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セールステックとは?顧客管理や商談など領域ごとの解説とツールまとめ

2020年06月23日

SFAインサイドセールスMA名刺管理セールステック

IT化やクラウドサービスの普及が進む中、営業活動においてもその流れは避けられません。在宅勤務やリモートワークが当たり前になる中、セールステックによる営業の効率化は、さらに重要性を増しているといえるでしょう。
この記事では、セールステックとは何か、営業DXの領域や具体的にどのようなツールがあるかをまとめています。

セールステック(Sales Tech)とは

「セールステック」とは、営業とテクノロジーを組み合わせた言葉で、特にITとの関連した技術に対して使われています。セールステックの定義や注目される背景について解説します。 

セールステックとは何か

「セールステック」は、セールス(営業)を目的としたさまざまな活動を、ITをはじめとしたテクノロジー(技術)によって支援する製品やサービスです。セールステックを利用することで、顧客リストの作成、問い合わせ対応、見込み顧客の発掘などのセールス関連業務を自動化・効率化します。

代表的なセールステックツール

セールステックの代表的なツールには、SFAやCRM、オンライン商談システムなどがあります。最近では、新型コロナウイルス感染対策で外出や対面が制限された結果、インサイドセールスやカスタマーサクセスといった内勤・オンラインでの営業活動も重視されるようになりました。また、名刺管理ツールや契約の電子化サービスも、営業活動に不可欠と言う点でセールステックに含められます。
セールステックの中でも、特に歴史が古く普及が進んでいるのが「SFA(営業支援システム)」と「CRM(顧客管理システム)」です。
SFAは営業活動管理やタスク・スケジュール管理、顧客管理といった営業活動のための機能に加え、情報分析や共有のための売上管理機能や日報・レポート作成の機能を備えているのが一般的です。
CRMは顧客の基本情報や接触履歴などを記録・保存します。そして、登録された情報をもとに分析やプロモーションを行う機能を付随したものが一般的です。SFAは基本的に営業サイドに重点を置いたサービスであり、CRMは顧客の管理に重点を置いたものです。SFAとCRM両方の機能を有する製品・サービスも少なくありません。

セールステック導入の背景

企業活動の中でも営業部門は定型化、デジタル化が難しいと考えられていました。しかし、インターネットの普及、さらにネットワークが進化して大きなデータのやり取りが迅速に行えるようになったり、コンピュータの処理性能が上がったことで、営業活動においてもテクノロジーでカバーできる領域が大きくなっています。また、従来は紙の原本や押印が必要だったものも、法律の改正でデジタル化が可能となりました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性

人口減少や働き方改革といった労働環境の変化の中で、企業は業務の効率化を強く求められています。営業人員や見込み顧客が減少する中、売上を維持・向上させて競争力を高めるためには、営業プロセスの見直しや効率化が必要不可欠です。
そこで注目されているのが、ITを活用し、抜本的なビジネスモデル、ビジネスプロセスの変化をもたらすDX(Digital transformation)です。
セールス分野のDXとしては、顧客先を回って営業を行うフィールドセールスから、非対面・オンラインで営業を行うインサイドセールスへの移行などが進められています。紙ベースでやり取りされていた契約書や見積書、請求書なども、オンラインで済ませることが可能です。そのほかに、営業資料の作成・共有などでもDXが進んでいます。 

営業とマーケティングにおける統一顧客管理の重要性

昔は「営業」といえば、顧客を発掘し、商品やサービスの商談を行う活動を意味しました。しかし、現在では、購入前の段階から、訪問のアポ取り、商品紹介のためのイベント企画といったプレセールスの部分、保守やカスタマーサービスといったポストセールスの部分も営業と関連付けて考える必要があります。
人口全体が減少する現在では、見込み顧客は有限と考えるべきです。新規のリードを獲得するだけでなく、リードを育てたり、休眠顧客を掘り起こしたりすることも必要です。
現代の顧客は営業担当者以外にも、インターネットやSNSによって企業や商品・サービスとの接点を多く持っています。企業側としてはそうした接点を有効活用することが必須であり、他社へ流れるのを防ぐことにもつながります。
マーケティング段階から顧客がどのような行動をしているのか、統一した顧客管理の必要生が高まっているのです。セールステックは営業活動に関連するデータの統合や、より高度な利用を促進するものとしても期待されています。

