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【サービス4選】ライブコマースとは?日本の市場やメリット・デメリットも解説

2021年10月19日

ライブコマース

ライブコマースという言葉をご存知でしょうか。ユーザーとインタラクティブに繋がることが可能な新たなECの形として、中国では既に一般的な販売手法となっています。5Gの登場によって日本国内でも更にライブ配信のビジネス利用が加速すると考えられる中、ライブコマースにも注目が集まります。
今回の記事ではライブコマースとはどういったものなのか、主要なプラットフォームも含めて詳しく解説していきます。

ライブコマースとは

ライブコマースとはライブ配信とECを組み合わせた新しい販売形態で、ライブ配信に参加したユーザーがすぐに購入できる仕組みとなっています。専用のプラットフォームもしくは自社のECサイトやSNSアカウント上で配信を行い、オンライン上で接客を行います。
ユーザー視点で言えば、コメント機能を活用してリアルタイムで質問できるというメリットが存在します。他にも映像で使用感や雰囲気を確認できるため、直感的な購買意欲を逃しません。

ライブコマースはライブ動画という特別感や親近感、一体感が強みであり、単にECサイトで購入するだけでは得られない体験を作り出すことが可能です。オンラインショッピングをさらに楽しいものにするマーケティング手法であると同時に、インフルエンサーや有名人によるダイレクトマーケティングを可能とした販売形態とも言えるでしょう。

国内のライブコマース市場と注目される理由

ライブコマースを知っていますか?

株式会社ジャストシステムが行った2019年の9月に行った調査(※)によると、ライブコマースのライブ配信を視聴したユーザーは全体の16.6%となっており、「知っているが視聴したことはない」と回答したユーザーと合わせても「ライブコマースを知らない」と回答したユーザーの方が多いという結果が出ています。

ライブ配信を見てどのようなアクションを行いましたか?

また、ライブを視聴したユーザーに対してどのようなアクションを取ったかを質問したところ、購入に至ったユーザーは約5割という結果となりました。

数字だけ見るとまだまだ日本ではライブコマースが浸透や普及しているとは言えませんが、約5割が購入に至ったことを考えるとライブコマースの有用性が高いことがわかります。

また、ライブコマース対応のサービスやアプリについては、新しくリリースされるものもあれば撤退するものもあり、現段階では企業やブランド、メーカーとしても模索段階であると言えるでしょう。

※参考:「ライブコマース」の動画視聴者のうち、5割が商品を購入
https://marketing-rc.com/report/report-ecmonth-20191017.html

新たな接客体験として普及が進む

先述した通り日本国内ではまだ普及に至っていないライブコマースですが、新型コロナウイルス感染症の影響も相まって注目が集まっています。既に国内でもアパレルブランドや百貨店で導入が進んでおり、今後も更に広がりが予想されます。

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ここからは、ライブコマースが注目を集める理由について解説していきます。

中国では既に注目が集まる

中国におけるライブ配信利用者数の推移

ライブコマースの先進国として名前が上がるのが中国です。2020年3月時点では約5.6億人のユーザーがライブコマースを活用しており、インターネット利用者の62.0%に上ると言われています。(※)

その背景には、KOL(Key Opinion Leader)と呼ばれる専門性の高いインフルエンサーが存在します。影響力があり信用されているKOLが紹介する商品であれば安心・安全だと感じるユーザーが多く、購買意欲が削がれることなく自然な流れで購入のステップを踏むことが可能になっています。

このようにKOLと手を結んで行うライブコマースは多くの企業やブランドが取り入れており、中国市場において重要なマーケティング施策のひとつとなっています。実際に中国最大のショッピングイベント「独身の日」でもライブコマースが用いられ始めており、若年層の取り込みや新規ユーザーの獲得に一役買っています。

※参考:ライブコマースの動向整理 2020年6月|三菱UFJリサーチ&コンサルティング
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/pdf/caution_internet_200717_0001.pdf

