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今さら聞けないARPUとは?マネタイズ毎の算出方法や改善方法を徹底解説

2021年01月12日

ARPU

サブスクリプションやフリーミアムといったマネタイズを活用しているビジネスにおいて、重要な指標のひとつに「ARPU」が存在します。「ARPU」はKPIとして設定される機会が多いため、どのように算出されるものか、そしてどのような施策を打つことで改善につながるのかといったことを理解しておく必要があります。
ARPUには「ARPPU」や「ARPA」という派生の指標が存在するため、いっしょに覚えて違いを理解しておきましょう。
今回の記事ではマネタイズごとの算出方法も含め、ARPUについて徹底的に解説していきます。ARPUの改善方法にも触れて行きますので、新米マーケターの方の参考になれば幸いです。

ARPU(Average Revenue Per User)とは

ARPUとは「Average Revenue Per User」の略称です。日本語に訳すと「ユーザー1人あたりの平均売上金額」となり、「アープ」と呼ばれることもあります。
ARPUは通信業界で用いられてきました。しかし現在ではスマホゲームといったような月額課金の具合を重視するコンテンツが増加しており、さまざまな業界で使われている重要な指標になっています。
ARPUによりユーザー1人からどれくらい収入を得られているかが把握可能になり、その後の施策に活かせるようになるのがポイントです。

ARPUはマネタイズを計る指標として重要

ARPUではサービスを使っている全ユーザーを対象に平均の課金額を計算しています。ARPUが低いと課金施策が上手くいっていない状況であり、高いと課金施策が上手くいっていると判断が可能です。
また累計ARPUとして時間を追ってARPUを算出することで、課金成長率が鈍っていないかといった確認もできるようになります。さらに他の指標と組み合わせることで、細かいマネタイズの課題洗い出しができるようになるのもメリットです。

ARPUと混同されやすい指標

ARPUには混同されやすい指標がいくつか存在します。ここでは2つの指標を紹介します。

ARPPU

「Average Revenue Per Paid User」を指す言葉です。
ARPUには課金をまったくしていないユーザーも含まれています。一方ARPPUでは、サービスに課金しているユーザーのみを対象にして計算を行うのが特徴です。
たとえばARPUに対してARPPUの値が大きいと、一部のユーザーが大量に課金を行っている状況になっている可能性が高いです。またARPUとARPPUの差がそこまでない場合は、課金率が高い状態で複数のユーザーがそれなりに課金している状況になっているでしょう。
ARPUとARPPUの乖離具合によって取るべき施策を判断している企業も多いです。

ARPA

「Average Revenue per Account」を指します。
ARPUでは同じユーザーが複数の端末を使っている場合も、端末1台ごとに1ユーザーとみなして計算を行います。ですから実際のユーザー数と乖離が出てしまうのがネックです。
そこで新たに導入され始めているのがARPAです。ARPAでは端末ではなく、端末を使っているアカウントを基に契約者あたりの売上を算出します。これにより複数の端末で1人が同じサービスを利用しているケースでも、精度の高い平均売り上げの計算が可能です。

ARPUを算出してみよう

ARPUは下記の方法で算出が可能です。

ARPU=サービス全体の売上合計÷サービスを利用している全ユーザー

対象とする期間によって計算結果は変化します。
売上の対象となっている項目が複数ある場合は項目ごとに算出する(通信事業の場合は「通話料」と「データ通信量」を分けて算出する)といったように、自社の状況によって計算を工夫できるようにしておくことも重要です。

マネタイズ毎の算出方法

ここからはマネタイズモデルごとにARPUの適切な計算方法を解説していきます。

課金モデル

課金モデルの場合まずARPPUで課金ユーザーの平均課金額を算出しておきます。その上で無課金を含めたユーザー全体を対象にした課金額計算を算出すればOKです。計算式は下記になります。