企業の営業課題と既存ツールの課題

ITR社が2018年に行った「営業力の強化・レベルアップに向けたSalesTech活用ニーズ調査」によると、企業の営業活動における主な課題には、「営業担当者ごとの売上げの差が大きい」「営業担当者の育成に時間がかかる」「営業人員が不足している」といったものがあります。
また、同調査におけるSFA導入時の期待と導入後の効果についてのアンケートでは、SFAは業務の効率化には寄与するものの、期待した効果のほとんどが期待以下の効果であり、特に営業課題として重要な、上記の課題への効果は著しく低いという結果が出ています。

※参照:TR White Paper:営業課題の解決に向けたSalesTechの考察 ~注目が集まるセールス・イネーブルメント・ツール~
https://www.itr.co.jp/library/whitepaper/C18100112-pdf.html

企業が抱える営業戦力の拡充という課題に対し、既存のツールには多くの課題が残っています。セールステックは最新のテクノロジーを積極的に活用し、既存ツールでは難しかった多くの機能を提供しています。

セールステックの覚えておきたい9領域

セールステックと一口にいっても、実際にはさまざまな領域があります。多くのツールがあり、成功事例なども探せる領域もあれば、新たに注目されるようになった領域もあります。ここでは、セールステックで押さえておきたい、代表的な6つの領域と、今後が期待される3つの領域について紹介します。

分析:BI(ビジネス・インテリジェンス)ツール

BIツールはさまざまなデータを集計し、情報をわかりやすく可視化したり、分析やシミュレーションを行ったりできるツールです。AIやビッグデータの活用により、従来には発見できなかった新たな可能性(インサイト)をもたらす機能を持つツールもあります。
専門的な知識がなくとも、リアルタイムにデータの把握や分析ができるため、マネジメント層だけでなく現場のメンバーにも利用されるようになっています。BIツールを用いることで、自社で保有するデータを、見込み客の発掘や、顧客の課題抽出、商談のアドバイス、アクションの提案などに有効活用できるようになります。

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顧客管理:CRMツール

CRMは顧客管理に特化したシステムです。営業活動の中で獲得した顧客情報をデータベースに蓄積し、顧客との関係強化や質の高い提案に結びつけるために役立ちます。CRMに保存されたデータを活用し、ターゲットを抽出してDMを送ることのできるツールもあります。
CRMを導入することで、顧客情報の可視化や共有が容易になり、他システムとの連携もしやすくなります。また、SFAやERPなどのシステムとの連携によって、さまざまな部署で情報を役立てたり、複数の部署で効果的な営業戦略を考えたりすることも可能です。

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営業支援:SFA

SFAは営業を支援するためのシステムで、主に営業活動の効率化のために各種の情報共有機能を提供します。スケジュールや営業日報、顧客情報、売上目標などをシステム上で共有することにより、営業部隊の商談の質・量の向上につなげていきます。
SFAはCRMなどのツールと相性がよいため、システムを連携させて使う場合もあります。SFAの運用では、データをしっかりと蓄積することがポイントとなるため、データ入力の省力化や、情報の質を高めるための工夫が大切です。

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リードナーチャリング:MA

リードナーチャリングとは、リード(見込み顧客)をナーチャリング(養育・育成)することです。マーケティング活動の効率化や自動化を行うMA(マーケティング自動化)ツールでは、顧客の発掘・育成・評価などを行うことができます。MAではリードナーチャリングのためにメールマーケティングやキャンペーン、リターゲティング広告などの機能が提供されています。
MAツールは、CRMやSFAなどのツールと連携して使うことで、セールスのさまざまな段階におけるアクションをスムーズに計画・実行できます。また、さまざまな機能が提供され、業務効率化ができることで、マーケティング担当者はシナリオの構築に時間を割くことが可能です。

