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【最新8選】法人向けクラウドバックアップの比較解説!メリット・デメリットも

2020年03月25日

クラウドバックアップ

企業においてデータのバックアップは、万が一PCやファイルが紛失・故障した際の業務継続に不可欠です。バックアップ方法のうちクラウドを利用したサービスの利用率は2014年には38.7%、2018年には58.7%と半数を超え、一般化してきています。最新の法人向けクラウドデータバックアップサービスについて、セキュリティやコスト面を中心に比較紹介します。

法人におけるデータバックアップの目的

重要なドキュメントのバックアップは個人法人問わず大切です。個人では写真やPCデータを外付けハードディスクやクラウドに保存している方も多いのではないでしょうか。
こと法人においてのバックアップは、BCP(事業継続計画)対策及びDR(ディザスタリカバリ)対策の観点から不測の事態における事業継続に向けてほとんど必須です。データバックアップにより回避可能なリスクを説明します。

ハード・ソフトウェア故障対策

まずはハードウェア・ソフトウェアの故障というリスクがあります。ハードウェアはそもそも耐久消費財であり、経年により故障する可能性は高まります。強い衝撃や熱が主な故障の原因ですが、パーツの劣化や電源からの過電流などによる突然の故障もしばしば起こります。突然の災害で電源が落ちたり、落雷などにより過電流が生じることもあるでしょう。

ソフトウェアやドキュメントが突然クラッシュすることもあります。データバックアップを取っていない場合、作成中のドキュメントが開けなくなったり、読み取り不能になってしまうことで深刻な被害となってしまう場合もあるでしょう。

人的ミス対策

人的なミスによりドキュメントを喪失する場合もあります。飲み物を誤ってPCにこぼしてしまった、不要になったと考えて削除してしまった、コンピュータの初期化(フォーマット)をしてしまった、などが挙げられます。1台のPC本体にのみデータが保存されている場合、こういった不測のリスクに対応できなくなってしまいます。

悪意あるアクセス対策

外部の人間からの悪意あるアクセス、及びマルウェア・ウイルス感染等のリスクも存在します。PCに感染した際に、PC端末がロックされたり情報が漏洩するだけでなく、ファイルを開けなくしデータの”身代金”を要求するランサムウェアも近年よく報告されています。

怪しいと思うメールやウェブサイトを開かないようにすることはもちろん対策となりますが、不正なアクセスを完全に防ぐことは現状難しいです。企業の財務情報や取引に関わる資料などは標的にされやすいため、セキュリティレベルの高いバックアップ方法をとることが望ましいでしょう。

データバックアップをクラウドに保存するメリット・デメリット

データバックアップは、従来のハードディスク等に保存するバックアップ方法と、クラウド上に保存するバックアップ方法があります。万全を期すならば、いずれの方法でもバックアップを取るほうがよいですが、費用や掛かる時間を考慮すると必ずしも両方へバックアップをとる必要性はありません。クラウドを用いたバックアップにおけるメリットと、デメリットについて解説します。

【メリット】利用者の負担が軽減する

まず、ハードディスク等の外部ストレージに保存する場合に比べ、利用者の負担が軽減することが挙げられます。営業を含む社員全員が、一日ごとに社内ストレージを接続しデータバックアップをとるのは現実的ではありません。クラウドであればインターネット接続環境があれば自動保存・更新が可能です。
また、バックアップを統括する責任者がおらず、バックアップ用の機器類の管理拡張や保守を行なうことが手間になってしまう場合も、クラウドサービスを利用をすれば機器管理等の手間が不要になります。

【メリット】セキュリティが向上する

クラウドによるバックアップは、情報を社外に出しているという点からセキュリティ面に不安を感じる方も少なくありません。しかし、社内で独自のデータセンター・サーバーを運用し管理責任者がおり、セキュリティ対策も万全である、といった場合を除き、クラウドサービスを利用することで基本的にセキュリティは向上します。

クラウドバックアップサービスは外部からの攻撃への対策、社内での不正及び人的ミス防止の対策、不測の災害への対策がなされています。暗号化や外部及び内部のアクセス制限、複数個所のデータセンターはじめ管理や保守はプロフェッショナルです。もちろんネットワークを利用しているため情報漏洩や不正アクセスの可能性はゼロではありませんが、そのリスクは低いと言えます。

【メリット】ハードウェア更新が不要

ハードウェアを用いたバックアップを採用している場合、経年劣化や容量不足により定期的な買い替えや更新が必要になります。クラウドバックアップを利用する場合はその必要がありません。ハードウェア更新に伴うバックアップのし直し、機器の選定などの手間が不要になり、スペース等を必要としないことも利点です。

