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ハイブリッドアプリとは?ネイティブアプリやWebアプリとの違いを徹底解説!

2021年06月15日

ハイブリッドアプリ

ハイブリッドアプリとはWebアプリとネイティブアプリ、それぞれのよい機能を組み合わせて作られたアプリです。Webアプリと比較するとデバイス固有の機能へアクセスできるメリットがありますし、ネイティブアプリと比較するとマルチデバイスに展開できるといったメリットがあります。
ハイブリッドアプリが最適な開発方法とは限りませんが、他のアプリ開発手法と比較しながら理解することで、どの開発方法がアプリ開発に最適かを検討しやすくなるでしょう。

今回はWebアプリとネイティブアプリの特徴にも触れながら、ハイブリッドアプリのメリット・デメリットから作成方法、開発事例をご紹介していきます。

ハイブリッドアプリとは

ハイブリッドアプリとは、ブラウザ上で起動するWebアプリと、スマートフォンといったモバイル端末のOSに最適化されたネイティブアプリの中間に位置するアプリです。

ハイブリッドアプリの基本を構成する言語は、Webアプリと同じくHTMLやCSSです。その上でJavaScriptで都度必要なコードを追加することで、デバイスのカメラや位置センサーといった固有の機能へアクセスできるようになるのがポイントです。
またハイブリッドアプリはブラウザ上で起動するWebアプリと違い、「WebView」と呼ばれる端末の読み込み機能を使って起動する点も特徴になっています。

Webアプリとネイティブアプリの特徴

Webアプリとネイティブアプリを比較すると次のようになります。


Webアプリ ネイティブアプリ
長所 ・低コストで開発できる
・OSに依存しない提供が可能
・保守管理に時間が掛からない
・動作をOSに最適化できる
・カメラや位置センサーなどへアクセス可能
・アプリストアで公開可能
短所 ・動作をOSに最適化しにくい
・カメラや位置センサーといった機能にアクセスできない
・アプリストアに公開不可
・開発コストが掛かる
・OSに依存する
・保守管理に時間が掛かる


Webアプリとネイティブアプリには双方にメリットとデメリットがありますが、双方のデメリットを抑えながらメリットを活かせるのがハイブリッドアプリだと言えます。

ハイブリッドアプリのメリット・デメリット

ハイブリッドアプリには次のようなメリットやデメリットがあります。

3つのメリット

ハイブリッドアプリには開発コストや保守管理面などでメリットがあります。

開発コストを抑えられる

まずハイブリッドアプリはHTMLやCSSベースのアプリであり、スマートフォンのAndroidやiOSといったOSに依存せずに起動します。つまり「AndroidならばKotlin、iOSだったらSwiftを使ってばらばらに開発を行う」という開発方法から開放されます。

またHTMLやCSSは習得に掛かるコストが少なく短期間で覚えられるのも特徴です。マルチプラットフォームに対応できるという特徴も加えると、開発コストが抑えられる点がメリットになっています。

ネイティブ機能を活用した自由なアプリ開発が可能

Webアプリと違ってハイブリッドアプリはデバイス固有の機能へアクセスが可能です。たとえば「位置センサーへアクセスしてユーザーの動きを読み取り、アプリ内の座標表示へ活かす」といった使い方ができます。
ハイブリッドアプリはデバイス固有の機能を組み合わせてアプリ開発出来る点がメリットだと言えます。

リリース後、修正作業が迅速に対応できる

仮にAndroidとiOS両方にネイティブアプリを提供している場合は、リリース後の修正作業が面倒ですし時間が掛かります。保守管理の問題からどちらか片方のOSにしかネイティブアプリを提供していないケースがあるのも事実です。
しかしハイブリッドアプリの場合1つのアプリでマルチプラットフォーム対応ができる上、修正の必要性が出てきても1回の作業で問題を解決可能になります。結果的にスムーズな保守管理へとつながりユーザビリティ維持や向上にも効果があるでしょう。

2つのデメリット

ハイブリッドアプリは自由度や動作面でデメリットがあるので注意しましょう。

細かく仕様を調整できない

ハイブリッドアプリでは「フレームワーク」と呼ばれる開発サービスを利用しながらプラグインを使って開発を進めていくのがポイントです。プラグインを組み合わせればプログラミングが苦手な方でもハイブリッドアプリを制作可能ですが、開発の自由度は低いため、ありきたりなアプリができてしまう危険もあります。
ハイブリッドアプリを開発する際は基本的な部分はフレームワークを活用し、自社独自で提供したい部分はSwiftやKotlinといったネイティブコードでプラグインを作成することで、アプリの自由度がより高まります。

ネイティブアプリよりも動作が重い

マルチプラットフォーム対応は動作最適化とは相容れないものだと言えます。つまりハイブリッドアプリはマルチプラットフォーム対応ができる分、OSごとに適した言語を使って動作を最適化できるネイティブアプリよりも重くなる傾向にあります。
そのためゲームアプリのような高速な動作処理が必要なアプリにハイブリッドアプリが向いているとは言えません。ハイブリッドアプリの開発を検討する際は、自社がどのようなジャンルのアプリを提供するかを含めて協議を行ってみましょう。