5Gの普及によってライブ体験が変わる

5Gの普及もライブコマースの広まりの後ろ盾となると言われています。
5Gとは第5世代移動通信システムであり、4Gよりも高速かつ大容量、低遅延と同時接続数の増加が期待できる通信規格です。5Gが普及することにより、動画配信のクオリティや仕組みがさらに向上すると見込まれています。
例えば、遅延のないリアルタイム動画配信、双方向かつ同時に何人もの人が動画で繋がれる仕組み、画質そのものの向上も含めて、快適なライブ配信と閲覧環境が整うということです。
5Gによって質の高いライブ配信が可能となることでライブコマースの有用性の向上が予測できることもライブコマースが注目されている理由と言えるでしょう。

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ライブコマースのメリット

まずはライブコマースのメリットについてチェックしてみましょう。

ユーザーの疑問にリアルタイムで返答できる

ライブコマースでは配信者と、閲覧するユーザーが双方向でコミュニケーションすることができます。
ユーザーが気軽に話しかけられること、そして配信者から反応をもらえることがライブ配信の強みであり、単なる購入ではなく、臨場感や一体感も含めて「体験」も一緒に提供していると言えるでしょう。
言うなれば自宅にいながら実店舗で買い物をするような接客も受けられるということです。
メリットやデメリットも含めて素朴な疑問もその場で答えることができるので、購入するタイミングで起きやすい不安の解消にもつながります。商品説明では表現し切れない商品の良さを伝えられることも大きなメリットです。

購入までの導線がスムーズ

ライブコマースは購入までの導線がスムーズであり、「お金を払う」という行為の敷居が低くなるのもメリットです。
ユーザーは商品の質や値段で納得していても、いざお金を払う時にためらってしまうことがあります。そのタイミングで煩雑な入力や手続きを促してしまうと、面倒がられたり、購買意欲を削がれたりする可能性が高いです。
ライブコマースでは購入まで数タップ、数クリックなので、瞬間的に生まれた購買意欲が削がれることなく購入に至ります。
ユーザーとしてもストレスなく購入が可能なのでネガティブな印象が残りにくく、ポジティブな体験として記憶されることから、リピーターやファンの獲得も期待できます。

ライブコマースのデメリット

ライブコマースにはデメリットもあるので確認していきましょう。

配信者によってイメージダウンしてしまう可能性がある

ライブコマースの主役は配信者です。柔軟に顧客から寄せられる声に対応しながら一体感を高めていく必要があります。

しかし配信者が間違った商品説明をしたり、その場にそぐわない話をしたりすると商品のイメージダウンにつながってしまう恐れがあります。有名なインフルエンサーや芸能人に出演してもらうと話題性は上がりますが、商品イメージが出演者に左右されやすくなるので注意しましょう。

生放送のトラブルに対応する必要がある

Youtubeといったプラットフォームの生放送を見ている方は分かると思いますが、トラブルが起きると視聴者へ迷惑が掛かります。

  • 映してはいけないところが映像に流れる
  • 映像が乱れる、フリーズする
  • サーバーがダウンする


こういった技術的なトラブルが起きないように、事前に綿密な準備をしてテスト映像も流しておくと安心できます。また炎上沙汰といった人的トラブルも防げるようルール確認も行ってみてください。

ライブコマースの成功事例

ここからはライブコマースの成功事例を挙げていきます。

三越伊勢丹の事例

百貨店大手の「三越伊勢丹」は、店舗や距離にかかわらない購買体験提供の一環として、お中元に関するライブコマースを開催しました。日本各地のこだわり抜かれた限定商品を紹介しながらゲストを読んで話を進めるスタイルは評判を呼びました。

ゲストのオリジナルイラストを挟みながら試食を行うといった手法で、ファンのコメントや質問を獲得できたのが成功のポイントです。

また2回目の配信では国立博物館や東京国立近代美術館からゲストを呼びながら両施設とのコラボ商品を紹介し、1回目と合わせて合計3万人越えの視聴者を獲得しています。

参考:三越伊勢丹お中元ライブコマース好調!視聴者数は3万人を越え、ライブコマース経由の売上は過去最高を更新しました。本日午後7時からはお酒のライブコマースを開催。|株式会社 三越伊勢丹ホールディングスのプレスリリース