【デメリット】ランニングコストが掛かる

クラウドバックアップのデメリットとして月額・年額など運用に対してランニングコストが掛かることが挙げられます。データをバックアップしない選択に比べて通常時から費用が掛かってしまうため、費用を極力抑えたい、絶対に安全に保管したいデータがない、という方はクラウドバックアップを採用せずとも良いかもしれません。

【デメリット】オンラインでしか利用できない

クラウドサービスの性質上、バックアップはオンラインでのみ行なわれます。そのため、オフラインで作業を続けていくとバックアップには保存・更新されていない、という可能性があります。オンラインであればいつでも自動で保存されていくので、インターネットに接続できる環境が必要となります。
また、オフラインではデータが無事でもアクセスできないために利用できません。ネットワーク環境あってのサービスであることは弱点になり得ます。

バックアップに用いるストレージサービスを選ぶポイント

オンラインストレージサービスをバックアップとして用いる際、コストや使い勝手などは様々です。実際にストレージサービスを選択する際に確認すべきポイントを紹介します。

定期的自動バックアップがあるかどうか

オンラインストレージでは画像・動画、ドキュメントなど任意のファイルを保存することが可能ですが、自動でのバックアップがあるかどうかはサービスによって異なります。
ファイルの保存先をオンラインストレージ上にして利用すると、作業中もリアルタイムで更新されていくため、自動バックアップと同じような使い方ができますが、あくまでファイルは単一となり、バックアップとしての別ファイルは生成されません。いつでも業務継続できるよう万全を期すには、ファイルはローカルストレージに保存し、バックアップをクラウドに保存することがおすすめとなります。

セキュリティレベルの高さ

オンラインストレージサービスにより利用規約が異なり、サービスを提供している会社によってファイルの二次利用が可能であったり、データの暗号化がされていない場合があります。個人では容認できるかもしれませんが、法人である場合はコンプライアンスに違反してしまう可能性もあり、注意が必要です。

また、ファイルのサイズや形式をそのままオリジナルサイズでは保存せず、特定の形式に変更する場合があることも確認が必要です。

サポート体制の有無

サポート体制はサービスによりかなり異なります。バックアップ時の負荷軽減のため重複排除や、バックアップが出来ているかどうかのレポーティング機能・アラート機能、CPU利用率制限、復元機能など様々な機能がバックアップ用アプリには用意されています。豊富なサポートがあるかどうかは実際の使い勝手に関わってくるでしょう。

保存期間の長さ

無料や格安のクラウドストレージは、保存期間が短く定められている場合があります。90日程度経過するとデータが削除される可能性があるサービスがいくつかあり、それらのオンラインストレージはファイルの共有・転送が主目的となっています。

法人の用いるデータバックアップとして、保存期間が限定されているオンラインストレージは不適切な可能性が高いので十分ご注意ください。今回紹介するオンラインストレージはストレージ内の最終更新版のファイルに関して保存期間が無期限のもののみ掲載しております。

バックアップクラウドストレージ比較紹介

box

boxはアメリカBox社の提供するサービスです。世界的に利用されており、オリンパス、資生堂、味の素等の日本の大企業にも多く利用されています。社外メンバーにも限定的なアクセス権を付与することでファイル共有サービスとしての利用も可能です。セキュリティレベルについても高く、データセンターはアメリカ国内に3箇所、リアルタイムデータバックアップは別の場所と、DR対策の観点からも充実しています。

また、特徴的な点はストレージ容量が無制限であることです(Starterプランを除く)。バックアップはデータ量による従量課金制が多いですが、boxではデータ使用料を気にすることなくバックアップを取ることができ、全データを保存することが可能です。
料金プランはstarter、Business、BusinessPlus、Enterpriseの4種類で、いずれも最小導入人数が3ユーザーからとなっており、ユーザーあたりの月額課金の料金形態です。¥1,800/人・月からのBusinessプランが基本的におすすめで、多くの基本機能と上限なしのストレージが利用できます。


料金:¥550/人・月~
最小導入人数:3ユーザー~
ストレージ容量:100GB~

AOSBOX 

AOSBOXは日本のAOSデータ株式会社の提供するサービスです。Canon、DELL、NEC、mouse等の企業に利用されています。基本プランとなるAOSBOX Businessは2種類の料金プランが設定されており、ファイルの共同編集や作業に向いた通常ストレージプランと、普段は利用しないデータの保存・バックアップに向いた割安なコールドストレージプランが存在します(いずれも保存データ容量による従量課金制)。
データ暗号化のレベルは非常に高く、PCマシン上、データ転送時、サーバー上の3重の暗号化やAmazonS3サーバー保存により信頼性の高いデータ保護が行われます。

