エンジニア

【最新版】VDI・DaaS13製品を比較~リモートワーク・テレワーク対応~

2020年04月28日

VDIDaaSシンクライアントBCPテレワーク・リモートワーク

デスクトップ仮想化(VDI)は、通常はパソコンなどの端末上で行われる処理をサーバー側に集約するものです。端末にデータが残らないなどのセキュリティ上の利点があり、リモートワークやBYOD(個人所有の端末を業務に使うこと)に適しているとされます。この記事では、同様のクラウドサービスであるDaaS(Desktop as a Service)とVDIのメリットとデメリット、最新の製品やサービス比較をお届けします。

VDIとは

VDIとは、Virtual Desktop Infrastructureまたは Virtual Desktop Initiative の略で、仮想デスクトップインフラ、デスクトップ仮想化を意味します。VDIの仕組みについて、同様の効果を期待できるDaaS、シンクライアントとの違いとともに説明します。

VDIとはどのような仕組みか

VDIは、デスクトップ(OS、アプリケーション、データ)をサーバ上の仮想マシンとして実行し、その実行結果をユーザが操作するクライアント端末(PCなど)に転送します。
通常はPCなどのクライアント端末内で処理されるユーザのキーボードやマウスなどの操作は、サーバに転送されます。アプリケーションの実行処理はサーバ上で行われ、処理結果の画面情報や音声データがサーバからクライアント端末へ転送されるわけです。つまり、処理性能はサーバのみに求められます。

VDIとDaaSの違い

DaaSとはDesktop as a Serviceの略です。VDIのシステム基盤から仮想デスクトップをクラウド環境で提供するサービスのことを指します。対して、VDIは自社のホスティングサーバから仮想デスクトップ環境を提供するものを指します。DaaSとVDIではサーバの管理・運用の主体がそれぞれクラウド事業者と自社になるという違いがあり、問題発生時の対応やライセンスのコストのかかり方が異なることになります。

VDIとシンクライアントの違い

シンクライアントのシンは、thin(薄い)で、ストレージやアプリケーションを搭載せず、最小限の機能だけを持つ端末や、それを利用できる環境を指します。サーバ上にOS、アプリケーション、データを用意して、クライアント端末からサーバにアクセスすることで作業を可能にする仕組みです。
シンクライアントは大きくネットワークブート型と画面転送型に分けることができますが、VDIは画面転送型のひとつとなります。

あわせて読みたい

シンクライアント端末とは|シンクライアントの基礎知識と...

テレワークの実現拡大に伴い、シンクライアントを導入する企業が増えています(※)。厚生労働省では、テレワーク新規導入の中小企業に対して助成金を支給する制度を実施しており、シンクライアント端末の購入費用も助成金の対象となっています(※2)。セキュ...

VDIのメリット

VDIは、通常のPCのようなストレージを持たず、処理も行いません。そのため次のようなメリットがあります。

セキュリティ強化

端末からのデータ漏洩を防ぐ

VDIではデスクトップがサーバ上にあるため、データがクライアント端末側に残ることが無く、端末の紛失・盗難時にデータが流出して情報漏洩することを防ぐことができます。

パッチ適用、アップデートの徹底

サーバ上でデスクトップを集中管理する形式となるため、パッチ適用やアップデートを管理者側で制御することができます。運用負荷が下がるとともに、BYODなどで端末の種類がばらばらでも適用を徹底でき、セキュリティを維持しやすくなります。

機密情報をインターネットから切り離せる

仮想デスクトップと端末を異なるネットワークセグメントに置くことで、機密情報を保持するシステムをインターネットから切り離すことができます。

事業継続性

VDIでは、災害などでもサーバ上のデータに影響がなければ迅速に業務環境を復旧することが可能です。重要なデータが個人のPCにあって消失するといった事態も避けることができます。
会社貸与のPCが破損し利用できなくなっても別の端末で代替でき、端末さえあれば自宅からでも業務をすることができます。この点から、VDIは災害対策や事業継続計画の一環としても効果が期待できます。

