コラム

今さら聞けない「SaaS(サース)」とは|メリットとデメリットを徹底解説

2020年04月02日

SaaS

業務効率化のために、クラウドサービスであるSaaSを導入している企業が全体の53.6%に上っています。そのSaaSとは何かを解説し、SaaSを導入するメリットやデメリット、注意点を紹介します。

SaaSとは

SaaS(サース)とはクラウドサービスの一つの形態であり、「Software as a Service」のイニシャルを取った略語です。直訳すると「サービスとしてのソフトウェア」です。従来のソフトウェアが自分のコンピューターにインストールして作動させていたのに対し、SaaSは提供事業者のコンピューター(サーバー)にアクセスして使用します。
例えば、コミュケーションツールのSlack(スラック)、顧客管理や営業支援システムとして有名なSalesforce(セールスフォース)、人事・労務のSmartHR(スマートHR)もSaaSです。

クラウドサービスとは

SaaSを含むクラウドサービスとは、データやソフトウェアを手元のPCにインストールすることなく、インターネット経由で提供するものです。クラウドサービスは、ネットワークにつながっていれば、どこからでも利用できます。
以前はパソコンやサーバーにインストールする形式が普通でしたが、クラウドサービスが普及したことで、こうした形式を「オンプレミス」と呼ぶようになりました。

ソフトウェアとは

ソフトウェアはコンピュータ上で動作するプログラムのことを指します。Windowsなどのオペレーティングシステム(OS)や、OS上で動くアプリケーションソフトウェア(WordやExcelなど)があります。

IaaS、PaaSとSaaSの違い

SaaSと比較されやすい言葉としてIaaSやPaaSがあります。
まず、IaaS(イアース、アイアース)とは「Infrastructure as a Service(サービスとしてのインフラ)」の略語です。インフラとは基盤となる物のことを指し、IaaSはネットワークやサーバ、OSといったインフラの運用をサービスとして提供します。
また、PaaS(パース)とは「Platform as a Service(サービスとしてのプラットフォーム)」の略語です。プラットフォームはサービスを動かすための環境を指しています。PaaSはソフトウェアを稼働させるためのデータベースや実行環境を提供します。

ASPとSaaSの違い

SaaSに似た意味の言葉としてASP(エーエスピー)があります。ASPはApplication Service Providerの略で、もともとはインターネット経由でアプリケーションソフトを提供する事業者を意味します。SaaSは提供されるソフトウェアのことを指しているので、対象物が異なっているといえます。
しかし、事業者が提供するアプリケーションソフトを指してASPというようになり、SaaSとほぼ同義になっています。さらにクラウドサービスの普及により、ASPよりもSaaSと言う単語が使用されることが増えてきています。

SaaSが普及した背景

「SaaS」という語が日本で使われ始めたのは2006年頃と言われています。2018年10月28日の日経新聞では「SaaS元年」という見出しで日本でのSaaSの拡大が報道されました。
SaaSにはさまざまなメリットがありますが、ネットワーク経由で利用するため、スムーズに利用するには高速なネット環境必要です。高速通信が可能になったことでSaaSが普及したといえます。

SaaS利用のメリット

続いて、SaaSを利用するメリットを紹介します。

ハードウェアの準備・管理の負担軽減

SaaSはクラウド上で提供されているソフトウェアを使用するため、専用サーバの準備が不要です。また、維持管理はベンダーが行うため、管理やアップデートはベンダー側で行います。

導入までのスピード

SaaSは基本的に申し込み後には使用することができます。オンプレミスの場合にはサーバーの選定から構築、ソフトを開発する場合には設計~運用テストなど多くの工数を要します。

コストの削減

SaaSのほとんどが月額課金型です。使用するユーザー数やストレージ容量などに合わせた従量課金も多く、容量に合わせてスケールダウンやスケールアップが行われます。
オンプレミスの場合には専用サーバが必要で、容量は最大の場合を配慮した余裕のある状態が求められます。調達、維持管理の費用、専門の人員も必要です。

ベストプラクティスの利用

自社専用に開発したシステムは、自社のやり方やノウハウをもとに構築されます。それに対し、SaaSはユーザーとベンダーが1対1ではなく、多くのユーザー対ベンダーの図式で提供されます。そのため、多くのサービス提供により培った機能や改善点がユーザーに還元されることになります。

インターネットにつながればどこからでも利用できる

オンプレミスのシステムは、専用の手段を用いなければ社外からはアクセスできないのが普通です。SaaSはインターネットに接続できればどこからでも利用できます。サービスを利用するアカウントはデバイスに依存しないため、自宅の端末と会社で使用している端末が違う場合でも、同じサービスを利用できます。

SaaS利用のデメリットや注意点

ここではSaaS利用のデメリットや注意点について紹介します。

カスタマイズ性

自社専用に開発したシステムはもちろん、パッケージソフトウェアなどに比べても、SaaSのカスタマイズ性は高いとは言えません。
メリットの「ベストプラクティス」で説明したように、多数のユーザーが共通の機能を使っているので機能の大幅な変更はできないと考えたほうがいいでしょう。

導入目的と機能のチェック

SaaSは導入のハードルが低いため簡単に使用を始められますが、必要な機能がなければ狙った効果が出ない、業務効率が思ったように上がらないといったことにつながります。
同じ「顧客管理」のSaaSであっても、製品によって詳細の機能や使い勝手が異なります。あらかじめ導入の目的を確認し、使用者の想定や必要な機能を詳細に検討する必要があります。
また、対応ブラウザなどが自社と合っているかも確認しておく必要があります。

費用について

SaaSは一般的には月額課金制で、サービスを使用している限りコストがかかります。従量課金の場合には、アカウント数やデータ量の増加で高額になることもあり得ます。当初は無料や低額であっても、一定の人数やデータ量を超えた場合の料金、オプション機能の料金などについて確認が必要です。

セキュリティ

SaaSサービスはインターネット環境があればどこからでも利用できることは大きなメリットですが、セキュリティのリスクでもあります。IDとパスワードさえわかれば誰でもアクセスできてしまいます。
また、ウイルス対策や脆弱性への対応などのセキュリティ対策は基本的にベンダーに任せることになり、自社でコントロールすることはできません。

まとめ

クラウドサービスであるSaaSは導入や導入後の管理コストを削減して、業務効率を上げるソフトウェアです。しかし、導入目的や現場で必要とされている機能をあらかじめ検討した上で選定しないと無駄なコストで終わってしまう場合があります。
自社に合ったSaaSを選定して業務の効率化に活かしましょう。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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