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ビジネスにおけるDX推進のカギとは?成功事例6選と共に解説

2020年05月13日

デジタルトランスフォーメーションDX

デジタルトランスフォーメーション(DX)とはIoTやAIなどの新技術を用いて新しい価値を生み出していく動きです。デジタル技術を用いた新しいビジネスが興隆する中、既存の企業もDXを推進し競争力を維持していかなければなりません。
今回の記事では、DXを推進し成功を収めた企業の事例を踏まえDX推進のポイントを解説します。

DXを妨げる要因とは

まずはDXを妨げる要因や課題についてご説明します。

レガシーシステムの課題

レガシーシステムとは企業や組織に存在する既存の基幹システムやソフトウェアを意味します。
経済産業省が発表したDXレポート内の調査においても、約7割の企業がレガシーシステムがDXの足かせに感じているとの結果が出ました。日本国内におけるDXを実現するためには必ず解決すべき課題と言えるでしょう。
具体的にレガシーシステムの何が問題であるかを整理してみます。

システムが複雑化し管理が困難に

・仕組みがブラックボックス化している
・一部の人間による属人化によって継承できない
・システムの維持、運用に人的リソースを割かれる
・システムを改修するための時間的、資金的コストの問題
・部署や部門ごとにシステムがある上、互換性が低い

上記はレガシーシステムの問題となる部分です。特にブラックボックス化や属人化によってシステムが複雑化している部分の影響が大きく、管理することが困難であり、維持・運用するだけで精一杯な状態の場合もあります。
同時に維持・運用に人的リソースを割かれてしまえば、システムを改修するためにIT人材の確保ができないという悪循環に陥っていることもDXの推進を阻む理由です。
その他、部署や部門ごとにシステムがある場合、データを活用しきれず、IT資産を無駄にしていることも考えられており、互換性を高められないこともDXが実現できない原因となっています。

システムの改修が迫られる

問題を抱えたレガシーシステムから脱却するためにはシステムを改修するしかありません。しかし、既存のシステムの構築や運用を手掛けた世代の引退という期限も迫る中、ブラックボックス化や属人化を解決できていないのが現状です。
また、2025年の崖という問題もあり、今までのようにシステムを維持・運用し続けるだけで大幅な経済的損失を被る可能性も考えなくてはなりません。
そう遠くない未来にレガシーシステムによるコストが増大してしまうことで、企業や組織として存続できるかどうかの瀬戸際まで迫られているのは事実です。
企業や組織としてもDXを推進しながら、古いIT技術を新しいIT技術におきかえること、新しいIT技術を受け入れるための努力が必要となります。

経営層の課題

DXが推進されないことの課題に経営層の危機感のなさが挙げられます。これまでレガシーシステムがそのまま放置されてしまったのも、何らかの形で任期が終わるまでに解決できなくても責任を問われず、暗黙の内に未来へ先延ばしされてきたことが背景にあるからです。
実際、下記URLの経済産業省のDXレポートによると「約7割の企業が、レガシーシステムがDXの足かせと感じている」点や「レガシーシステムは、保守・運用が属人的となり、継承が困難と考える事業者が6割以上」との調査結果が出ています。これらの点を鑑みると、事業者の半数以上がシステム改修を行う必要があると考えている現状が窺えます。

参考元:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~
https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010-1.pdf

また、企業や組織によってはIT技術を受け入れるためのIT人材やDX人材が育っていない、またはIT人材やDX人材の育成や積極的な雇用を行っていないこともあります。
その他、特に問題がなければIT技術を導入しなくても良い、非効率なままでも関係ないと考えてしまい、変化を嫌って現状維持している企業や組織も日本全体のDX推進を阻んでいると言えるでしょう。

DX推進の成功事例

次にDX推進の成功事例として6つの事例をご紹介します。

Airbnbの事例

Airbnbは民泊の需要と供給を仲介するプラットフォーム、マッチングサービスです。Airbnbは業務上のほぼすべてを電子データによるやりとりで完結させることに成功しました。データサイエンティストが多数在籍しており、AIやビックデータを駆使しながら、徹底的な業務効率化が図られています。
DXの課題の一つである「データの活用」が解決されている成功事例であり、部門や部署を越えた業務プロセスの改善がスムーズなのも特徴です。単に主となる民泊サービス上の業務を最適化、自動化するだけでなく、人事やマーケティングに応用しており、DXによる変革が可能であることがわかる一例であると言えます。