ARPU=ARPPU×課金率

なお、ARPPUは下記の項目によって変動する点に注意しましょう。

  • 対象期間における課金ユーザーの平均購入額
  • 平均の購入数
  • 購入した回数



インプレッション型広告モデル

広告が表示されるだけで課金が行われるインプレッション型広告をサービスに導入している場合、広告から得られるARPUは下記の計算式で算出可能です。

ARPU=1人あたりの広告表示回数×1回あたりの表示報酬

1回あたりの表示報酬はCPMの金額を1000で割ると算出できます。
「ARPUが思ったより高くない」と感じて広告の表示回数を増やすと、ユーザーに嫌がられる可能性もあるので冷静に施策を検討しましょう。

クリック型・成果型広告モデル

クリック型や成果型といったユーザーの行動によって報酬が支払われる広告を利用している場合は、下記の計算式で算出してみましょう。

ARPU=CPC×CTR

広告単価を上げてCPCを上げたり、クリックされる回数を増加させてCTRを改善したりするとARPUも向上します。広告のターゲティングをしっかり行ってスムーズにARPUを向上できるように工夫を行ってみてください。

ARPUを最大化するためのポイント

ここからはARPUを最大化させるために必要なポイントを解説していきます。どのようなビジネスモデルにも活用できるので参考にしてみてください。

NPS®で現状を把握する

自社のサービスに対してよい評判を広めてくれるユーザーから悪い感情を抱いているユーザーを引いて算出する「NPS」は、「UGC(ユーザーが自発的に発信するコンテンツ)」が増加している今重要な指標になっています。
NPSが高ければ顧客ロイヤリティが高く、反対に低ければロイヤリティが低い状態です。ロイヤリティが低い状態でプロモーションを行っても、リピーターになってくれる人は少ないのでマーケティング効果が薄れてしまいます。
ARPUを上げるためにまずNPSといった指標で現状を把握して顧客ロイヤリティを高めていきましょう。

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アップセル/クロスセルを狙う

顧客ロイヤリティを向上させた後は、利用しているサービスをアップグレードしてもらう「アップセル」や関連のサービスを追加で利用してもらう「クロスセル」などを狙っていきましょう。
アップセルやクロスセルなどを実現するには、サービスを利用している顧客を継続的にフォローして提案のタイミングをうかがうのがポイントです。メールマーケティングで商品の活用方法や関連商品のレコメンドを行うといった手法は、代表的なフォロー方法の一つとなります。

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購入頻度を改善する

たとえば月1回しか購入をしない顧客より、週1回はお買い物を行ってくれる顧客のほうが自社に対する売上貢献度が高いです。このため購入頻度を改善してリピーターを増加させることでARPUを改善していきましょう。

  • 新規の顧客に次回来店時に使えるクーポンを配布する
  • ロイヤリティが高い顧客に限定セールの情報を流す


といった方法で購入頻度は上げられるでしょう。

課金ポイントを改善する

コンテンツに課金してもらうためには、中核となる「コア体験」について自社内でよく理解しておく必要があります。
コア体験とはたとえば

  • ゾンビゲームであれば武器で敵を倒す
  • 経営ゲームであれば経営戦略を立てる
  • RPGであれば仲間集めやパーティーバトル


といった内容を指します。
「見た目が豪華な限定のスキンを有料にする」といったようにコア体験の延長線上に課金ポイントを持って行ってバランス調整を行えば、効率的なARPU向上が可能です。
またコンテンツのヘビーユーザーに対して、課金を行いたくなる要素を複数用意する施策も重要になってきます。課金の動機付けが複数しやすくなればマネタイズ機会も増えるからです。

まとめ

今回はARPUについて徹底的に解説してきました。
ARPUは通信事業者に限らず、課金モデルといったビジネスモデルを導入しているさまざまな企業にとって重要なKPIです。ARPPUやARPAといった他指標と組み合わせれば、さらに細かい売上判断ができるようになるでしょう。
ARPUを増加させるためには顧客ロイヤリティを向上させながら売上を挙げられる施策を打って行くことが必要です。正確にARPUを計測して自社の売上を成長させてみてください。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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