資生堂の事例

コロナ禍で化粧品の在り方も変わっていく中、資生堂ではライブコマースを活用しながら非接触型の購買ニーズを引き出そうとしています。

  • 美容専門家が化粧品を使いながら美容法を紹介
  • 消費者がリアルタイムで専門家とコミュニケーションできる


といった特徴を持ったライブコマースになっています。

また三越伊勢丹といった店舗ともタイアップして商品紹介をしている点もポイントです。タイアップにはオムニチャネルを自社の取引先と協力して構築する目的があります。

オンラインWEBカウンセリング実施といった工夫も行いながら、自社で想定した最悪の経済的経営シナリオも想定した販売戦略を取っている点もポイントです。

参考:資生堂が「ライブコマース」 オンライン接客を開始 ライブ配信で化粧品紹介 | ネットショップ担当者フォーラム

ベイクルーズの事例

アパレルもコロナ禍で戦略見直しを迫られる中、ベイクルーズではクラウド型ライブコマースプラットフォームを通じたマーケティング戦略を実行しています。

自社オリジナルEC「ベイクルーズストア」内にて行われるライブコマースは、

  • 視聴ユーザーをKPIとして計測
  • 視聴者の質問に適切な回答ができるスタッフやバイヤーを用意
  • 商品のよさをプラスでコメントしていく


といった工夫により売上獲得に成功しているのがポイントです。

また準備をすべてルーティン化し、少人数で配信作業を回しているのも注目したいポイントになっています。

参考:ベイクルーズのライブコマース運営とは 最大9000人の視聴者を集める集客力|ECのミカタ

ライブコマースを実施する際の注意点

メッセージを正しく伝えられる配信者を選ぶ

ライブコマースの効果は出演者によって左右されます。ですから自社商品やブランドが伝えたいメッセージを、正しく伝えられる知識やスキルのある配信者をキャスティングするのがポイントです。

  • 視聴者の購買意欲を上手く刺激できる
  • 商品に関する知識が豊富で詳しく分かりやすくメッセージ可能


といった項目に該当するリソースを探しましょう。ユーザーとしっかり対話できる出演者かをまずは確認してみてください。

Web上で集客を行う

ライブコマースはWeb上で集客を行う必要があります。有名人やインフルエンサーが起用されるのもこのためです。元々のファン、もしくは少なくとも好意的なユーザーを集めることができなければ母数となるユーザー数が少なくなります。

そもそもライブ配信はリアルタイムで時間を共有することが強みであり、時間を逃してしまうと参加できないという弱点も抱えています。有名人やインフルエンサー自身がライブ配信に誘導するためにSNSで発信したり、ホームページなどで告知しなければ集客することはできません。オンライン上での告知・集客の仕組みを作り上げ、幅広く閲覧ユーザーを集めることが必要不可欠となります。

配信環境を整える

ライブコマースを提供するサーバーやシステムのスペックによっては、集客した人数が多すぎることでサーバーが耐えきれず重たくなったり、画像が乱れたり、止まってしまうことがあります。また、配信する側と閲覧する側のインターネット環境やデバイスのスペック差によっても同様の現象が起きる可能性が高いです。その他、有名人やインフルエンサーとコミュニケーションしたくてライブ配信に参加したのに人数が多すぎて取り上げてくれない、または無視されてしまったと感じられてしまうこともデメリットと言えるでしょう。

リアルタイムで時間を共有できること、双方向でコミュニケーションできることが強みなのに、環境によっては動画の閲覧に問題が起きてしまいユーザー体験を損なう可能性に注意しましょう。

