事例

インバウンドを引き込もう!観光とAR/VR組み合わせの重要性とは

2020年03月22日

ARVRインバウンド

日本の経済発展に、観光業界は重要な役割を果たしています。
そして最近観光業界では、「AR(Argument Reality)」や「VR(Vertial Reality)」を活用したインバウンド引き込みが進んでいます。

従来ARやVRはゲーム業界で活用されてきた技術ですが、汎用性の高さから最近ではさまざまなビジネスジャンルで導入されるようになってきました。特に観光業界とAR/VRの組み合わせは相性がよく、将来的にも多くの外国人訪日客を呼び込むきっかけになるでしょう。

今回はAR/VRをより深く知りたい方向けにインバウンドの現状や観光とAR/VRの相性がよい理由、そして実際の活用事例などを詳しく解説していきます。

インバウンドの動向

日本に訪れるインバウンドの数は、年々増加中です。
国土交通省が管轄している「JNTO(日本政府観光局)」のデータによると、たとえば

・2018年度のインバウンド総数:約3,100万人
・2019年度のインバウンド総数:約3,200万人(11、12月は推定数)

と1年間で3%の増加が見られます(インバウンド総数は四捨五入しています)。

※参考:訪日外客数(2019 年 12 月および年間推計値)

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/200117_monthly.pdf

有力な韓国のインバウンド市場は盛り下がっていますが、タイやシンガポール、マレーシアなど韓国以外の東アジア各国からのインバウンドは増えており総合的に市場は盛り上がっています。
特に観光業界はインバウンドをもてなす立場として、インバウンドに対応したコンテンツを用意して満足度の高い観光を提供する必要がありそうです。

観光とAR/VRの相性が良い理由

ここからは、観光とAR/VRの相性がよい理由などを説明していきます。

ARとは

ARとは、直訳すると「拡張現実」となります。現実世界にコンピューターで処理した映像を組み合わせることで、情報を追加する技術です。

VRよりも比較的早く私たちの生活に浸透し始めており、すでにさまざまなARサービスが登場しています。

ARは例として

・現実世界にゲームキャラクターを表示し、指示を出して戦わせる
・家具を疑似的に自宅へ設置し、購入検討を行う
・建設の監督者が、遠隔で建設現場の作業などを確認する
・洪水の立体映像を自宅に重ね合わせ、実際に災害が起きたらどうなるかを疑似体験して被害に備える
・目的地へ行く際、そのルートや距離などを実際の道に表示してサポートを行う

などの用途で活用されています。

VRとは

VRは、「仮想現実」と訳されます。人間の目の前にコンピューターで作り出したその場には実際存在しない映像を投影し、あたかも現実世界のように錯覚させて没入感を出す技術です。
VRの精度は近年急激に向上しており、一般人向けにコストを抑えたハードウェアが市場に投入されるといった要因なども絡み広まりを見せています。2016年は「VR元年」と呼ばれ、さまざまなVRハードウェアやソフトウェアが登場して話題をさらいました。

VRは主に、

・仮想現実のゲーム空間を作り出し、その世界のキャラクターになりきってプレイを行う
・賃貸の映像を360度映像として提供し、実際に現地に行かなくても内観などを疑似確認できるようにする
・車体デザインを空中に投影し、その場で立体的に確かめながらモックアップ(車体の原型)を製造する
・店舗に置いてある家具などの製品を疑似的に見て確かめる
・研修スタッフ用のVRコンテンツを用意し、実際の接客に近い訓練を可能にする

といった用途で活用されています。

なぜ観光とAR/VRの相性がよいのか

観光とAR/VRの相性がよい理由として、次のような要因が挙げられます。

・立ち入れない観光スポットをARやVRで投影すれば、満足できる観光体験が可能
・宿泊施設の映像を事前にVRで確かめられることで、ミスマッチを防げる
・国外でもVRで迫力のある疑似観光体験が可能、旅行への欲求を高められる
・観光地で翻訳情報をAR補足したりして、理解を深めてもらえる

ARやVRを使うと、立体映像によりその場にない物をリアルに体感できます。そして相手に実際に現場へ来てもらうことが目的となる観光業界では、訴求力の強い映像を投影できるARやVRと相性が高いのがお分かりいただけると思います。

前述のような相性のよさから、すでにさまざまな観光とAR/VR組み合わせの事例が公開されています。
そこでここからは、観光における実際のAR/VR活用事例をピックアップしてご紹介していきます。

AR活用事例

ここでは、ARの活用事例を3つご紹介していきます。

沖縄のモノなび沖縄AR

日本の中でも独特の観光が楽しめる沖縄県では、「沖縄県都市計画・モノレール課」が「モノなび沖縄AR」というARアプリを提供しています。同課が提供している、「モノなび沖縄」と組み合わせて使うのが前提のアプリです。

