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「セールスイネーブルメント」の基礎知識と取り組み方|ツール6選も紹介!

2021年04月07日

SFACRMセールステック

セールスイネーブルメントという言葉を聞いたことがあるでしょうか。セールスイネーブルメントは、営業組織の成果・生産性向上のために個の営業力を最大化すること、またそのための部門をまたいだ総合的な取り組みのことです。
SFAやCRMのようなデジタルツールや、多様化・多量化する営業コンテンツを使いこなすデジタルへの対応力だけでなく、アポイントや商談におけるいわゆる営業力の強化も目指します。このセールスイネーブルメントを統合的に実施するためのシステムツールも増えてきています。
この記事では、セールスイネーブルメントの意味や具体的な実施方法、セールスイネーブルメントを実現するためのツールを紹介します。

セールスイネーブルメントとは

セールスイネーブルメントとは、営業活動を改善して強化するための取り組みです。営業活動そのものだけでなく、研修や教育、営業プロセス、営業ツールなど営業に関わる施策を数値化して分析し、トータルで営業活動を設計して成果をあげることを目指します。そのため、営業部門だけでなく営業支援部門、マーケティング部門、人材管理部門など幅広い部署が連携し、それまで部門ごとに行われていた施策を統合して実施していきます。
ここでは、セールスイネーブルメントの具体的な目的や実施手法について説明します。

セールスイネーブルメントの目的

セールスイネーブルメントの目的は、営業活動を統合的に管理し分析することで、営業プロセスを最適化し、効率的に成果を上げていくことです。営業活動の改善は大きく分けて、個人の営業成績の向上と、組織的な売上や生産性の向上の2つがあります。

個人の営業成績の向上

セールスイネーブルメントでは営業活動に関連する営業施策一つ一つを細かく分析して数値化し、営業プロセスを最適化・効率化していきます。営業活動そのものの活動量やプロセスごとのボトルネック、研修・教育の影響を分析して改善したり、トップ営業の手法を共有することで、営業担当個人のスキルを向上させ、営業力強化や売上の増加につなげることが可能です。

組織的な売上、生産性の向上

セールスイネーブルメントによって個々の営業力が高まれば、営業組織全体の売上アップにつながります。また、チーム内のどの顧客をマネージャーがフォローするべきかといった組織の最適化も進めることができます。
各営業施策を統合的に管理し改善していくことで、営業担当個人の裁量による属人的な対応がなくなり、営業現場の生産性向上も期待できます。

セールスイネーブルメントで実施すること

セールスイネーブルメントでは、具体的にどのような手法で営業活動の改善を行っていくのでしょうか。セールスイネーブルメントで実施する6つの項目を説明します。

営業マネジメントとコーチング

セールスイネーブルメントにおいて、営業マネジメントとコーチングはもっとも重要な実施項目とされています。セールスマネージャーによるマネジメントによって、一人一人のパフォーマンスを伸ばすこと、どの営業先を優先するべきかといったリソースの最適配分が目的です。
営業担当者への状況のヒアリングや営業支援ツールの利用状況、営業報告などから、個人やチーム全体の状況を把握します。場合によってはマネージャーが営業同行するなどの直接的なサポートを通じて成功体験を積ませるなども考えられます。コーチングの手法を使い、営業担当者自身での気づきを大切にし、成果を向上させるためのフィードバックを行います。

営業担当者への継続的な教育・研修

セールスイネーブルメントでは、営業現場のOJTだけに頼らず営業担当者への継続的な教育・研修を行います。営業スキルのほか、デジタルツールの利用方法、コンテンツの利用促進なども教育に含まれます。
営業現場のノウハウや営業成果を分析し、教育・研修プランを再開発していきます。教育・研修プランを継続的に改善していくことで、各営業担当者の営業力強化と成果の向上を目指します。

営業コンテンツの拡充、利用促進

これまで営業担当者の個人の裁量により作成されていた提案資料などは、全担当者が共有できる営業コンテンツに再開発します。
提案書や競合情報などをデジタルコンテンツとして作成し、どこからでも素早く、最適なものを顧客に提示できるようにします。営業成果の分析と改善を繰り返してコンテンツを更新・共有すること、利用に慣れるよう教育することで、営業活動の効率化が可能です。

