経理・財務

管理会計システムの機能とは?おすすめ12選と選び方を解説

2021年08月24日

予算管理ERP原価管理管理会計

管理会計システムは企業内部の業績管理のための会計システムのことで、プロジェクト単位や部門単位、製品単位の予算管理や収益状況をリアルタイムに可視化するものです。手軽に導入できるクラウド型の管理会計システムも増えています。管理会計は、外部向けの財務会計とは異なり、法的な義務ではないため積極的でない企業もありましたが、現在では多くの企業で取り組まれています。
この記事では管理会計とは何か、管理会計システムの基本的な機能や製品を選ぶポイントを解説し、おすすめの管理会計システムを紹介します。

管理会計システムとは

管理会計システムとは、企業内部の業績管理のための会計システムのことです。会社の経営状況をタイムリーに可視化して分析できるシステムで、主に予算管理機能、帳票出力機能、そして分析機能が備わっています。

管理会計とは

管理会計とは、企業内部の意思決定や、業績管理を目的とした会計のことです。

英語では「Management accounting」といい、企業のマネジメント、つまり経営者の経営判断に役立てるための会計です。

管理会計のデータをもとに人材や資本といった経営資源の配分を判断したり、製品や部門への成長戦略や投資を判断することが可能になります。部門やプロジェクトごとの予算や原価管理を行うことで、部門別の業績管理・評価に使われるケースもあります。

財務会計と管理会計の違い

財務会計と管理会計との間には、何を目的としてその会計処理が行われているのかという違いがあります。

財務会計は、株主、債権者、投資家、あるいは国といった外部の利害関係者に対して企業活動の成果を報告することを目的としています。法人税の計算根拠となる資料は、財務会計をもとに作成されます。

それに対して管理会計は、企業内部の意思決定や業績管理を目的としています。そのため、管理会計からできる資料によって、法人税は計算されません。

また、財務会計によって作成・提出する資料は、その形式や内容が決まっていますが、管理会計は経営を管理する人向けに作成されるものであり、その形式や内容に決まりはありません。

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管理会計システムの種類

管理会計システムにはどのような種類があるのかを見ていきます。

ERPタイプ

ERPタイプとは、会社の部門をまたいで必要な情報を統合的に管理するシステムのタイプのことです。各部門の情報を一元化し、互いに情報共有することで業務効率を上げることを狙いとしているシステムとなります。

財務会計ソフトと一体になったタイプ

管理会計システムには、管理会計だけを扱うタイプもあれば、財務会計と管理会計が一体になったタイプもあります。財務会計ソフトと一体化したタイプでは、財務会計で使用する情報をもとに管理会計の処理ができるので、会計業務の効率化につながります。

プロジェクト単位の予算管理や原価管理

管理会計では、プロジェクト単位での予算管理が可能なタイプがあります。原価管理、セグメント管理をすることも可能です。その他、部門ごとの会計や、本支店会計ができるタイプもあります。

管理会計システムの機能

次は、管理会計システムにはどのような機能が備わっているのかを見ていきます。

会計情報の分析、レポート

管理会計システムとしての基本的な機能は、会計情報の分析機能です。プロジェクトごと、本支店ごと、あるいは部門ごとに情報を拾い出してレポートにまとめる機能があるので、経営状況の可視化につなげることができます。

予算管理

企業が目標を達成するために設定するのが予算ですが、管理会計システムでは、予算管理機能や予実帳票の出力機能が備わっています。部門ごと、あるいはプロジェクトごとに予算管理をし、予実帳票によって進捗状況を把握することが可能になります。

シミュレーション

経営管理者にとっては、会計情報から実績を把握・分析するだけでなく、その傾向に基づいて未来予測をし、経営判断を迅速に行うことが必要になります。管理会計システムのなかには、シミュレーション機能を備えたものがあります。このシミュレーション機能が、経営の変化への対応を迅速にサポートしてくれます。

帳票作成、管理

管理会計システムには、帳票作成機能が備わっています。企業ごとに必要な情報、最適なフォーマットは違うのですが、製品によっては、自社の用途に応じたフォーマットを作成することが可能です。

外部システムとの連携

管理会計システムは、外部システムと連携することで、必要な情報をスムーズに取り込み、情報を一元化させることができます。正確な情報の早い収集が、経理業務の負担を軽減します。

レポート

管理会計システムで作成されたレポートが、これまでの実績を分析し、今後の対策を考える上での判断材料を与えてくれます。管理会計システムによるレポートが、より戦略的な経営の後押しをします。

