プロジェクトマネジメント

初心者PM必見! QCDとは?プロジェクトを成功へ導く思考法を解説

2021年08月24日

QCD

プロジェクト管理の基本となる概念である「QCD」という言葉をご存知でしょうか。あらゆるビジネスにおいて、プロジェクトの推進にはQCDの考え方が重要です。プロジェクトを管理する方だけでなくプロジェクトに参画するという方も、QCDを基に方針を固めていけるとより明確にプロジェクト推進の道筋が見えてくるでしょう。
そこで今回の記事では初心者のPMの方に向けて、プロジェクト推進に欠かせないQCDの概念を詳しく解説していきます。実際のプロジェクト管理に重要なポイントやQCDの改善方法に関しても広く解説しておりますので、実際のプロジェクト進行にお役立てください。

QCDとは

QCDとは「プロジェクトを進める際、重要となる3つの要素の頭文字を取ったもの」です。

具体的には

  • Quality(品質)
  • Cost(コスト)
  • Delivery(納期)


の3つの頭文字を取ってQCDと呼んでいます。

QCDの考え方は納期通りに品質を確保した製品を納品する必要のある製造業でよく用いられますが、成果物の発生するあらゆる業種に活用できるのもポイントです。

QCDの3つの要素

先ほどお伝えしたように、QCDは下記の3つの要素で成り立っています。

Quality(品質)

成果物に対してはクライアントの希望通りの品質を確保する必要があります。使えないものを大量に生産しても意味はありません。
品質の確保に必要な項目を計画書にまとめ、適切にプロジェクトを進められているかを確認しながら問題点を洗い出していく作業が必要になってきます。プロジェクトの規模が多いほど確認すべき項目は増えていくので注意してください。

Cost(コスト)

プロジェクトを進める際は成果物の品質だけでなくコストも重要です。いくらよい成果物を完成させて納品できるようにしても、生産プロセスにおいて無駄なコストが大量に発生してしまうと元が取れないのでプロジェクトは失敗です。
QCDの観点から品質だけでなく、コストも適切に管理しながら成果物を作成していけるかがポイントです。

Delivery(納期)

品質を確保した上で予想の範囲内でコストを抑えられても、納期通りに成果物を収められなければ信頼性の低下やトラブルなどにつながってしまいます。
プロジェクトの始まりから納品までのプロセスを可視化した上で、どのくらいの期間がプロジェクトに必要なのか可視化していきましょう。具体的には納期管理計画を作成してスケジュールを立てて、プロジェクトが予定通りに進んでいるか定期的に監視を行っていきます。

QCDから生まれた概念

業種に応じてはQCDから派生した概念がプロジェクト管理に利用されるケースもあります。

QCDS

QCDに「S(Security)」つまり「安全」を加えた概念です。
たとえば建設業界ではQCDだけでなく作業中の従業員の安全も確保しておく必要があります。そこでSを加えてQCDSとしてプロジェクトを管理して、安全に作業が進められるように計画を練っていきます。
場合によっては天候といった周囲環境も重要として「Environment(環境)」を加えた「QCDSE」が利用されるケースもあるのがポイントです。

QCDF

現代は製品の売れ行きが不透明であり計画変更を迫られるケースも多くなっています。そこでQCDだけを考えて当初立てた計画通りに生産を行うのでなく、「F(Flexibility)」を加えた「QCDF」で柔軟性を持たせながらプロジェクトを進める観点も重要です。
QCDFは製造業やサービス業などで活用されています。計画に変更が必要な場合、その都度適切にプロジェクトを進められるように調整できるかがポイントです。

QCDを理解するための3つのポイント

QCDを理解するためには、次の3つのポイントを押さえましょう。

ポイント①3つの要素は密接に関わりあっている

QとCとDはトレードオフ、つまり密接に関わりあっています。
たとえばQを重視して品質を向上させようとすると、Cのコストも増える可能性がありますしDの納品についても遅れてしまう危険があります。QCDにおいては3つのバランスを上手く取りながら、満足のゆくプロジェクト推進を行っていけるように準備しておく必要があるでしょう。
ちなみにQが一番重要ですが、CとDそれぞれの重要度はプロジェクトによって変わる可能性もあります。

ポイント②ゴールを明確にすることが大切

QCDにおいてCとDの重要度のバランスを考えるためには、ゴールが明確でないといけません。なにをもって「プロジェクトの成功」とするかを具体的に示しておかないとプロジェクトの進行自体にもずれが生じる可能性があります。

  • 予算
  • 納期
  • 生産現場の能力


などによってCとDのバランスは変化するのでプロジェクトごとに判断しましょう。

ポイント③QCDだけではゴールには辿り着けない

QCDはあくまで概念の一つであり、具体的にどうやってプロジェクトを進めていけばよいかを示しているわけではありません。QCDを指標にプロジェクトを計画してスケジュールを立てていけるかがポイントです。

