で重要です。自社の原価がどのようになっているのかを可視化することで、自社の製造の強みと弱みを明確にすることができます。
原価管理を行う際は、原価システムを利用することで迅速かつ正確なデータを収集することが可能になります。ERPで自社の他の基幹業務と連携すると、より実際の業務に即した戦略を立てることができるようになるでしょう。

この記事を書いた人

QEEE編集部

QEEEは、INTLOOP株式会社が運営するビジネスの総合ポータルサイトです。 多様なコンサルティング実績をもつINTLOOPのノウハウを生かし、あらゆる経営課題・ビジネスの悩みを解決するサービスを提供しています。 QEEEマガジンでは、マーケター・人事・エンジニア・営業などの各職種に向けて、SaaS比較やビジネスコラムなどのコンテンツを各領域のスペシャリストが発信しています。

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