ライブ配信後の分析を行う

ライブ配信も他のマーケティング施策と同じく、継続的な分析が欠かせません。
配信後には

  • 視聴者のコメント
  • 視聴者数
  • コンバージョン件数


といったたくさんのデータが蓄積されます。

データをアセットとして活用しながら分析を行い、次回の配信だけでなく商品開発といった他の分野にも活かせるようにヒントを得ていけるかがポイントです。

ライブコマースの配信サービス4選

最後にライブコマースに活用できるサービスを4つご紹介します。ライブコマースを導入してみたいとお考えの場合はそれぞれ登録して体験してみるのがおすすめです。

その際は、どのようなユーザーインターフェイスなのか、購入までの導線はどうなっているのかチェックしてみましょう。

Instagram

Instagram

Instagramは写真や画像、ライブ配信が可能なSNSアプリです。投稿に記載されている商品タグをタップすることで価格や商品名がチェックできます。
Instagram内で直接購入できるチェックアウト機能は米国のみの対応ですが、日本でも対応することが期待されています。現時点でもフィードやストーリーズ上に商品タグを掲載できるので、商品の詳細やブランドやメーカーとしての情報を伝えることが可能です。
日本で影響力のあるInstagram内のインフルエンサーも増えており、既にフォロワーが万単位であるアカウントがいることも考えると将来的にライブコマースで広告塔として活躍する方も増えてくるでしょう。
既に企業案件として商品をPRすることで広告収入を得ているインフルエンサーもおり、ある意味新しい働き方として受け入れられていると言えます。

Yahoo!ショッピングLIVE

Yahoo!ショッピングLIVE_ヤフー株式会社

Yahoo!ショッピングでもYahoo!ショッピングLIVEという機能でライブ配信を可能としています。スマートフォンのアプリとパソコンの両方でライブ視聴が可能です。現時点では法人アカウントのみ対応しています。
Yahoo!ショッピングのモールとしての認知度が高いことを考えると、法人で出店しているのであればライブ配信による効果が期待できるでしょう。番組数的にはまだまだ少ないですが、今後のサービス展開によっては企業やブランド、メーカーとして登録しておくべきサービスのひとつになる可能性を秘めています。

SHOPROOM

SHOPROOM_SHOWROOM株式会社

SHOPROOMはライブ配信とショッピングを組み合わせたサービスです。SHOWROOMと呼ばれるライブ配信サービス・アプリ上で直接商品が購入できるのが特徴です。現時点では一部のルームのみSHOPROOM配信機能やプレゼント機能を提供している段階ですが、対応ルームを順次拡大予定とのことです。
スマートフォンのアプリとパソコンのブラウザからアクセス可能であり、若い世代も含めて幅広い層のユーザーへの訴求が可能なのが魅力です。
商品の詳細や購入画面への導線もわかりやすくなっており、ライブコマースのメリットを活かしたサービスのひとつです。ライブ配信のプラットフォームとしての認知度も高く、配信者もライブに慣れていることから、プラットフォームの選択肢の一つとして視野に入れておくべきと言えるでしょう。

au PAY マーケット

au PAY マーケット_KDDI株式会社

au PAYマーケットとは、auが運営するモール型のECサイトです。以前はau Wowma!というサイト名で親しまれていました。メインユーザーは30代~40代となっており、サイトの機能にライブコマースが可能なライブ配信機能が存在します。
auの携帯を利用しているユーザーだけでなく、auが提供する関連サービスのユーザーが利用できるECサイトになるため、ライブコマースでネックでもある集客にも強いプラットフォームと言えるでしょう。

まとめ

ライブコマースの基礎知識や注目を集める理由、中国や日本の市場、メリットやデメリット、4つのライブコマース配信サービスをご紹介しました。

ライブコマースはある意味インターネット上で実店舗のような接客ができることが強みであり、購入する前のコミュニケーションを楽しむことでユーザー体験を作り出しています。同時にEC利用だけでなく、様々な活用方法があることから、新しいビジネスチャンスの創出にもつながるでしょう。
現状では日本で浸透しているとは言えませんが、5Gが普及することで当たり前のマーケティング手法となる可能性は高いです。既存の広告手法では得られなかった顧客層や購買層にリーチしたいのであれば、新しい販売形態、広告手法として、ライブコマース導入の検討をおすすめします。

最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事がライブコマースについて知りたかった方、ライブコマースの導入に悩まれていた方のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

QEEE編集部

QEEEは、INTLOOP株式会社が運営するビジネスの総合ポータルサイトです。 多様なコンサルティング実績をもつINTLOOPのノウハウを生かし、あらゆる経営課題・ビジネスの悩みを解決するサービスを提供しています。 QEEEマガジンでは、マーケター・人事・エンジニア・営業などの各職種に向けて、SaaS比較やビジネスコラムなどのコンテンツを各領域のスペシャリストが発信しています。

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