コラム

リバースメンタリングとは?若手の意見から学びを得るメリットを紹介

2021年08月20日

リバースメンタリング

「リバースメンタリング」は、1990年代後半にゼネラル・エレクトリック(GE)が始めた取り組みとして知られており、現在では日本企業でも取り入れられている制度です。あえて目下の社員が指導員として目上の社員を指導するという形をとっているのが特徴であり、コミュニケーション活性化にもつながる制度になっています。

今回の記事では従来のメンター制度とは異なるリバースメンタリングがどのようなものなのか、実施のメリットや成功事例なども含めご紹介していきます。社内でのサポートの一環としてリバースメンタリングの導入を検討している方の参考になれば幸いです。

リバースメンタリングとは

リバースメンタリングとは「逆メンター制度」とも言われており、若手社員が上司や先輩社員といった目上の社員に、自分の経験や知識を元に指導を行う制度を指します。

従来のメンター制度では、上司や先輩社員が目下である若手の社員を指導するのが一般的でした。しかし現在ではITがかかわることでビジネスの流動性が激しくなり、トレンドに対して感性のある若手社員の知識やスキルが企業に求められている点がポイントです。

そこでリバースメンタリングによって若手社員とコミュニケーションを取りながら、その知識やスキルを活用しようという取り組みが注目を集めています。

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リバースメンタリングで期待できる効果

リバースメンタリングを導入すると次のような効果を期待できます。

ベテランが知らない知識を若手が伝授する

ベテランの社員は自社での業務のやり方やビジネスマナーといった内容には詳しいですが、インターネットの検索方法やSNSの情報発信のコツなどに詳しいとは限りません。上記のような分野はデジタルツールを使い慣れている若手社員がメンターとなって指導を行うことで効率的に知識やスキルを身に着けられます。
また若手社員から指導を受ける中で、社内コミュニケーションが後押しされるのもポイントです。若手社員というのは目上の人に対して遠慮してしまうケースがあると思うので、リバースメンタリング制度を活用してコミュニケーションを促進させてみましょう。

子育てや介護を行う社員の支援に活用する

社員の中には子育てや介護を行いながら出社をしている人もいると思います。そのような社員がライフスタイルに適した働き方をしながらキャリアを築き上げていくためにも、ベテラン社員が理解できるような仕組みを作っておくことも必要です。
リバースメンタリング制度によって子育てや介護を行っている社員から知っておいてほしい内容を伝えやすい環境を構築すれば、社員の支援としてもリバースメンタリング制度が機能するでしょう。

離職防止に繋がる

リバースメンタリング制度によって発言の機会が増えれば、若手社員のエンゲージメント向上も見込めます。またリバースメンタリング制度によって若手社員が活躍しやすくなれば、実績が認められて昇進できる可能性も高まるでしょう。
結果的にモチベーションが下がり会社から離脱してしまう状況を防げるので、採用コストの削減といった効果も発揮できるのがリバースメンタリング制度の強みです。

リバースメンタリングを実施する際の注意事項

従来の日本社会では、目上の社員が目下の社員に指示を出して業務を行うのが当たり前でした。リバースメンタリング制度を導入する中で目下の社員から指示を受けるのを嫌がる社員が出てくるといった課題に直面するかもしれません。また目下の社員が指導に対して遠慮を感じているようでは、リバースメンタリング制度は機能しなくなってしまいます。
上記のような課題を解決するため、リバースメンタリング制度を導入する前には、まずメンターとメンティー双方が趣旨を理解できるように説明を行った上で、コミュニケーションの仕組みや評価制度などを整備する必要があります。

リバースメンタリングの成功事例

リバースメンタリング制度の成功事例には次のようなものがあります。自社で制度を取り入れる際の参考にしてみましょう。

P&Gの事例

「P&G」は全社で社内メンターの仕組みを長年取り入れてきました。
その中で通常のメンターだけでなくリバースメンタリングも取り入れているのがポイントです。管理職に該当する社員が数ランク下の社員から指導を受けることで、管理職が

  • 目下の社員の気持ちを理解する
  • 子育てといった悩みがある部下への対応を行う
  • 多様な部下に対する理解を深めて育成を行う


といった目的を果たすために利用されています。

参考:仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する先進的取組事例の調査 - 「仕事と生活の調和」推進サイト - 内閣府男女共同参画局|【組織部門 優秀賞】P&G

資生堂の事例

「資生堂」はリバースメンター制度を全社で展開しています。IT部門が社員に教育活動を行うという事例に、社長が興味を持ったのがきっかけで始まりました。

若手社員がITについて指導を行う形をとることで、

  • 役員のITスキルや意識を向上させる
  • 世代や事業領域が違う若手社員とコミュニケーションを行う


といった目的を果たすことに貢献しています。

参考:若手社員が役員にIT指南! リバースメンター制度が資生堂にもたらした変化とは?(前編)|ソリューション|IT製品の事例・解説記事

まとめ

今回はリバースメンタリング制度とは何か、そして期待できる効果や注意点、事例もご紹介してきました。
若い世代はテクノロジーに詳しく、流動性が激しい現代社会に必要な知識やスキルも有しています。リバースメンタリング制度によって管理職といった目上の社員が目下の社員から指導を受けられるようになれば、テクノロジーへの理解を深めながら若手ともコミュニケーションを取りやすくなるでしょう。
ぜひ若手社員といっしょに成長できる組織を作る、という意気込みでリバースメンタリングプログラムの導入を検討してみてください。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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