モノなび沖縄の対応箇所にアプリをかざすと、

・車窓からの風景を動画で疑似体験
・現在地から目的の施設へ行くルートを表示

などのAR機能で情報を補足してくれます。
ガイドブックで説明ができない部分を、ARアプリで補っているのが特徴となります。

またこの観光アプリは

・英語
・中国語
・韓国語

などにも対応しており、インバウンドも安心して使える仕様になっているのもポイントです。

青森のスマートグラスガイドツアー

青森県弘前市にある「一般財団法人弘前市みどりの協会」では、ARを活用した「スマートグラスガイドツアー」を開催しています。
このツアーではスマートグラスを活用することで、桜の開花など時期が限定される景観もその場で疑似的に再現できます。
多言語でコンテンツを同時配信可能なので、ツアー参加者が多国籍でもしっかり対応できるのも強みになっています。

日本ならではの四季折々の自然風景を楽しみたい外国人観光客は多いですが、そのときの環境などでリアルタイムに望み通りの景観を見られない場合もあります。
スマートグラスで情報を補完すれば、疑似的ではありますがリアルに近い四季体験ができるので満足度が上がります。

同協会では収益を出すために集客数を増やしたりと、ツアーのさらなる規模拡大を狙っています。

北海道のAR誘導アピール

旅行業大手「株式会社JTB」は、「MR(VRとARを組み合わせた)」サービスなどを提供する「株式会社ポケット・クエリーズ」と合同でARを使った実証実験を行っています。

この実験では北海道むかわ町へインバウンドを誘導するため、新千歳空港の特設コーナーにヘッドマウントディスプレイを用意しました。
そしてヘッドマウントディスプレイを身につけると、目の前に地元で発見されたむかわ竜がアニメーションで出現するというダイナミックな体験が可能でした。

恐竜は絶滅種であり、実際に遭遇することはできません。しかしARを活用すれば本来存在しない生物を旅行者の眼前に投影し、客引きへとつなげられます。

VR活用事例

ここでは、VRの活用事例を3つご紹介していきます。

北海道のVR観光体験-北海道美唄市-アプリ

北海道の「美唄市経済部商工観光課」は、外部アプリ制作企業などと連携して「VR観光体験-北海道美唄市-」という観光アプリを提供しています。

このアプリでは

・東明公園
・宮島沼
・炭鉱メモリアル森林公園

など、美唄市の観光スポットをVRで追体験できます。

端末の動きを感知するのが特徴で、

・メニューを選択
・傾けた方向にある景色を眺める
・ひとつ前の画面へバックする

など端末を物理的に動かしていろいろな操作が可能です。

VRでは、どれだけ本物に近い体験ができるかが勝負となります。
この観光アプリでは端末の傾きを検知することで風景も変化するので、没入感が高くなるように工夫されています。

東京のVR忍者道場

VRサービスを提供する「株式会社Five for」は、東京都千代田区に「VR忍者道場」をオープンしています。

この忍者道場は基本インバウンド向けというのが面白いところで、

・忍者の訓練
・忍者の免許皆伝試験
・記念撮影

など、日本の忍者文化をVRで体験できます。

上手くリアルとバーチャルを融合させて、インバウンドの取り込みに成功しているのがポイントです。

忍者というのはどちらかというとファンタジーな存在で、特に忍法は実際に目の前で実演しようとするのは無理があります。
VR忍者道場ではVRを駆使して安全に手裏剣などを使った戦いが楽しめますし、忍法も迫力のある映像で再現可能です。

JNTO

冒頭でもご紹介したJNTOも、VRを活用して外国人への日本アピールを行っています。
「東京タワー」など、日本各地の観光スポットを360度の立体映像で楽しめる動画を「Youtube」で多数投稿しています。投稿には観光スポットだけでなく、歌舞伎など日本の伝統芸能も含まれているのがポイントです。

日本に来訪しないと体験できないことをVR視聴できるようになれば、それだけ「実際にこの土地に行ってみたい、文化に触れてみたい」という欲求を刺激することが可能です。
JNTOの施策は大成功し、約600万回再生されている動画もあるなど再生回数も大幅に伸びました。
ちなみにJNTOではSNSと絡めてVR動画の興味深かった部分を投稿してもらうキャンペーンを開催したりと、VRをさらに広められるような施策も積極的に行っています。

まとめ

今回はインバウンドの動向やAR/VRが観光と相性がよい理由、そしてAR/VRの観光分野での活用事例などをご紹介してきました。
ARやVRは、昔よりも私たちの生活に身近になりつつあります。その中で観光業界でもARやVRを使ってインバウンドにアピールを行い、効率的な集客へつなげようと必死です。5Gなど他ITの発達に伴い、ARやVRはさらに盛り上がるでしょう。
どんなAR/VRを使った観光向けサービスが今後登場するか、ぜひこれからもアンテナを張って確認していきたいものです。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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