AIによるサポートを含めた上位プランAOSBOX AI+も存在しますが、Businessプランでも基本的な機能は充実しています。そのため、バックアップ機能を中心に用いる場合は、Businessプランのうち一番安いコールドストレージプラン(¥5,833/月、1TB、ユーザー100人まで)がおすすめです。ファイル共有等にも用いる場合、一番安い通常ストレージプラン(¥1,666/月、100GB、ユーザー10人まで)が人気商品となっています。


料金:¥1,666/月~
最小導入人数:1ユーザー~
ストレージ容量:100GB~

Acronis Cyber Backup 

Acronis Cyber Backup はスイスのAcronis International社が提供するサービスです。Marquardt、ディーネット、TOKAIコミュニケーションズ、Johnson Electric、Ready Honda等外資系・外国企業を中心に利用されています。日本国内では販売パートナー企業を通じた契約と、Acronis International社公式HPを通じての契約があり、料金プランも異なります。販売パートナーを通じた契約では価格設定が多種多様になるため、ここではAcronis International社の提供するプランを紹介します。

基本的にサービスプランはStandardとAdvancedの2種類があり、それぞれに料金形態の異なるプランを複数展開しています。各種料金プランはマシンやサーバー1台ごとの契約になるため、データ容量に関しては制限がない点も強みです。
Standardプランはサポート機能が制限されますが、そのうちのWorkstation料金プランは¥7,500/台・年(物理マシン又は仮想マシン台数)であり、1ヶ月分の料金では¥625/台・月と非常に安価です。高度な機能を備えたAdvancedにおいても¥10,500/台・年(物理マシン又は仮想マシン台数)であり1月あたり¥1,000を切っています。

また、複数年の一括契約で更に割引されるため、コストパフォーマンスに優れています。保存したいデータの所在により、仮想ホスト、サーバー、Office365アカウントなど、それぞれ個別に契約可能で不必要な契約をせずに済むこともおすすめできるポイントです。


料金:¥625~/台(物理マシン又は仮想マシン台数)・月
最小導入台数:1台~(他料金プランによっては5ユーザーからの場合もあり)
ストレージ容量:上限なし

BackStore

BackStoreは日本のねこじゃらし社が提供するサービスです。ドン・キホーテ、ADKアーツ、ポケモン、北日本石油、風讃社等国内1,700社に利用されています。プランはサーバーのバックアップPhenix、エンドポイントのバックアップinSync、小容量バックアップの3プランが展開されています。またそれぞれに料金プランが3、4、11種類存在します。

特徴としては、法律・セキュリティ関連に対し強みを持ち、盗難紛失・情報漏洩、訴訟等に対応している機能が多い点が挙げられます。サーバーのバックアッププランは、保存可能な過去世代データの制限がないために重要なデータの更新履歴を全て保存できます。エンドポイントのバックアッププランの上位料金プランでは、個別デバイスが一定期間オフラインである場合にデータを削除する機能や、米国民事訴訟における電子データ開示e-Discoveryに対応し、自動コンプライアンス監視機能等も完備しています。

サーバーのバックアッププランは最安プランBusinessが¥52,000~/月と、3プラン総合的には高い価格帯にまとまっていますが、Businessプランも基本機能は十分あり、検討可能です。
エンドポイントのバックアッププランは4プランあり¥1,000/月から最上位プランが¥2,400/月~(それぞれストレージ容量50GB/ユーザー)となっています。一人当たりとしては比較的リーズナブルですが、最小導入人数が25ユーザー以上と決まっています。そのため、少人数で利用する場合は小容量バックアッププランを利用することになります。

小容量バックアッププランは共有の容量・アカウント数両方の従量課金制となっており、最小容量は10GBから、最小導入台数は4台から、以降4アカウントごとに¥1,000/月加算されます。容量は10/20/50/100/200/500GB、1/2/4/6/8TBの11種類プランがあります。重複排除機能が実装されているクラウドストレージプランとしてはコストパフォーマンスに優れています。


エンドポイントのバックアッププラン
料金:¥1,000~/月・人
最小導入台数:25台~
ストレージ容量:50GB/ユーザー

小容量バックアッププラン
料金:¥2,900~/月
最小導入台数:4台~
ストレージ容量:10GB/ユーザー

Rubrik

RubrikはアメリカRubrik社の提供するサービスです。Kern Medical Center、High5Games、成城大学、,assured dp、OnCloud、GROVEBANK&TRUST、MALL OF AMERICA等国外の公的機関・企業を中心に利用されています。日本国内では販売パートナーを通じて利用可能です。

