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【最新版】拡大するスポーツテック市場・事例を徹底解説!

2020年06月02日

スポーツテック

スポーツテック(Sports-Tech)とは、フィンテック(FinTech/金融)やエドテック(EdTech/教育)などと同様に、スポーツとテクノロジーをかけ合わせた造語です。スポーツテックは「観る」「する」「支える」「創る」という4つの観点から現在も市場を広げています。
今回の記事ではスポーツテックの市場規模や、広がりを見せるスポーツテックの事例を紹介します。

スポーツテックとは

スポーツテックとは、IT技術やAIを活用して、スポーツ業界に新たな商品やサービスをもたらすソリューションです。その名の通りスポーツ(Sports)とテクノロジー(technology)を組み合わせた造語となっています。
スポーツテックにより、以下のようなソリューションが開発され、サービスとして提供されました。

・プロゲーマーがゲームを利用した対戦を行うeスポーツ
・アスリートに端末を貼り付け、体調を測定するウェアラブルトレーニング
・試合観戦しながら簡単に実況中継が可能なライブストリーミングプラットフォーム

特に海外のスポーツ産業(プロスポーツリーグ、クラブ、企業)ではさまざまな取り組みが実施されており、新たなビジネスの創出や再投資が盛んです。スポンサー市場の伸び率が低い日本でも、市場拡大をもたらす起爆剤として期待されています。

スポーツテック市場を解説

それでは、スポーツテック市場は日本国内でどのような進歩を遂げるのでしょうか。株式会社野村総合研究所が2019年に発表した調査結果から詳しく見ていきましょう。

引用:ITナビゲーター2020年版|株式会社野村総合研究所
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/mediaforum/2019/forum285.pdf

まずスポーツテックの市場規模についてですが、2019年時点では310億円ですが、2022年に1062億円、2025年には1547億円と急速な成長が予想されています。関連ビジネスの内訳は、大きく分けて2種類に分類可能です。

・スポーツを視聴するための動画配信サービス
・IoTを利用したスポーツ用品やサービス

なお、2021年までは動画配信サービスが中心ですが、2022年からIoTを利用したサービスへとシフトしていきます。今年の3月から導入が始まった5Gの普及度が高まり、IoTサービスが本格的に始動することが要因と考えられます。
またこの調査では、スポーツテックの活用のポイントを以下のようにまとめています。

・5Gによる高品質な映像が付加価値の高いサービスをもたらす
・スポーツはスマートフォンのコンテンツと一つとなり、新たな観戦スタイルの確立が必要となってくる
・競技レベルの向上を図るため、トッププロの感覚知・経験知をICT(情報中心技術)を用いて数値化・言語化することが重要になる

スポーツがスマホのコンテンツの一つとなれば、スマホ画面で楽しむあらゆる娯楽がスポーツの競合となっていくことは想像に難くありません。世代が低くなるにつれスポーツの視聴頻度が低くなる現状から見ても、スポーツビジネスの変革は今後重要となってくるでしょう。

スポーツテックの4つの観点

スポーツテックには4つの観点があり、それぞれが顧客体験の進化やアスリートパフォーマンスを最大化するものとして注目されています。

・観る~スポーツ観戦をより身近に、今までにない形で実現する
・支える~アスリート個人やチームのパフォーマンスを最大化するだけでなく、観客やアマチュアプレイヤーの活動環境を整備する
・する~スポーツを誰もが楽しめるようにするソリューションを提供する
・創る~従来の定義を超えたスポーツを創出するソリューションを開発し続ける

従来は観る、支える、する、の3つでしたが、創るの観点も新たに追加され、4つとなっています。これらの観点を実現するためのサービスや商品の開発が、急ピッチで進行中です。

スポーツテックの企業事例4選

最後に、実際にスポーツテックのソリューション開発やサービス提供を行っている企業の事例を紹介します。スポーツテック参入を検討中の企業は、先行事例をソリューション開発に活用しましょう。

AIを利用した試合のハイライト動画作成

世界的なスポーツイベントや大会は、同日同会場で複数の試合が開催されるため、すべてを観戦するのは不可能に近いという問題がありました。
この問題を解決したのが、IBM社が開発した「AI Highlights」です。試合のデータ、選手の表情、観客の反応、ボールを打つ音をデータとして取り込み、精度の高いハイライト動画を作成します。このハイライト動画には、単純な振り返りだけでなく、スポーツ経験の浅いファンでも試合を楽しめるようにするのが狙いです。
最新バージョンでは、試合の決め手となるショットが打たれる過程を分析し、より試合の流れがわかりやすくなっています。全米オープンテニスをはじめ、さまざまなスポーツイベントで「AI Highlights」が活躍中です。

スマートディスプレイ搭載ゴーグルで水泳選手のデータを収集

カナダ発のスタートアップ企業であるFORMは、水泳選手の距離やタイムをリアルタイムに保存できるスマートディスプレイ搭載ゴーグル「FORM Swim Goggles」を開発しました。開発には水泳選手だったFORMの創設者自身の経験が生かされています。
「FORM Swim Goggles」のディスプレイはインターバルに要したタイム、ストローク回数、消費カロリーが表示されるため、選手やコーチが情報計測を行う労力を軽減します。技術時代は真新しいものではありませんが、ユーザーの利便性を追求した設計により、アスリートの練習環境の効率化が可能です。

カメラとAIを利用したプロバスケチームのコーチング

富士通は、カメラとAIを利用して、チームスポーツの戦術作成を行っております。
体育館に設置された8台のカメラがフォーメーションやシュートを記録し、AIが分析してシュート成功率や失敗するシュートの位置を分析する仕組みです。富士通が所有するバスケチーム「レッドウェーブ」で実験が行われており、精度を高めた後は外部販売も検討されています。サービスが発展していけば、チームメンバーのスキル向上だけでなく、対戦選手一人一人を分析した戦術作成も可能です。

スポーツの試合を会場内のさまざまな角度から観戦できるVR

PCやソフトウェアで有名なIntelもスポーツテックに参入し、自宅からスポーツ競技をVRで観戦できる「Intel True VR」を開発しています。
「Intel True VR」には12個のレンズを搭載した広角カメラが搭載されており、まるで会場内で実際に観戦しているような臨場感を体感可能です。会場にカメラを複数設置することで、選手が座っているベンチやゴールの真後ろといった、プレイごとに最適な視野を選択できます。会場が遠くて試合を直接観戦できない、高価なVIPチケットを購入できないといった障害をなくし、臨場感あるスポーツ観戦が可能です。

まとめ

2020年の東京オリンピックは残念ながら延期となりましたが、スポーツテックの普及と進歩はこれからも継続されるでしょう。生活様式の変化によるスポーツ業界への悪影響も、VRによる遠隔観戦といったスポーツテックによるソリューションで解決可能です。すでに膨大な投資を行っている欧米に続き、日本でもスポーツテックの普及が予想されます。スポーツテックにより発生する、新たなビジネスチャンスを見逃さないようにしましょう。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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