Uberの事例

Uberは車に乗りたい人と車を所持していて他人を運ぶことで利益を得たい人をつなぐマッチングサービスです。タクシーの配車アプリのような形でリアルタイムで依頼することが可能であり、世界70ヶ国以上で利用されています。日本では同様のサービスでいわゆる出前をしてくれるUber Eatsも徐々に利用されるようになりました。

・依頼主からコールセンターへ連絡
・コールセンターから運転手へ連絡
・コールセンターから依頼主へ確認の連絡
・依頼主から運転手への支払い

Uberは上記のようなコミュニケーションによる時間的、人的コストの削減や支払い時の手間暇をカットしました。何よりも車を使って稼ぎたい人とタクシーサービスのない場所でも車に乗りたい人という需要と供給を結びつけたことがDXの成功事例と言われる理由です。

メルカリの事例

メルカリはCtoC、すなわち個人間取引を可能としたサービスです。個人が不要となったものを販売し、必要とする個人が購入する仕組みであり、オンライン上にフリーマーケットを構築した形と言えます。

・スマートフォンベース
・匿名の発送システム
・シンプルでわかりやすく使いやすいUI
・エスクロー決済と手数料10%

上記がメルカリがDXで成功した理由です。ユーザーの利便性の追求や個人間取引の敷居を低くしたことで、CtoCにおけるシェアを拡大したと言えます。同時にスマートフォンで完結すること、支払いや発送、受け取りの流れがわかりやすくいことも普及した理由です。
今までのただ単に不用品を売るという価値観から、再利用してもらおう、使いたい人に販売しようという価値観や考え方を生み出したことも成功事例とされる要因です。

Netflixの事例

NetflixはVOD(ビデオ・オン・デマンド)を提供するサービスであり、元々はDVDのレンタル事業を行っていました。

・店舗型レンタルから郵送型レンタル
・延滞料金なしのサブスクリプション
・サブスクリプション型のVOD

上記はNetflixが成長するにあたり段階的に行ったDXです。Netflixはそれぞれの段階で課題を解決しようと試みました。店舗に行くのが面倒なユーザーのために郵送型レンタルを開始し、延滞料金が嫌なユーザーのために延長料金なしのサブスクリプションを提供したと言えます。その先にDVDをレンタルしなくても自宅で好きな時に自由に映画や動画を楽しめるサービスを構築したことで、世界的に愛されるサービスとなりました。DVDを店舗で借りなければならないというある意味レガシーシステムである点を段階的に改善したことはまさにDXの成功事例と言えるでしょう。

ベネッセコーポレーションの事例

ベネッセコーポレーションはこどもちゃれんじや進研ゼミなどを提供する教育サービスです。

・サービスの電子化
・サービスのクラウド化
・PaaSの導入、構築

ベネッセコーポレーションではDXの推進にあたり、サービスの電子化及びクラウド化とPaaS(Platform as a Service)の導入を進めました。具体例で言えば進研ゼミなどの学習サービスをタブレットで気軽に学べるシステムを作り上げています。
ベネッセコーポレーションは教育分野における教科書や参考書など紙ベースのテキストを電子化することで、ペーパーレスの実現、サービスを利用する敷居を下げること、ユーザーの利便性の向上を実現したことでDXの成功事例とされています。

立命館大学の事例

立命館大学ではICT(Information and Communication Technologyの活用による事務基盤の変革と業務基盤の高度化を推進しました。

・業務のデジタル化
・業務のクラウド化
・文書データの活用
・ペーパーレスの実現

上記が立命館大学が行ったDXであり、事務処理の短縮化やペーパーレスを実現しています。大学側の作業負担の軽減となるだけでなく、ユーザー側、すなわち大学生や教員の手続きや申請もWeb化されたことで全体のレスポンスもアップしています。
立命館大学のDXは企業や組織、または公的機関で解決しきれていない課題であるペーパーレスの実現やデータベースのクラウド化を形にしたものであり、わかりやすいDXの成功事例と言えるでしょう。