成功事例、ベストプラクティスの共有

成功事例やトップ営業の営業手法はノウハウとして収集して分析し、各営業担当者へ共有して営業部門全体に浸透させます。これにより営業担当一人一人のスキルや知識を向上させ、営業部門の成果を底上げすることが可能です。

営業プロセスの数値化

セールスイネーブルメントでは、各実施項目を数値化することが特徴です。売上実績だけでなく受注率や案件の進捗率など、営業プロセスの各段階ごとに数値化して管理し、成果を分析していきます。
営業プロセスの数値化においては、SFAやCRMなどのツールを使うのが一般的です。細かい項目の数値化では、資料の閲覧データやログ取得も含まれます。

テクノロジー、ツール、リソースの最適化

営業プロセスの中で最適なテクノロジー、ツール、リソースを利用することもセールスイネーブルメントの要素の一つです。例えば、ヒアリング、提案、クロージング、など商談状況に応じて適した資料を利用します。Web商談システムやオンラインセミナーのツールを利用するケースもあるでしょう。営業プロセスごとに最適なテクノロジー、ツール、リソースを活用することで、高い営業実績につなげます。

セールスイネーブルメントが必要な背景

セールスイネーブルメントは2010年代に登場した概念で、アメリカでは60%以上の企業や組織がセールスイネーブルメントの体制を整えていると言われています(※)。
セールスイネーブルメントがこれほどまでに必要とされる背景には、営業ツールの普及、テクノロジーの多様化、マーケティングの進化に加えて、営業力強化が注目されていることが挙げられます。ここでは、セールスイネーブルメントの導入が必要な背景を細かく説明していきます。

※出典:Sales Enablement Grows Up - CSO Insights
https://www.csoinsights.com/wp-content/uploads/sites/5/2019/01/2018-Sales-Enablement-Report.pdf

SFAやCRMの普及

セールスイネーブルメントが注目されるようになった背景は、SFAやCRMなどの営業やマーケティングのツールが普及したことに大きく関係します。
現在の営業現場では、営業案件の進捗や受注率を把握するためのSFAや顧客情報をマーケティングに活用していくためのCRMなど、ITツールが必要不可欠になりつつあります。
SFAやCRMの導入によって営業プロセスを可視化・数値化することが容易になりました。一方で、収集されたデータをうまく使いこなせていない場合もあり、SFAやCRMのさらなる活用や効率化が求められています。SFAやCRMの活用を促進する手法として、セールスイネーブルメントが注目されているのです。

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テクノロジーやツールの多様化

テクノロジーの進化と顧客ニーズの拡大により、SFAやCRM以外にも営業プロセスや業務を改善するツールが多く登場しています。一般的にSFAは営業部門、CRMはマーケティング部門など各ツールは部門ごとに運用されています。セールスイネーブルメントでこれらを統合的に管理することにより、個々にツールを利用することでは補えなかった全体の最適化・効率化を行うことが求められています。

マーケティングの進化

マーケティングの進化と共に、顧客獲得活動を自動化するマーケティングオートメーション(MA)ツールも普及してきています。BtoBの分野でもデジタルマーケティング化することにより、見込み顧客が増え、商談プロセスが効率化されるようになりました。
一方で、増加した見込み顧客に営業が対応しきれない、営業力不足で受注までつなげられない、などの課題も見つかっています。セールスイネーブルメントの手法で営業プロセス全体を可視化し改善することで、マーケティングへの投資を回収し、見込み顧客の獲得につなげる動きが求められています。

既存のシステムでは補えない「営業力」の強化

SFAやCRM、MAの普及が進んでも、個々の営業担当のスキルや知識などの営業力は既存システムでは解決できません。セールスイネーブルメントによって営業担当者ごとに異なっていた属人的な対応を平準化し、営業部門全体のスキルアップと提案力の向上を図ります。
セールスイネーブルメントでは部門を横断した一元管理が可能になるため、営業部門以外の部門においても営業感覚が身に付く副次的な効果も期待できるでしょう。

日本でのセールスイネーブルメントの状況

ITのコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アール(ITR)が2019年2月に発表した調査によると、2017年度のセールスイネーブルメントツールの売上金額は14億円で前年度より6.1%の増加となっています。2022年の市場予測は31億円となっており、国内でも今後セールスイネーブルメントの導入が加速されることが予想されます。
ITRによるセールスイネーブルメントツールの定義は、「セールスコンテンツを中核に据えた業務を効率化・高度化することで、営業力を強化するための製品・サービス」とされています。具体的にはセールスコンテンツの作成、管理、推奨、共有、活用状況や売上貢献度の可視化、教育・トレーニングなどの機能を含むツールです。