端末の運用管理の負担とコストの削減

PCやタブレットの貸与の管理や、アプリのインストール、キッティングなどの業務が不要になり、ヘルプデスクや情報システム部門のの運用負荷とコストを削減することができます。またシンクライアント端末は機能が最小限のため、普通のPCに比べて安価となります。

VDIのデメリット

通常のPCを利用するのと異なり、VDIには次のメリットがあります。

ネットワークに依存する

VDIではデスクトップ自体がサーバ上にあることから、ネットワークに大きく依存します。ネットワークの通信が切れた状態では何もすることができません。また、回線の負荷が高い状況では、端末でのすべての操作のパフォーマンスが低下することとなります。

サーバーへの負荷が高い

利用ユーザの数だけサーバにアクセスが発生するため、仮想サーバには高いスペックが求められます。また、サーバのサイジングに不備があるとパフォーマンスが低下し、ユーザの業務に大きく影響を及ぼすこととなります。

VDI環境を提供する製品を紹介

VDIの主な13製品の特徴や金額、提供形態をご紹介します。

VMware Horizon 7

【提供会社】ヴイエムウェア株式会社

【料金】お問合せ

【提供形態】クラウド、オンプレミス

【特徴】1台の仮想PCを1人の利用者で利用する仮想PC方式と、1台のサーバを複数人の利用者で共有して利用するSBC方式の2種類から選択することができます。インスタントクローンの機能により、約2000台の仮想マシンを20分以内に構成することが可能です。無料体験版を90日間、最大100ユーザまで利用できます。

Citrix Virtual Apps and Desktops

【提供会社】シトリックス・システムズ

【料金】お問合せ

【提供形態】クラウド、オンプレミス

【特徴】独自に開発したICAプロトコルによる画面転送技術により、低帯域のネットワーク環境でもクライアント端末の操作感に大きな影響を及ぼさない特徴があります。Android、iPhone、iPadなど、多くのモバイル端末にも対応しています。

Windows Virtual Desktop

【提供会社】日本マイクロソフト株式会社

【料金】100ユーザ、平均125時間使用:約4万ドル/月

【提供形態】クラウド

【特徴】Windows10のマルチセッション接続機能を利用できるため、1台の仮想マシンで複数のユーザのVDI環境を構築することができます。これにより、仮想マシンのリソースを共有することでコスト削減が期待できます。WindowsVirtualDesktopにホストされたWindows7は、延長サポート期限終了後も更新プログラムの提供を3年間受けることができます。

Amazon WorkSpaces

【提供会社】アマゾンジャパン合同会社

【料金】スタンダード(2vCPU、4GiBメモリ、10GB):月額41ドル、時間料金10ドル/月 + 0.36ドル/時間

【提供形態】クラウド

【特徴】さまざまなデバイスやWebブラウザに対応しているため、BYODの取り組みに柔軟に対応することができます。各ユーザにAWSクラウドの永続的ストレージの容量が割り当てられ、Amazon  S3に定期的に自動バックアップされます。既存のオンプレミス環境のActiveDirectoryとの接続も可能であり、既存のドメインユーザで利用することができます。無料体験版を12ヶ月利用できます。

IIJ仮想デスクトップサービス

【提供会社】株式会社インターネットイニシアティブ

【料金】仮想PC環境(40ユーザ、2vCPU、7GBメモリ、50GB):初期費用54万円、月額32万8千円

【提供形態】クラウド

【特徴】仮想PC型とセッションホスト型を選択・併用して導入することができます。リンククローン方式とネットワークブート方式の2つの展開方式に対応しています。システム基盤としてCitrix Virtual Apps and Desktopsが採用されています。

VMware Horizon Cloud

【提供会社】ヴイエムウェア株式会社

【料金】Horizonユニバーサルライセンス:指定ユーザタイプ 月額16.5ドル

【提供形態】クラウド

【特徴】IBM Cloud環境とMicrosoft Azure環境を選択することができます。Azure環境では、Windows10のマルチセッション接続機能を利用することが可能です。無料体験版を90日間利用できます。