管理会計システムを選ぶ時の注意点

それでは、管理会計システムを選ぶ時の注意点を4点挙げておきます。

自社に合っているか

まず、管理会計システムを選ぶにあたって、どの種類のデータをどのように処理したいのかを見極めておく必要があります。また、会社で必要とする情報に合わせて、帳票設定などが簡単にできるかどうかも、確認しておきましょう。さらに、現状必要としている情報だけではなく、今後必要となりそうな情報についても、データ処理・集計が可能なのかどうかも確認しておくとよいでしょう。

移行のしやすさ

次に、管理会計システムの選定ポイントとしては、その移行のしやすさです。現行で使用しているシステムから管理会計システムへ移行する際に、どれぐらいの手間がかかりそうなのかという点について、導入前に確認しておくことが大切です。

提供タイプ

また、管理会計システムには、提供タイプの違いもあります。管理会計システムがERPタイプなのか、あるいは単独で機能するタイプなのか、といった違いや、クラウド型なのかパッケージ型なのか、あるいはオンプレミス型なのかといった違いもあらかじめ確認しておき、自社の運用に合わせたシステムを選択しましょう。

コスト

管理会計システムを選ぶポイントとして外せないのが、コスト面です。システムの導入タイプがオンプレミス型だと初期費用は大きくなりますし、またクラウド型の場合は買いきりではないので、毎月あるいは毎年一定額を支払っていく必要があります。自社の資金繰りとも照らし合わせて、システム選びをしていきましょう。

管理会計システム12選

ここからは、管理会計システムのおすすめをご紹介します。

クラウドERP freee(フリー)

クラウドERP freee(フリー)はその名の通り、クラウド型でERPタイプの会計システムです。各部門にまたがるデータを一元化して管理することができます。リアルタイムに情報が集まることで、迅速に管理会計を行い、そして経営判断をサポートします。事業ごとに部門分けされていても、freee上でデータを分けることができ、経営者は全体の業績を容易に把握できます。また、データ量が多くなっても動作のスピードを保つように開発されており、操作性に優れています。なお、各種連携も可能です。Salesforceやkintoneなどの業務システムと連携することで、部門同士のコミュニケーションがしやすくなり、また、POSレジと連携することで、各店舗のレジ状況をオンラインで把握することもできます。

【プラン・料金】
お問い合わせください。

【提供会社】
freee株式会社

マネーフォワードクラウド会計

マネーフォワードクラウド会計は、クラウド型でERPタイプのシステムです。

POSレジと連携することで日々の売上データを自動で取得します。これにより、店舗経営を効率化し、管理会計をサポートします。連携可能なPOSレジシステムは、Airレジ、NECモバイルPOS、POS+、Square、STORES.jp、UレジSTORE、スマレジ、ユビレジです。操作が簡単なので、会計初心者の方でも安心して始めることができます。インポート機能を使って、エクセルデータの移行をサポートしてくれる他、他社からの移行をご検討の方でも移行が可能です。

【プラン・料金】
<スモールビジネス>
小規模の法人向けのプランです。まずはバックオフィス業務を効率化したい方向けです。
月額3,980円(税抜)
年額35,760円(税抜)

<ビジネス>
中規模の法人向けのプランです。複雑な会計業務や請求書発行の多い企業向けです。
月額5,980円(税抜)
年額59,760円(税抜)

<エンタープライズ>
大規模の法人向けのプランです。上場企業やIPOをご検討の企業向けです。
料金はお問い合わせください。

【提供会社】
株式会社マネーフォワード

クラウドERP ZAC

クラウドERP ZAC_株式会社オロ

クラウドERP ZACは、案件単位や契約単位、プロジェクト単位で業務進行をする企業に最適なクラウド型のERPシステムです。タイムリーな損益管理ができるだけでなく、見込時点から数か月先の損益を予測することもでき、管理会計の一翼を担います。各部署で行う入力は、同一のシステム・マスタ・フォーマットを利用し共有するので、データが重複で入力されるのを防ぎ、データの一元化を促進します。また、購買管理や販売管理といった基幹業務系モジュールや、工程管理や経営モニタリングなどの情報共有系モジュールについて、モジュール単位での購入利用ができるので、企業の用途に応じて柔軟にカスタマイズすることが可能です。

