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eKYCとは?本人確認をオンラインで完了する方法やメリット、eKYCサービス8選紹介

2021年08月17日

eKYC認証

eKYC(イー・ケイ・ワイ・シー)とはオンラインで本人確認を完了させることです。本人確認書類を郵送したり対面で提示する必要がなく、アプリやWebブラウザ上で完結できるため、迅速かつ効率的に本人確認できます。eKYCによって本人確認義務のある口座開設やサービスの新規利用開始などがスムーズになり、ユーザーも事業者にもメリットとなるソリューションです。

この記事ではeKYCの方法やeKYCサービスのメリット、おすすめのeKYCサービス8選をご紹介します。

eKYCとはオンラインで完結できる本人確認

eKYC(イー・ケイ・ワイ・シー)とは「electronic Know Your Customer」の略で、オンラインで完結できる本人確認のことです。
KYC(Know Your Customer)とは、もともとは金融機関がその取引相手が適格か、犯罪等を行っていないかなどを確認するために、取引相手の身元を確認することです。
2008年に「犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯罪収益移転防止法」)」が制定され、特定の事業者や公的機関での書類発行の際には、法律にもとづいた方法での本人確認が必要となりました。
従来は書類の郵送や対面での提示が必要だった本人確認を全てオンライン上で行うのがeKYCです

参考)犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令(平成二十年政令第二十号)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=420CO0000000020

本人確認とは

本人確認とは、口座開設など取引しようとする人が本人であることを特定・確認することです。銀行口座の開設やアプリのアカウント作成、不動産取引などにあたり、顧客が免許証など本人が確認できる書類を提示、事業者はその書類が提示された本人のものであることを確認します。

公的機関で発行された氏名や生年月日、住所などが記載された書類を郵送したり、届け出た住所で本人限定の郵送書類を受け取るといった方法もあります。2016年の法改正で厳格化され、本人確認には顔写真付きの書類が求められるようになり、「顔写真のない書類」の場合には複数の書類の確認が義務付けられています。

事業者側にとっての本人確認の手続きは、「犯罪収益移転防止法」にもとづく方法で本人であることを確認、記録の作成・保存をすることです。本人確認が義務付けられている特定事業者とは、各種の金融機関のほか、ファイナンスリース事業者、クレジットカード事業者、宅地建物取引業者、宝石・貴金属等取扱事業者(古物商含む)、郵便物受取サービス業者、電話受付代行業者、電話転送サービス事業者とされています(2020年10月1日時点)※。

※犯罪収益移転防止法の概要(令和2年10月1日時点)|警察庁
https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/data/hougaiyou20201001.pdf

eKYCが注目される背景

政府の金融デジタル化戦略にの取り組みの一環として、2018年の「犯罪収益移転防止法」改正で本人確認の完了をすることが認められるようになりました。

また、2020年9月には電子決済サービスの不正なオンライン口座開設による被害や、証券口座から不正口座への送金被害などもあり、オンラインで確実に本人確認を行う手段として、eKYCソリューションの活用が注目されています

参考)
東京新聞|2020年9月13日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/55243
日経クロステック/日経コンピュータ|2020年9月24日
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04627/

法的に認められているeKYCの方法

「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の2018年の改正で、「オンラインで完結する自然人の本人特定事項の確認方法」として以下の4つの方法が認められています。

  1. 「本人確認書類の画像」と「本人の容貌の画像」の送信
  2. 「本人確認書類のICチップ情報」と「本人の容貌の画像」の送信
  3. 「本人確認書類の画像もしくは本人確認書類のICチップ情報」の送信と事業者による「銀行などへの顧客情報の照会」
  4. 「本人確認書類の画像もしくは本人確認書類のICチップ情報」と「事業者による顧客名義口座への少額振り込みと、そのインターネットバンキング記録の画像」の送信


それぞれの方法を説明します。

「本人確認書類の画像」と「本人の容貌の画像」の送信

顧客(ユーザー)に、スマートフォンのアプリなどで写真付き本人確認書類と、本人の画像を撮影し、送信してもらう方法です。本人画像は動画も認められます。
写真付きの本人確認書類とは、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどです。顔写真や文字が判読できることはもちろん、書類そのものの真正性の確認として厚みなどの特徴がわかるものである必要があります。
4つの方法の中では、比較的簡単で最も多く使われている方法です。