NEC Cloud DaaS

【提供会社】日本電気株式会社

【料金】基本仕様(2vCPU、4GBメモリ、70GB):初期費用30万円、月額3,300円/ID

【提供形態】クラウド

【特徴】中~大規模(100 ID 以上)向けのサービスであり、20台から利用可能です。PCだけでなく、スマーフォンやタブレットをクライアント端末として利用できます。NECグループ約3万人の利用実績があります。高いセキュリティ基準をクリアしたNECデータセンターでデータが安全に管理されます。

Parallels Remote Application Server

【提供会社】パラレルス

【料金】お問合せ

【提供形態】クラウド、オンプレミス

【特徴】AWSやMicrosoft Azureに対応しています。Parallels独自の 技術により、モバイルデバイスのネイティブ環境と同じタッチ操作で、リモートのWindowsアプリケーションをスマートフォンやタブレットから操作できます。無料体験版を30日間利用できます。

StarCloud Software

【提供会社】SCSoft Inc.

【料金】お問合せ

【提供形態】クラウド、オンプレミス

【特徴】認証サーバと仮想デスクトッププラットフォームを分散する構成が可能であり、仮想デスクトッププラットフォームの情報をネットワーク上に公開せず、高いセキュリティを確保することができます。高圧縮率プロトコルのXDPにより、低帯域のネットワークでもクライアント端末の操作感に大きな影響を与えず利用することが可能です。

どこでもデスクトップ

【提供会社】ドコデモ株式会社

【料金】スタンダード(CPU4コア、8GBメモリ):月額1,200円/1VM、従量課金150円/1時間

【提供形態】クラウド

【特徴】1台から利用できます。ブラウザからクラウド上の仮想デスクトップにアクセスして利用する方式であるため、端末に高いスペックは必要なく、ポケットWi-Fiからでも利用することができます。社内システムの変更が必要なく導入でき、最短1時間で検証し、即日利用が可能になります。

ZENMU Virtual Desktop

【提供会社】株式会社ZenmuTech

【料金】月額780円/ユーザ

【提供形態】クラウド

【特徴】独自の秘密分散技術により、データをPCとクラウドに分散することで高いセキュリティを実現します。ユーザデータ以外のPCリソースやアプリケーションはすべてローカル環境を利用する形式となります。2020年5月末まで無償提供されています。

TrueOffice

【提供会社】Eugrid株式会社

【料金】サーバー基盤:118万円/年、ライセンス:294万円/年

【提供形態】オンプレミス

【特徴】ユーザデータのみをサーバに保存し、PCリソースやアプリケーションはすべてローカル環境を利用する形式となります。従来のVDIと比較し、TCOが1/3から1/10で高いセキュリティとリモートワーク環境を実現できます。

Shadow Desktop

【提供会社】株式会社アール・アイ

【料金】Cloud無しサブスクリプション:11,760円/年、Cloud付きサブスクリプション:23,760円/年

【提供形態】クラウド

【特徴】データのみをクラウド上に保存する形式となります。クラウドからダウンロードしたデータはキャッシュされるためオフラインでも利用可能ですが、キャッシュされたデータは暗号化されているため、PCの紛失・盗難時にも情報漏洩を防ぐことができます。オプションにより、複数のPCから同じデータを扱うことも可能です。無料体験版を30日間利用できます。

まとめ

VDI(デスクトップ仮想化)を導入することで、高いセキュリティを担保しつつリモートワーク(テレワーク)にも適した環境を実現することが可能になります。PCなどの端末のコストやヘルプデスクの運用負荷を下げることもできます。働き方改革として多様な業務環境を実現するためにもVDIやDaaSの活用が検討できるでしょう。

この記事を書いた人

QEEE編集部

QEEEmagazineはマーケター、人事、エンジニア、営業企画などの企画者に役立つコンテンツをそれぞれ領域のスペシャリストが発信していきます。

投稿一覧へ

他サービスはこちら