【プラン・料金】
お問い合わせください。

【提供会社】
株式会社オロ

Oracle NetSuite

Oracle NetSuite_日本オラクル株式会社

Oracle NetSuiteはクラウド型のERPシステムです。財務管理ソリューションにおいては、財務情報だけではなく、受注管理から顧客管理、在庫情報に至るまで、シームレスに統合し、誰もが共通のデータから情報を得られることにします。予算管理ソリューションにおいては、部門ごとの予算管理に対応するだけでなく、承認ワークフローやレポーティングなどの機能を利用することによって、包括的に管理し簡素化します。また、為替計算の自動化と通貨レポーティング機能により複数通貨に対応しているので、グローバルな経営も含めた管理会計をサポートします。

【プラン・料金】
お問い合わせください。

【提供会社】
日本オラクル株式会社

ALL-IN

ALL-IN_株式会社ビジネスバンクグループ

ALL-INはクラウド型のERPシステムです。その名の通り、​顧客管理や営業支援、​人事・給与、会計・販売・仕入・在庫管理・グループウェアといった、経営に必要な​システムがすべて搭載されています。それぞれのシステムは連携し合っているので、一度入力した情報はすべてのシステムへとすぐに反映されます。これにより、データの二重管理といったムダは省かれ、経営状況の把握が容易になります。また、「コックピット」機能においては、経営の現状把握に必要な指標を約50設けており、管理会計の手助けとなります。

【プラン・料金】
お問い合わせください。

【提供会社】
株式会社ビジネスバンクグループ

Sactona(サクトナ)

Sactona(サクトナ)_アウトルックコンサルティング株式会社

Sactona(サクトナ)はクラウド型かオンプレミス型かを選べるERPシステムです。予算編成や予算管理、見込管理、事業計画、予算実績管理といった、経営管理業務全般を支える管理会計システムで、用途に応じて、連結・部門別・製品別・支店別・販売店別・プロジェクト別といった管理が可能です。中長期計画の作成や為替シミュレーション、販売単価シミュレーションといった機能も兼ね備えており、幅広く使用できます。また、Microsoft 製品や技術との親和性が高く、導入しやすい製品となっています。

【プラン・料金】
お問い合わせください。

【提供会社】
アウトルックコンサルティング株式会社

Oracle Cloud EPM Planning

Oracle Cloud EPM Planning_株式会社大塚商会

Oracle Cloud EPM Planning(Oracleクラウド予算管理ソリューション)は、クラウド型のERPシステムです。データ収集・連携をすることで、データの一元化をし、そこから集計処理のみならず、配賦処理も自動で行ってくれます。分析レポートの形式は、Web 形式、Excel 形式、PowerPoint形式、Word形式と幅広いので、提出資料の作成への橋渡しが容易です。経営層に必要な資料から、各部門が作成する資料に至るまで、幅広く対応します。データの収集、数値の積み上げ、計算処理、そして予実管理まで作業を網羅するので、管理会計の作業の効率化と高度化を実現します。

【プラン・料金】
年額3,600,000円~(税別)

【提供会社】
株式会社大塚商会

Reforma PSA(レフォルマ ピーエスエー)

Reforma PSA(レフォルマ ピーエスエー)_株式会社オロ

Reforma PSA(レフォルマ ピーエスエー)は、IT、WEB、広告といったクリエイティブ業界に特化した設計になっているオンプレミス型のERPシステムです。受注前の案件から管理することができ、それによって将来の売上や利益の見込を予測します。案件ごとの原価管理にも対応しているので、クライアント別、セグメント別の損益分析をスムーズに行うことができます。また、無償サポートだけではなく、有償の訪問サポートまで提供されているので、導入に対する不安を解消してくれます。

【プラン・料金】
初期費用は0円です。
月額費用はご利用いただく機能とご利用人数によって変動します。
Reformaの最低ご利用料金は¥30,000 /月 (税抜) です。ご利用ライセンスの合計金額が月額30,000円未満の場合は、月額利用料金は30,000円となります。

<販売機能>
経営者、プロジェクトマネージャー、営業、経理担当者向けの機能です。
一人当たり月額6,000円(税抜)

<購買機能>
購買担当、経理担当者向けの機能です。
一人当たり月額2,000円(税抜)

<勤怠機能>
全社員向けの機能です。
一人当たり月額300円(税抜)

<経費機能>
全社員、経理担当者向けの機能です。
一人当たり月額300円(税抜)

<セキュリティOP>
社外からReforma PSAにアクセスする方向けの機能です。
一人当たり月額300円(税抜)