ハイブリッドアプリの開発方法

ここからはハイブリッドアプリの開発方法をご紹介していきます。

①企画・設計を行う

まずはハイブリッドアプリの基礎となる企画や設計を行っていきます。

  • カート機能、決済機能など基本機能のあるECアプリを開発したい
  • GPSと連動して店舗チェックインができるアプリを用意したい
  • カメラ機能と連動してポップな編集ができるアプリを提供したい


といったように作りたいアプリの種類、そしてどのようなネイティブ機能を利用したいのかといった観点で企画や設計を行ってみてください。

ちなみに既存のWebアプリがあれば、それを改修してハイブリッドアプリに仕上げると開発期間やコストが減ります。

②作成に使用するフレームワークの選定を行う

ハイブリッドアプリを開発するためには開発環境であるフレームワークが必要です。以下のように特徴が異なるので企画・設計に合ったフレームワークを選定してみましょう。

Apache Cordova

Apache Cordovaとは、オープンソースのフレームワークです。 HTML5やCSS3などを組み合わせてクロスプラットフォームなアプリ開発が可能になっています。

  • オフラインでのシナリオ開発ができる
  • 各デバイスのAPIへアクセス可能


といった特徴があり、動作環境があれば公式サイトからインストール用コードをコピーして無料で開発が開始できる点も強みです。

Monaca

Monacaとは、ハイブリッドアプリ開発が可能な国産のフレームワークです。モバイル用アプリだけでなくパソコン用アプリやWebアプリの開発にも対応しています。

登録してからWebブラウザー上で開発を行うクラウドタイプであり、自社で開発環境を構築する必要がありません。

  • スマートフォン実機を使ったデバッグ
  • ローカルでも編集が可能
  • iOSとAndroid各画面をその場で再現可能


といった特徴があります。

また公式から技術検証といった開発支援サービスを受けられる点もメリットです。

Xamarin

Xamarinとは、Microsoft社が提供しているアプリ開発のためのフレームワークです。パソコンにインストールしてから開発を行うタイプです。

.NETを使用してハイブリッドアプリ開発が可能であり、Objective-C、Javaといったさまざまな言語を相互運用できるという特徴を持っています。

ただし操作難易度はMonacaといった比較的シンプルなフレームワークより高いです。開発環境として「Visual Studio」を使用している、といった方におすすめです。

React Native

React NativeはFacebookが開発したオープンソースのフレームワークサービスです。「Instagram」といった大手アプリにも利用されています。

JavaScriptベースでアプリを構築していくのが特徴であり、フロントエンジニアとしてJavaScriptに精通していれば高度なアプリを開発することも可能です。またJavaScriptベースである分更新がスピーディーでありすぐ変更内容を反映できる点も強みになっています。

③アプリ制作を開始する

フレームワークが決まった後は、アプリ制作を開始していきます。

ハイブリッドアプリ開発においても

  • 各担当のディレクション
  • UI設計担当
  • アプリの機能開発担当


といった責任者を決めて作業をするのは重要です。せっかくのハイブリッドアプリのメリットを小さくしないよう、チーム間でスムーズにコミュニケーションを取りながら開発ができる体制を構築しておきましょう。

④ストアリリースを実施

アプリがひとまず完成したらアプリストアへのリリースを実施します。審査が通らないケースもあるので、アプリストアのメッセージを基に変更を行って再審査へ通しましょう。
そしてリリース後はユーザーの声を反映しながら新しい機能の実装や不評な機能の改善、削除などを行っていきます。スピーディーに修正ができるハイブリッドアプリの強みが活かされるはずです。

ハイブリッドアプリの活用例

ここではハイブリッドアプリの活用事例を見ていきましょう。

クックパッド -No.1料理レシピ検索アプリ

料理レシピ投稿サイトとして人気のある「クックパッド」の公式アプリは、ハイブリッドアプリになっています。

  • さまざまなジャンルから簡単に検索できる
  • 無制限にレシピの保存が可能


といった点が特徴です。
クックパッドはアプリリリース前からWebサイトを運営していたので、スムーズにハイブリッドアプリ開発ができる環境が整備されていたと言えるでしょう。

タニタの無料健康管理アプリ

「タニタ食堂」でも有名な「タニタ」では、Monacaを使って「タニタの無料健康管理アプリ」を開発しています。

  • 体重・体脂肪などをグラフにできる
  • 測定結果を判定する
  • Bluetooth機能を使って体組成計と連携が可能


といった点が特徴です。

こちらもクックパッドと同じく「ヘルスプラネット」という下敷きになるWebサイトがあります。

まとめ

今回はハイブリッドアプリの特徴やメリット・デメリット、そして開発方法や事例をご紹介してきました。
ハイブリッドアプリは端末のWebView上で動くHTMLやCSS、そしてJavaScriptといった言語で制作できるアプリです。ネイティブアプリのように端末のカメラやセンサー機能などにアクセスできるだけでなく、低コスト・短期間で開発できるメリットもあります。
ただし自由度が限られるといったデメリットもあるので、フレームワークの選定といった点にも注意して開発を行っていきましょう。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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