「本人確認書類のICチップ情報」と「本人の容貌の画像」の送信

顧客(ユーザー)に、顔写真付きの本人確認書類のICチップ情報と、本人の画像を送信してもらう方法です。運転免許証やマイナンバーカードに埋め込まれたICチップの情報を、フェリカやNFC(近距離無線通信)で読み取ります。本人画像は動画も認められます。
ICチップ情報の取り扱いに慣れていない人には、利用しにくいかもしれません。

「本人確認書類の画像もしくは本人確認書類のICチップ情報」の送信と事業者による「銀行などへの顧客情報の照会」

顧客(ユーザー)に本人確認書類の画像または本人確認書類のICチップ情報を送信してもらうこと、さらに、事業者から銀行やクレジットカード会社に顧客が本人であることを特定できる事項を確認する方法です。
クレジットカードのIDや暗証番号など本人特定情報を照会し、カードの所有者であることを確認する、またはカード会社によって本人確認済であることを確認します。

「本人確認書類の画像もしくは本人確認書類のICチップ情報」と「事業者による顧客名義口座への少額振り込みと、そのインターネットバンキング記録の画像」の送信

顧客(ユーザー)に本人確認書類の画像または本人確認書類のICチップ情報を送信してもらうこと、さらに、事業者から顧客の預貯金口座に少額を振り込み、顧客からその振込を特定できる情報(通帳の写し など)の画像を送信してもらう方法です。

参考)犯罪収益移転防止法おけるオンラインで完結可能な本人確認方法の概要|金融庁
https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/kakunin-qa/2.pdf

eKYCサービスとは

eKYCサービスとは、オンラインで本人確認を行うためのソリューションサービスです。

eKYCサービスを導入するメリット

eKYCサービスを導入することで顧客の利便性が高まり、申し込み時の離脱防止や本人確認作業の効率化を実現することができます。

顧客の利便性が高まる

口座開設時やサービス申し込み時にその場で本人確認が完了するため、顧客は申し込み次第すぐに利用することができるようになります。従来は郵送などを利用して手間がかかっていた手続きをオンラインで行うことで、顧客の利便性は高まります。

申し込み後の離脱防止

従来の郵送による本人確認方法は、送付資料を準備して郵送手続きを行ってと顧客側の負担がありました。申し込み手続きを行おうと思っても、本人確認の手続きが面倒で申し込みをやめてしまったというケースもあるでしょう。また、本人確認書類に不備がある場合は再度送付が必要となり、それによって申し込みを断念してしまう可能性もありました。
eKYCサービスを利用することで、申し込み時の離脱を防ぐことができます。

本人確認作業の効率化

eKYCサービスの導入により、顧客側、サービス提供側のいずれも本人確認作業を効率化させることができます。サービス提供側のメリットは、本人確認書類の顔写真の照合や正確性の判定をeKYCサービスを通して行うことで、目視で紙の書類を確認する作業を大幅に効率化できる点です。顧客側のメリットは、本人確認書類を送付するための準備にかかる時間や、郵送費などコスト面が挙げられます。

eKYCサービス8選

おすすめのeKYCサービス8選をご紹介します。

Digital KYC(日本電気株式会社)

Digital KYC_日本電気株式会社

【Digital KYCの料金】
お問い合わせください
【Digital KYCの特徴】
スマートフォンなどのカメラを利用してオンラインで本人確認を行うサービスです。精度の高い顔認証エンジンを搭載し、セキュアで信頼度の高いサービスを提供します。ライブネス判定によって事前に撮影された静止画ではないことを確認し、なりすましなどの不正利用を防止します。先進AI技術を活用したOCR処理や本人確認書類の表面・裏面を判定する機能で、対象書類の判定を行います。

ProTech ID Cheker(株式会社ショーケース)

ProTech ID Cheker(株式会社ショーケース)

【ProTech ID Chekerの料金】
お問い合わせください
【ProTech ID Chekerの特徴】
アプリのインストールは不要で、Webブラウザだけで本人確認を行うことができるので、スマートフォンとインターネット環境さえあれば利用が可能です。本人確認書類を用意したら画面の指示に従うだけで、ユーザーは簡単に手続きを行うことができます。わかりやすく使いやすい流れを意識したユーザーテストが行われているため、作業に迷うことはありません。