DXを成功させるために

・課題や問題点の解決
・元々あるシステムや仕組みを再構築
・デジタル化及び電子化、クラウド化
・まったく新しい仕組みやサービスの構築
・業務や作業の効率化や最適化

上記はDXの成功事例から見えてくる手段や方法の一部となります。共通して言えるのはDXの課題とされるレガシーシステムを含めて、既存の手続きや仕組みそのものを再構築、または新しく作り直していることです。
しかし、DXを推進するものの成果が出ていない、またはDXで何をすべきかわからないという企業や組織が存在するのも事実です。
次にDXを成功させるためにどのようにすべきか、どんな考え方を持つべきか簡単に説明します。

DX評価指標で現状を把握する

まずは自社や組織内の現状を把握するためにDX評価指標をチェックしてみましょう。DX評価指標を見てみると、DXの段階に応じて次に何をすれば良いか把握しやすくなるからです。
DXは企業や組織ごとに何をすべきか異なります。同じ業界のDXの成功事例を真似したとしても成功するとは限りません。だからこそ、まずは自社や組織内の現状を把握し、その上で問題点や課題を洗い出すことが求められます。
また、レガシーシステムだけでなく、既存の仕組みや業務プロセスを疑うことも重要です。DXによる変革を受け入れなければ将来的に企業や組織として成り立たない可能性があることを忘れてはいけません。
下記URLが経済産業省の提示したDX推進指標ですので、ぜひともご活用ください。

経済産業省 - ■DX推進指標
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-3.pdf

経営層がDX推進の必要性を理解する

DXの推進では決定権や責任を持つ経営層の意識改革が求められます。現状維持の保守的な考え方では、ずるずると先延ばししてしまう結果となり企業や組織としても未来は明るいとは言えません。
DXが推進されないのはIT技術を受け入れようとする体制や思想がない世代がいることが原因でもあります。単純にスマートフォンを使わなくても生きていける、またはハンコの文化を残すべきだという固定観念のままではDXは実現できないということです。
決定権や責任を持つ経営層がそのような考えではDXを実現するためのプロジェクトや予算が決まるはずもありません。まずは何となくDXを推進と言っておけば良いという風潮をなくすこと、具体的に何を模索すべきか、何を実行できるのか把握することが大切です。

現行システムのブラックボックス状態を解消する

ブラックボックス状態を解消するには大きく分けて下記の2つの方法があります。

・レガシーシステムと同じ出力が可能な新しいシステムを構築
・レガシーシステムのブラックボックス部分の解析と改修

レガシーシステムを使い続けないことが解消への近道のように見えますが、コストや人的リソースの状態によっては不可能な企業や組織もあるでしょう。
後者のブラックボックス部分の解析についても、担当者の退職、外部委託先の倒産や廃業など、やはり不可能な場合も考えられます。
それらが今までレガシーシステムを維持しつづけてしまった原因であることは明白ですが、2025年の崖のことを考えるとこれ以上先延ばしすることはできません。
まずは目の前にある現行システムのブラックボックス状態をどのような形で解消するのか、解消できなければどのような方法を取るべきか模索しましょう。 

まとめ

DXを妨げる要因やDXの成功事例、DXを成功させるためにどうするべきかご紹介しました。DXを推進すること、DXを成功させることとは新しいIT技術を受け入れること、そして企業や組織ごとに新しいIT技術を活用することが求められます。
例えばインターネットの通信速度一つをとっても、128kbpsと1Gbpsでは雲泥の差どころか業務に支障を来すのは明かです。その他の技術についても柔軟に受け入れられなければ企業や組織として淘汰、衰退、敗退してしまう可能性が高まります。同時にDXがIT技術を活用することで人類が良い方向に変革することだということを忘れないようにしましょう。
DXによって既存のレガシーシステムからの脱却だけでなく、古い体質の業務プロセスや企業体質から抜け出せるように努力することをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事がDXについてさらに詳しく知りたかった方、成功事例や成功させるためにどうするべきか悩んでいた方のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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