他サービスと比較して、オンプレミス・クラウドのハイブリッドでデータを保持する点が特徴的です。分散ファイルシステムで単一障害点を排除しています。
増分バックアップや重複排除などの機能は明らかになっていますが、日本語での販売パートナーによる紹介説明が不十分で、機能やその機構が分かりにくく実際のスペックも不明瞭な点が多いです。そのため興味がある方は直接お問い合わせすることをおすすめします。


料金:お問い合わせ下さい。
最小導入台数:お問い合わせ下さい。
ストレージ容量:お問い合わせ下さい。

RapidRecovery

RapidRecoveryはアメリカデル・ソフトウェア株式会社の子会社となったQuest Software社の提供するサービスです。導入企業については掲載がありませんが、ゴールデンブリッジアワーズ2018最優秀賞、ITワールドアワーズ2018金賞等、世界的に多くの高い評価を得ています。

基本的なクラウドバックアップサービスにおける機能は充実しており、重複排除やデータ圧縮、自動できめ細かなリカバリポイントの作成が行われます。オラクルやシェアポイント、SQLサーバーやExchange等のアプリケーションもサポート対象となっています。暗号化レベルも一般データ保護規則GDPR準拠です。
料金プランは非公開になっているため、こちらも直接のお問い合わせが必要になります。


料金:オープン価格
最小導入台数:お問い合わせ下さい。
ストレージ容量:お問い合わせ下さい。

USEN クラウドバックアップ

USEN クラウドバックアップは日本のUSEN ICT Solutions社が提供するサービスで、導入企業は大成建設、ATEAM、上智大学、中京テレビ、東京中央建物、JTBビジネスネットワーク、ニッポンレンタカー等多くの日本企業で利用されています。

サービスプランは1種類で、容量により11種類の料金コースに分かれています。 自動バックアップやファイル重複排除機能、過去世代データの無制限な保存も、最安10GBコースから全機能を利用可能です。機能に関して、その他バックアップの方式を増分バックアップまたは差分バックアップから選択可能な点や、バックグラウンド処理時のPCパフォーマンスを下げないためにCPU占有率及び通信速度の調整機能がある点も優れています。

またコストパフォーマンスの面ではPCの利用台数が無制限であり、容量のみの従量課金制ですので、バックアップしたいデータの総容量が少なく、社員数が多い場合には最適な選択肢となり得ます。
金額は10GBで¥2,900/月、20GBで¥3,800/月、それ以上は50・100・200・500GB、1・2・4・6・8TBとあり、初期費用には1ヶ月分の利用料金と同額が掛かります。最低利用期間が1年間と定まっているため、使用感は2週間程度の無料トライアル期間に確かめることをおすすめします。


料金:¥2,900~/月
最小導入台数:1~(台数は最小・最大共に無制限)
ストレージ容量:10GB~

SWANBackup

SWANBackupは日本のモザイク社が提供するサービスです。Mozy社のオンラインバックアップをベースとしたサービスで、Mozy社のサービスは世界的に導入数ナンバーワン実績があり、信頼のあるサービスです。SWANBackup以外にも同様の自動バックアップやデータ暗号化、ブラウザからの復元・モバイル端末対応、アクセス権限管理など基本的な機能を備えた比較的シンプルなサービスです。データセンターは欧米各地にあるため日本での利用においてDR対策になっています。

導入PCの台数は無制限で、容量のみの従量課金制、10GB分の価格が¥2,400/月となっています。大容量での契約をはじめとして、費用に関しては割引等が考えられますので、相談・お問い合わせが必要です。


料金:¥2,400~/月
最小導入台数:1~(台数は最小・最大共に無制限)
ストレージ容量:10GB~

まとめ

最新のクラウドバックアップサービスはセキュリティレベルが向上しており、暗号化・アクセス管理が充実、企業の「秘匿すべきだが共有・アクセスしたい」データも安心して保存することが可能になりました。コストにおいても、従来のハードウェアを用いたバックアップに比べ高価ではなく、ネットワーク環境さえあれば常に、誰でも自動でバックアップ可能な点からも機能が十分に発揮される可能性が高いのでコストパフォーマンスにも優れていると言えます。
自社の規模感や保存するデータ容量、必要な機能等を照らし合わせ、本記事がコストを抑えたバックアップ利用の一助となれば幸いです。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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