【提供会社】
株式会社オロ

OPEN21 SIAS 管理会計システム

OPEN21 SIAS 管理会計システム_株式会社ICSパートナーズ

OPEN21 SIAS 管理会計システム(マネジメントアナライザー)は、オンプレミス型の単独タイプです。BI(ビジネス・インテリジェンス)機能を備えており、1つのレポートに対して複数グラフを選択できる他、レポートのヘッダーや行・列、あるいは数値に、各レイヤー(各項目)をドラック&ドロップで配置することができるので、報告資料の作成に柔軟に対応します。この他、既存のExcelファイルへのICSエクセル関数を設定することで、管理会計資料作成を効率化します。

【プラン・料金】
お問い合わせください。

【提供会社】
株式会社ICSパートナーズ

EXPLANNER/Z(エクスプランナー・ゼット)

EXPLANNER/Z(エクスプランナー・ゼット)_NECネクサソリューションズ株式会社

EXPLANNER/Z(エクスプランナー・ゼット)は、クラウド型とオンプレミス型の両方の会計システムを提供しているERPシステムです。自社に応じて、6種類の基本モジュール(販売・会計・債権・債務・生産・原価)を選択することができる他、通貨や言語を選択して利用することもできます。複数画面を同時に表示することができる機能も備えているため、システムを使用する際の業務効率アップに貢献します。財務会計のための計算方式だけでなく、管理会計のために行う予定原価計算や目標原価計算、予算原価計算といった計算方式も有しているので、原価計算を行う会社にとっては特に有益なシステム構成となっています。

【プラン・料金】
お問い合わせください。

【提供会社】
NECネクサソリューションズ株式会社

ProActive(管理会計システム)

ProActive(管理会計システム)_SCSK株式会社

ProActive(管理会計システム)はクラウド型のERPシステムです。さまざまな種類の帳票を作成できるだけでなく、関係会社のデータも一元管理して、それらをまとめて帳票出力することが可能です。帳票以外にも、EXCELやPDF、あるいはCSVファイルとしても出力できます。予算管理においては、予算と実績との対比をセグメント別に管理でき、管理会計の強化をサポートします。また、ワークフロー機能の使用による伝票承認の業務効率化を実現します。データの分散入力も可能です。

【プラン・料金】
お問い合わせください。

【提供会社】
SCSK株式会社

10book

10book_株式会社Tax Technology

10bookは、クラウド型の単独タイプです。原則としてエクセルにて取引を記録してアップロードすることで、仕訳帳や総勘定元帳から決算書類の作成まで行うことができます。ファイル保存機能が搭載されており、契約書や提出した税務申告書をオンライン上に保管することが可能です。また、月次損益のレポートや予実分析のツールがあるので、管理会計の管理システムとして活用できます。この他、株式会社Tax Technology提携の税理士が代理人として税務申告書を税務署等に提出する便利なサービスがあります。 

【プラン・料金】
<フリープラン>
設立当初、自分で経理される方向けのプランです。
無料
※期間無期限で無料にてご利用頂けます。ユーザーも操作権限を分けて自由に追加することが可能です。
※固定資産台帳の作成機能はついておりません。

<スタンダードプラン>
税務申告書の作成を依頼したい方向けのプランです。
※固定資産台帳の作成については10資産まで登録可能です。
月額4,378円(税込)

<アウトソース>
経理業務を外注したい方向けのプランです。
※固定資産台帳の作成については、件数無制限で利用可能です。
月額43,780円(税込)

【提供会社】
株式会社Tax Technology

まとめ

管理会計は、さまざまな角度から会社の業績を分析するのに有用な会計手法です。管理会計で出されるレポートは、現状分析のみならず、将来の方向性を考えるきっかけにもなります。また、経営者や管理職、経理担当者だけが管理会計にかかわるのではなく、そこから得られた情報によって、現場の目標が数値化されるので、会社にいる従業員全体のモチベーションを上げるのにも役立ちます。自社に合った管理会計システムを導入することで、管理会計の情報をより迅速に得ることができ、企業経営のサポートが強化されます。管理会計システムは、経理担当者の入力ツールとしてだけ存在するのではなく、会社全体を強力にバックアップしてくれるシステムなのです。

これからのビジネス変化に柔軟に、そしてスピード感をもって対応するためにも、管理会計システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

QEEE編集部

QEEEは、INTLOOP株式会社が運営するビジネスの総合ポータルサイトです。 多様なコンサルティング実績をもつINTLOOPのノウハウを生かし、あらゆる経営課題・ビジネスの悩みを解決するサービスを提供しています。 QEEEマガジンでは、マーケター・人事・エンジニア・営業などの各職種に向けて、SaaS比較やビジネスコラムなどのコンテンツを各領域のスペシャリストが発信しています。

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