Polarify eKYC(株式会社ポラリファイ)

Polarify eKYC(株式会社ポラリファイ)

【Polarify eKYCの料金】
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【Polarify eKYCの特徴】
世界高水準のアルゴリズムを使い、政府機関や金融機関への導入実績もあるeKYCサービスです。画面デザインや手続き方法はカスタマイズが可能で、OCRやBPOなど多彩な外部サービスとの連携ができます。スマートフォンのアプリとブラウザの2つのチャネルに対応しているため、ユーザーの利便性が高いです。情報の暗号化や攻撃監視など、高いセキュリティ対策が行われています。

LINE eKYC

LINE eKYC_LINE株式会社

【LINE eKYCの料金】
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【LINE eKYCの特徴】
LINE CLOVAのAI技術であるCLOVA OCR(文字認識)とCLOVA Face(顔認識)を組み合わせたオンライン上の本人確認ソリューションです。精度の高い判定と高いセキュリティ性で、金融機関における本人確認にも対応しています。LINEにワンプラットフォーム化されているため、LINE上で手軽に操作できる利便性があります。APIによる機能追加や軽量なSDKにより、カスタマイズが簡単です。

ネクスウェイ本人確認サービス(株式会社ネクスウェイ)

ネクスウェイ本人確認サービス(株式会社ネクスウェイ)

【ネクスウェイ本人確認サービスの料金】
お問い合わせください
【ネクスウェイ本人確認サービスの特徴】
スマートなUI/UXで、ユーザーに負担をかけないオンライン本人確認サービスです。ブラウザ版とアプリ版の2つがあり、カスタマイズが柔軟です。世界最高水準の生体認証技術とセキュリティで安心して利用できます。オプションサービスで、eKYC後の本人確認書類の目視確認や突合チェックのアウトソーシング、また転送不要郵便での本人確認のアウトソーシングが可能です。

Deep Percept for eKYC(Deep Percept株式会社)

Deep Percept for eKYC(Deep Percept株式会社)

【Deep Percept for eKYCの料金】
お問い合わせください
【Deep Percept for eKYCの特徴】
専用アプリのインストールが不要で、Webブラウザで利用ができるeKYCサービスです。AI-OCRで文字を読み取り、真贋判定機能による本人確認書類の自動チェック、リアルタイムな画像不備のチェックが可能です。撮影画像などの個人情報を保存しないため、セキュアな運用ができます。周辺システムとの接続やデータ連携方式は、要望に合わせて柔軟にカスタマイズできます。

GMO顔認証eKYC(GMOグローバルサイン株式会社)

GMO顔認証eKYC(GMOグローバルサイン株式会社)

【GMO顔認証eKYCの料金】
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【GMO顔認証eKYCの特徴】
AIで本人確認書類の基準を満たしているかを確認し、実在する人物による申請であるかを検知し、判定情報を送信します。プランが複数あるので、必要に応じた機能を利用することができます。APIの連携を利用し、既存で運用中のサービスに組み込みを行うことも可能です。

LIQUID eKYC(株式会社Liquid)

LIQUID eKYC(株式会社Liquid)

【LIQUID eKYCの料金】
初期費用 0円〜
月額費用 50円/件〜
【LIQUID eKYCの特徴】
スマートフォンやPCのカメラを利用して、スピーディーでセキュアにオンライン本人確認を提供するツールです。最高水準の顔認証と独自のAI画像処理、特許出願済の真贋判定技術をクラウドで提供します。直感的なUIやAI技術を使ったエラーメッセージなどにより3.0%以下という低い離脱率を実現し、コンバージョン率を高めます。審査は最大24時間365日運用のアウトソーシングが可能です。

まとめ

eKYCサービスの導入により、これまで対面や紙の郵送で行っていた本人確認をオンライン上で、スピーディーに完了させることができます。顧客(ユーザー)にとっては、申し込みにおける作業時間や費用の負担を減らして、使い慣れたスマホで本人確認を完了することができます。事業者側は申し込み時の離脱を防げるほか、本人確認手続きにかかる処理を効率化し情報を適正に取り扱うことが可能となります。ユーザーとサービス提供事業者どちらにとっても利便性を高める活用ができるでしょう。

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この記事を書いた人

QEEE編集部

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