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オンライン化推進:オンライン商談ツール

セールス分野に大きな転換をもたらしているのがオンライン商談ツールです。簡単な操作で商談用の画面にアクセスすることができ、画面共有やチャットを行うことができるため、商談だけでなくヘルプデスクやサポートなどでも利用されています。
客先で顔を合わせることなく、オフィスからオンラインで商談ができるようになったことで、訪問件数の増加や交通費の削減といった効果が期待できます。DXでは、オンライン化の推進はセールスだけでなく採用や労働のあり方を大きく変えるため重要視されています。

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データ化推進

DXの出発点として、さまざまな書類をデータ化することが一般的に行われています。営業分野でのデータ化を推進するために、名刺管理システムや電子契約の普及が進んでいます。

名刺管理システム

名刺管理システムは、名刺をデータ化して管理するためのシステムです。名刺をスキャナやカメラで画像として取り込めば、OCRが文字を読み取って自動的にデータベースに入力されます。入力されたデータを共有したり、AIが会うべき人物をレコメンドして表示したりできるツールもあります。
名刺管理システムは名刺情報の管理だけでなく、営業担当者の退職による人脈の喪失を防いだり、SFAやMAのデータと連携させてアプローチの幅を広げたりするといった用途で活用されています。

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電子契約

電子契約とは、紙の書面によらず、Web上での電子ファイルの交換によって契約を締結することです。電子契約のためには、書類の確認のためのタイムスタンプと電子署名が必要となります。電子契約用のツールやプラットフォームでは、これらを簡単に挿入した書類の作成・保管・検索などが可能です。
電子契約にすることで、書類の検索性を高めることができます。また、印紙代や印刷代、保管のためのオフィススペースを削減することができるため、コストダウンにも貢献します。

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インサイドセールス

インサイドセールスは、顧客と直接会って商談を行うフィールドセールスとは異なり、電話やメールなどの方法で商談を行うセールス方法です。オンライン商談システムやMAの進歩・普及により、従来インサイドセールスでは難しいと考えられていた分野でも利用が進んでいます。
インサイドセールスはフィールドセールスと比較すると、移動に伴う時間や経費がかからないことや、オフィスで資料を揃えながら商談が行える、テレワークも可能になる、といった利点があります。確度の高い顧客へのアプローチをすることで、受注までの期間の短縮も期待できます。

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カスタマーサポート

カスタマーサポート分野は従来のサポート的な役割から、顧客との関係構築による解約率の低下など、売り上げに貢献する役割も期待されています。コールセンターやメールだけなく、ビデオ通話やチャットシステム、チャットボットやFAQサイト構築、SNSなど、幅広いチャネルを用意してお客様側からのコンタクトという大事な機会を活用する取り組みが進められています。

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セールスイネーブルメント

セールスイネーブルメントとは、企業の営業組織の強化を目的とした取り組みです。セールステックでは、研修・教育の支援や、営業活動への評価支援、見込み客への提案のレコメンド、営業プロセスの見える化、営業資料の管理ツールなどが提供されています。
双方向型ライブ配信による研修が可能になり、座学だけでなく新製品の操作や営業ロープレといった実技を要する教育も可能です。セールステックの導入により、スムーズな情報・スキルの共有や、数値による客観的な状況把握といったメリットが期待されます。

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まとめ

セールステックは、プレセールス、商談、契約、サポートなど、営業活動におけるプロセスの効率化と業務改革を支援します。
セールステックにはさまざまな領域があるため、自社の課題に合ったサービスを選択することが大切です。また、新サービスや新機能のリリースが早いサイクルで行われているため、定期的に情報収集を行っておくとよいでしょう。
企業活動の根幹となる営業分野のDX推進に向けて、セールステックの活用をぜひ検討してみてください。

この記事を書いた人

QEEE編集部

QEEEmagazineはマーケター、人事、エンジニア、営業企画などの企画者に役立つコンテンツをそれぞれ領域のスペシャリストが発信していきます。

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