教育

考課者研修の内容や目的とは?考課者の基本的な知識についても徹底解説!

2021年08月17日

評価制度

従来の年功序列を重視した人事評価に代わり、成果を重視した人事評価が広まっています。加えて近年では360度評価などの新たな人事評価制度も普及し始め、社員の評価基準は多面的なものとなりつつあります。
しかし多面的な評価は主観的になりやすく、公正な評価をするための注意が必要です。今回の記事では、人事評価を行う考課者(評価者)に求められる視点などの基礎を解説した後、考課者・評価者研修について解説していきます。

考課者(評価者)とは

考課者(評価者)とは企業によって人事考課は人事評価と呼ばれる場合があります 。
人事考課が昇給や昇格・配置転換を検討する場であるのに対し、人事評価とは業績・成果に対して価値判定する場であり、処遇に反映させることを目的としない場合もあります。
しかし、両者にはそれほど大きな違いはないと考えられています。
考課者とは一定期間における社員個人の成果や会社への貢献度を加味し、既定の項目について評価を行う者を指します。ひいては部門の目標達成や社員の育成・動機付けの役割を兼ねています。

考課者に必要な視点とは?

人事考課の目的は、一定期間内の勤務態度や成果について評価したり、改善に向けたフィードバックを行ったりすることによって社員の成長を促すことです。社員の成長は長期的に会社の発展につながります。
大事なのは被考課者に対して説得するのではなく、納得感を与えるように的確かつ公正な評価を実施することです。

考課者が注意するべき評価エラー11個

前述の通り公正な評価は不可欠ですが、考課者も感情を持つ一人の人間です。心理的バイアスや主観的見地によって無意識のうちに不適切な評価をしてしまうことがあるため、十分注意する必要があります。
これは評価エラーと呼ばれるもので、人事考課者は評価エラーが存在することをあらかじめ認識しておくことが大切です。代表的な評価エラーを下記に挙げます。

ハロー効果

「一事が万事」という言葉の通り、ひとつの事柄がその他の事柄に対する主観にまで影響を及ぼし、不適切な評価をしてしまうことです。
部下の仕事ぶりの一面しか見ていないことが原因となります。

先入観エラー

性別、年齢、学歴や見た目など、客観的根拠のまったくない偏見や先入観に基づいた評価をしてしまうことです。

親近感エラー

出身地・出身校・趣味など、共通点のある被評価者に対して親近感から評価が甘くなってしまうことです。
日頃から行動事実を観察できていないことが原因となります。

帰属要因エラー

被評価者の成果に関係のない景気の動向や法令改正などの外部要因を過大または過少に被考課者の評価に反映させてしまうことです。

近似点エラー

人事評価直前の被考課者の仕事ぶりの印象に影響を受け、それだけで期間全体の評価を付けてしまうことです。

寛大化傾向

部下によく思われたい、或いは被考課者の働きぶりを把握できていないため評価に自信がないという理由から全体的に甘い評価をつけてしまう傾向のことです。

中心化傾向

被考課者の観察不足による考課者の評価力不足や被考課者同士の衝突を避けることを理由に優劣をつけることを避け、評価が真ん中に集中してしまう傾向のことです。
評価基準自体が曖昧であることもエラーの原因となります。

厳格化傾向

完璧主義者の評価者に多くみられる傾向で、業務に精通した自身を基準として部下に対して実際より厳しい評価を付けてしまう傾向のことです。

逆算化傾向

最終的な評価結果から逆算して、帳尻合わせのために評価項目に対する評価を疎かにしてしまう傾向のことです。項目ごとに評価をつけるのが面倒であるという思惑が原因と考えられます。

論理的誤差

事実を確認・把握することなく、考課者独自の論理に基づいて判断をしてしまうことです。

対比誤差

定められた評価基準ではなく、考課者自身を絶対的な基準にして優劣の判断をしてしまうことです。
評価基準を理解できていない、あるいは考課者の過剰な自信やコンプレックスが原因となっています。

評価エラーを起こさないための具体策

上記に挙げた11種類の評価エラーには、それぞれ原因があります。それは対策方法が存在することを意味します。
評価エラーを防ぐための具体的な対策をまとめます。

評価基準を明確にする

達成・未達の評価が判別しやすい定量的な目標に対し、数値化できないものについては定性的な目標を設定し、尚且つ評価項目や評価基準をはっきりさせる必要があります。
基準が曖昧な項目は評価エラーの原因となるため、見直しを実施します。評価ランクを4段階または6段階にすることで、中心化傾向を回避することができます。

実際の行動についての記録を取る

評価エラーが生じる原因の大半を占めているのは先入観や固定観念です。これらを排除するために、行動事実の記録をとることが欠かせません。
感情論ではなく事実を基にした評価を行うことが大前提です。定期的な面談を実施することで、評価エラーのリスク軽減につながります。

考課者同士で評価基準のすり合わせを行う

個人の価値観による評価にならないよう、考課者同士であらかじめ評価基準の認識を合わせる必要があります。
また現場の実態や時流に合わせて、評価項目・評価基準のアップデートすることが欠かせません。