QCDを基に戦術を落とし込んでいくには、

  • PMBOK
  • QC七つ道具


といったフレームワークが役立ちます。

QCDを活用したプロジェクトマネジメントの方法

ここからはQCDを活用したプロジェクトマネジメントの方法をご紹介していきます。

QCDの管理に大切な5つの視点

QCDの管理には、次の5つの要素が重要となってきます。

スコープ管理

スコープとはビジネスにおいて「対象、範囲」といった意味合いを持ちます。スコープ管理では成果物や目標などを決定して管理できるようにしていきます。

  • 成果物を明確にする成果物スコープ
  • 作業範囲を定めるプロジェクトスコープ


の2種類があるのがポイントです。

スコープ管理によってタスク量が把握できるようになり、プロジェクトにぶれがなくなります。

要員管理

適切にプロジェクトを進めていくには、プロセスごとに必要な人員を配置して作業を進める必要があります。希望するスキルを持っている人材を集めて適性に応じてタスクに振り分けていきます。
要員管理においては、チーム力を維持できるようにコミュニケーションを活発にできる環境を用意するといった工夫も必要です。成果物を作り出すのはチーム全体であり、摩擦が生じるとQCDに悪影響が出るからです。

コミュニケーション管理

コミュニケーション管理では、プロジェクトに関する情報伝達を管理していきます。リアルタイムの正しい情報を利害関係者に正確へ伝えられるかが勝負です。伝えなければならない情報に漏れが出ないように注意することも必要になってきます。

  • 会議の方法
  • 議事録の配布方法
  • コミュニケーションを取るためのツール整備


といった作業もコミュニケーション管理で行っていきます。

リスク管理

プロジェクトを進める上でリスクは必ず発生します。万が一リスクが発生してもプロジェクトに大きな影響を及ぼさないように管理を行う作業も重要です。
リスクにはランクがあるので、重要度に応じて適切な対応ができるように準備しておきましょう。また想定していないリスクが発生してもすぐに対応できるように作業体制を整備しておくことも重要です。

調達管理

成果物を作るためには基となる資源が必要です。調達管理では資源を調達して取引が完了するまでのプロセスを管理していきます。

  • どうやって調達するのか
  • 調達時期はいつになるのか
  • 数量はどれくらい必要か


といった調達に関する項目は、スコープを定義する段階であらかじめ決定しておく必要があります。また契約完了後も納品物の進捗や検収なども管理する必要があるので注意してください。

QCDの改善方法

QCDは次のような方法で改善していきましょう。

問題の状況を把握する

改善を行う前にまずは問題の状況を把握しましょう。論理上でどこに問題があるのかを考えるのではなく、生のデータを基に改善策を練っていけるよう準備しておくのがポイントです。
生のデータは現場のヒアリングで集められます。さまざまな関係者に現在の状況を聞いて、問題点を潰していけるように情報を収集しましょう。

改善案の策定・実施

課題をヒアリングで抽出できたら、次は改善策を策定して実施する作業に移ります。
コストや納期などさまざまな面で問題が出てくるでしょうが、特に中小企業の場合予算の関係もあり全てに対応するのは難しいです。そのため重要度の高い課題から解決を行っていけるよう施策を立てましょう。
また改善策の効果を検証できる指標も設定するのもポイントです。

効果検証・改善

施策を立案したら実際に効果検証を行っていきます。指標を基に効果を計測して成功したか失敗したかを数値で把握していきます。
成功した場合はさらに追加の施策を立てて課題を解決していきましょう。また失敗した場合もなぜ失敗したのか原因を洗い出して、次の施策立案へ活かせるようにフィードバックを行うのが重要です。
効果の検証と改善は何度も実施してプロジェクトの効率性を上げていきましょう。

プロジェクト管理にはツールを上手く活用しよう

QCDを基にプロジェクトを成功させるには、さまざまな要因が絡み合います。プロジェクト管理のツールを導入すると効率よくプロジェクトを進められるでしょう。
プロジェクト管理ツールには「ガントチャートを制作してリアルタイムにプロジェクトの全体像を把握できる」といった、QCD管理に便利な機能が多数搭載されています。ツールを選ぶ際はクラウド型かインストール型か、コストと予算のバランスが取れているかといった点でツール同士を比較してみるとよいでしょう。

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まとめ

今回はQCDの概念やプロジェクト管理で重要なポイント、そしてQCDの改善方法に関しても解説してきました。
どんな業種でもQCDの3つの観点からプロジェクトを管理して成果物を清算していくのが重要です。Qはどんな場合でも一番重要ですが、CとDはプロジェクトによって重要度のバランスが変化する点も忘れないでください。
効率よくQCDを管理したいときはプロジェクト管理ツールを導入して活用していきましょう。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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