出典: ITRがセールス・イネーブルメント・ツール市場規模推移および予測を発表
https://www.itr.co.jp/company/press/190226PR.html

おすすめのセールスイネーブルメントツール6選)

Handbook(ハンドブック)

Handbook(ハンドブック)

提供会社名:アステリア株式会社

概要:モバイル向けのコンテンツ管理システムです。1500件以上の導入実績を持ち、セールスイネーブルメントツール市場の「ベンダー別売上金額シェア」や「累計導入社数ランキング」など複数の分野で1位を獲得しています*。資料などを作成して配信するだけでなく、情報を伝えた人からフィードバックを収集し、分析して活用するという双方向の情報やりとりが実現できます。

参考URL:https://handbook.jp/features/

料金:
共有サーバー(スタンダード)
標準(1GB・50ユーザー)月額25,000円 年額250,000円
ストレージフラット付き(5GB・50ユーザー)月額55,000円 年額550,000円

専用サーバー(プレミアムプラス)
標準(3GB・50ユーザー)月額120,000円 年額1,200,000円
ストレージフラット付き(500GB・50ユーザー)月額180,000円 年額1,800,000円

専用サーバー(エンタープライズプラス)
月額400,000円 年額4,000,000円(500GB・1000ユーザー)

Sales Doc(セールスドック)

Sales Doc(セールスドック)

提供会社名:株式会社イノベーション

概要:営業資料をクラウド上で一元管理するツールです。顧客向けの「提案資料まとめサイト」の作成が可能で、提案後のフォローができます。いつ、誰が、どのページを閲覧したのかがわかるため、顧客の興味を把握し効率的な商談のクロージングにつなげることが可能です。Sales Forceとの連携機能が利用できます。

料金:お問い合わせ

PITCHER(ピッチャー)

提供会社名:Pitcher

概要:特許取得済みのセールスイネーブルメントソリューションにより、提案資料やマーケティングコンテンツの反応を追跡し、顧客との商談をスムーズに運ぶことを実現します。eラーニングやトレーニングコンテンツの管理も可能で、各機能はオフラインで利用ができるのが特徴です。スマホアプリ、webアプリがあり、58言語に対応のためグローバル展開する企業にも利用されています。

料金:お問い合わせ

HIGHSPOT(ハイスポット)

HIGHSPOT(ハイスポット)

提供会社名:HIGHSPOT

概要:AIを利用したセールスイネーブルメントツールです。コンテンツ管理、営業ガイダンスを利用したセールスプレイ、セールストレーニング、顧客エンゲージメントなど複数の機能を一元管理し、業界トップクラスの検索、提案、予測的コンテンツ、分析機能を提供します。既存のCRMやMAとのシームレスな連携も可能です。

料金:お問い合わせ

Bigtincan Hub(ビッグティンカン ハブ)

提供会社名:Bigtincan

国内正規代理店:株式会社テラ

概要:直感的で洗練された美しさが特徴で、見やすく探しやすいUIに優れたデザインです。最新資料の一斉配信や一更新通知の機能で、ユーザーは常に最新資料を持ち歩くことができます。AIによる自動解析で自身に役立つコンテンツの把握し、ログ収集の機能ではコンテンツの活用データの取得ができます。クラウドサービスやSales Forcesとの連携が可能です。

料金:
Standard 月額 2,000円/ID 年額24,000円/ID
Enterprise 月額 3,000円/ID 年額36,000円/ID

A Book Biz(エーブック・ビズ)

提供会社名:株式会社エージェンテック

概要:社内コンテンツを社外に持ち出すことができるソリューションで、要望に合わせて有償カスタマイズが可能です。ネットワーク制限や公開範囲・閲覧時間の設定などで高いセキュリティを確保します。閲覧時間、タッチした箇所、GPS情報など多岐にわたる閲覧データの取得が可能で、マーケティングに活用できます。

料金:お問い合わせ

まとめ

セールスイネーブルメントツールの活用により、営業担当者のスキルの平準化と営業力強化が可能になり、営業組織の売上アップや生産性を向上につなげることができます。SFAやCRMなどのデジタルツールが一般的になった現在、さらなるツールの活用のためにセールスイネーブルメントの導入が加速することになるでしょう。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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