社内の評価基準を理解する

評価エラーの原因は考課者独自の思い込みや価値観によるところが多いため、会社の評価基準を基に公正な評価を行う意識を持つことが非常に重要です。
評価に対する根拠が明確に伝わらなければ、被考課者の納得感を得られないばかりか、モチベーションを低下させる原因になります。

考課者研修を実施しよう

上記のような考課者に必要な知識・視点を学ぶ為に存在する研修が考課者研修となります。ここからは考課者研修について詳しく解説していきます。

考課者研修の内容とは

人事考課において、考課者がつまずきやすいポイントや過去の事例を基にその原因と対策について検討します。
グループワークを通じて、自身が評価される側の立場に立つことによって今までの評価姿勢が適切であったかどうかを省みることができます。

考課者研修を行うべき理由

主観に寄った評価を防ぐ

考課者研修でもっとも重要なのは公正であるとお伝えしました。つまり客観的評価であるかどうかがポイントになります。
考課者、被考課者以外の第三者から見ても妥当な評価と判定ができる観点で取り組む意識が必要です。

考課者と制度の信頼性を保つ

人事考課の場は被考課者にとっても将来の処遇やキャリアを左右する重要な局面であると言えます。
そのような場面において、評価スキルの低い考課者に不適切な評価を下されたとすれば、考課者に対してだけでなく制度自体の信頼性が失われてしまいます。
その信頼性さえ保たれていれば、たとえ厳しい評価やフィードバックがあったとしても受け入れられると推察されます。
人事考課の場が被考課者の処遇を決めるだけでなく、モチベーションを向上させ、ひいては人材育成の場と考えるのであれば考課者研修の必要性は火を見るよりも明らかです。

考課者研修を行っている研修会社を紹介

実際に考課者研修を行っている研修会社を5社紹介していきます。ここでは概要の紹介に留まりますので、興味のある会社があれば直接お問い合わせいただければと思います。

株式会社インソース

株式会社インソース
株式会社インソース
研修内容

・評価者研修 ~基本編~
・評価者研修 ~評価基準ブラッシュアップ編~
・評価者・考課者研修 ~評価と指導力強化編~など多数
詳しくは下記リンクをご確認ください。https://www.insource.co.jp/kanrisyoku/hyokasyakokasya_top.html#lineup_box

研修形態

・公開講座型
・講師派遣型
・eラーニング型

研修費用

・公開講座:標準価格26,400円(税込)
・講師派遣型:実施回数や講義時間によって異なるため要問い合わせ

日本コンサルタントグループ

日本コンサルタントグループ
日本コンサルタントグループ
研修内容

人事評価者・考課者研修(2日間)
・人事評価、目標管理の基本
・目標設定のポイント
・目標明確化のポイントと面談準備
・デイリーマネジメントのポイント
・人事評価のポイントと進め方
・フィードバック面談と部下の育成
・公正な評価の実現
※カリキュラムの一例であり、要件によるカスタマイズも可能です。

研修形態

・公開セミナー
・コンサルタント派遣

研修費用 ・要問い合わせ

学校法人 産業能率大学 総合研究所

学校法人 産業能率大学 総合研究所
学校法人 産業能率大学 総合研究所
研修内容

・NEW人事考課者研修
・映像で学ぶ人事考課者研修
・ケースで学ぶ人事考課実践
・面談アセスメント
・目標ベース成果評価研修

研修形態

1.通信研修
2.モバイルトレイン(eラーニング)
3.集合研修・コンサルティング
4.公開セミナー
(※3.4.については5/31までサービス休止中)

研修費用

・モバイルトレイン 50ID/6か月 181,500円(税込)
・そのほか要問い合わせ

JMAマネジメントスクール

JMAマネジメントスクール
JMAマネジメントスクール
研修内容

・人事考課・面談スキル向上セミナー

・管理者のための評価制度の原則と面談対策セミナーなど
詳しくは下記リンクをご確認ください。
https://school.jma.or.jp/user_data/human_resources.php
https://school.jma.or.jp/user_data/management.php

研修形態

・公開セミナー型(東京・大阪・名古屋)
・講師派遣型
(※5月開催の公開セミナーは現在休止中)

研修費用

講座によって変動
費用例:人事考課・面談スキル向上セミナー 53,000円(税抜)

株式会社バリューイノベーション

株式会社バリューイノベーション
株式会社バリューイノベーション
研修内容

・考課者研修
・人事制度設計コンサルティング

研修形態

・集合研修(講師派遣型)
・公開型研修
・コンサルティング

研修費用

・考課者研修
受講料250,000円(税抜)
教材費3,000円/人

まとめ

考課者の評価スキルのレベルアップを図ることは社員のモチベーションの向上や自己成長を促し、さらには組織の活性化につながります。
人事評価の質が人材の質を決めると言っても過言ではありません。したがって継続的な考課者研修の実施は必要不可欠であると言えます。
この記事を参考に、考課者研修の導入を検討していただければ幸いです。

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この記事を書いた人

QEEE編集部

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