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今さら聞けない!one to one マーケティングの基礎知識から手法・事例まで徹底解説!

2021年08月24日

one to one マーケティング

「one to one マーケティング」とは、一人ひとりのユーザーに合わせて個別のマーケティングを展開する手法です。顧客の属性・嗜好・行動履歴などに合わせたマーケテイングをすることで、従来の一方的なマスマーケティングと比較して顧客に好印象をもたれやすく、より効果的であるといえます。今回は、one to one マーケティングについて、実践手法や成功事例の紹介を併せてご説明します。

one to oneマーケティングとは?

one to oneマーケティングとは冒頭でお話した通りに「一人ひとりのユーザーに合わせて個別のマーケティングを展開する手法」です。one to oneマーケティングに注目が集まり、活用され始めた理由として「大雑把な広告では効果が出にくい時代」を迎えたことが挙げられます。
一昔前であればテレビ、新聞や雑誌による広告だけでブームやトレンドとなり、商品やサービスに直接的な利益となる広告効果を得られました。しかし、昨今ではスマートフォンやタブレット、パソコンの普及によって個人がそれぞれ自分の好みにあった商品やサービスを追い求めることから「不特定多数に向けた広告手法」では効果が薄くなっています。
言い換えれば、不特定多数ではなく、個人一人ひとりに合わせて広告展開をすることが求められる時代であり、実際に売上や利益につながる手法として利用されはじめたのです。

【仕組みと背景】cookie情報の活用

one to oneマーケティングを可能とする仕組みのひとつに「cookie」があります。cookieとはスマートフォンやパソコンのブラウザやアプリに保存されるものであり、ログイン情報や閲覧履歴、またはサイトやアプリで行った動作を蓄積することでユーザーの利便性を高める仕組みです。
cookieを利用することで、ユーザーを区別することが可能となり、同時にユーザーの行動や閲覧履歴を蓄積することで個別の趣味嗜好を把握することができます。
one to oneマーケティングを実現可能なった背景にはcookieを応用的に活用する仕組みが生まれたことも理由の一つと言えるでしょう。

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【メリット】顧客ニーズに合わせた効果的なアプローチが可能

one to oneマーケティングではユーザーの好みや興味関心、すなわち顧客ニーズに合わせたアプローチを可能とします。言い換えればペルソナやターゲットとなる購買層に直接広告を見せられるということです。
具体的なone to oneマーケティング手法として、リターゲティング広告やレコメンデーション、LPO、DMの送付などが挙げられます。どのマーケティング手法においても「ユーザーの情報に基づいた個別のアプローチ」となっていると同時に、それぞれが広告効果の高い手法として注目されているものばかりです。結果としてユーザー目線やユーザー体験的にも「自分に全く関係がない広告」とは認知されにくくなり、いわゆる「不特定多数に見せる広告」との差別化が期待できます。 
また、不特定多数に見せる広告とは異なり、広告に対するネガティブな印象が少なくなるのもメリットであり、ポジティブな印象のまま購入や課金、またはリピーターやファンになってもらうこと可能性も高まります。

one to oneマーケティングの実践手法

次にone to oneマーケティングの実践手法についてご紹介します。

リターゲティング広告

リターゲティング広告とはcookieの情報を元に他のメディアや情報媒体でも自社の広告を見せる手法です。リターゲティング広告はサイトやサービスから離脱したユーザーに対してリマインドのような形で再度広告を表示することで、興味関心を刺激し、再訪問や購買意欲の工場が期待できます。
リターゲティング広告については当サイト内の記事も参考になりますので、ぜひともご覧ください。

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レコメンデーション

レコメンデーションとは顧客のニーズに合わせて同様の商品やサービスをおすすめする仕組みです。レコメンデーションは興味や関心に近い情報を提供することから、特定のページへの誘導に効果があります。

  • ルールベース
  • コンテンツベース
  • 協調フィルタリング
  • ベイジアンネットワーク


レコメンデーションは手動で広告を設定するというより、上記の4つのタイプがあり、条件に合致した広告やコンテンツを自動的におすすめする仕組みです。
レコメンデーションの4つのタイプについて簡単に見ておきましょう。

ルールベース

ルールベースとはページ閲覧履歴やユーザーの行動、または購入した商品やサービスに対して予めルールを定めておくタイプです。過去に購入した人の行動パターンから購入されやすい商品やサービスを提案できるので、同じく購入や課金につながりやすい人にレコメンデーションします。

コンテンツベース

コンテンツベースとは似たような商品やサービス、または関係するコンテンツをおすすめするタイプです。商品やサービスの情報やカテゴリに合わせておすすめが表示されることで、ユーザーの興味関心に近しい情報を提案することができます。

協調フィルタリング

協調フィルタリングとはユーザーの行動や購入履歴を元に他のユーザーが合わせて購入した商品や実際に購入した別の商品をおすすめするタイプです。同じカテゴリに含まれる商品だけでなく、別カテゴリやジャンルの商品も提案できるため、ユーザーとしても買い忘れの防止や視野に入っていなかった商品の発見につながるため、有益な情報として重宝されるタイプとも言えます。

ベイジアンネットワーク

ベイジアンネットワークとは商品やサービス、またはユーザーや他のユーザーなどの情報を組み合わせて分析したデータから因果関係を割り出しておすすめするタイプです。購入する可能性や確率が高いものを提案できることから、直接的に利益や売上につながるレコメンデーションと言えるでしょう。

LPO(ランディングページ最適化)

LPOとはランディングページ最適化を意味します。ランディングページ自体が購買意欲の促進や直接的に利益や売上につなげる仕組みですが、LPOによってより効果的なページやコンテンツを作ることでさらに広告効果を挙げることが期待できます。
one to oneマーケティングにおけるLPOでは、ユーザーのニーズに合わせて最適化された内容のランディングページを出し分けることで、より効果を高めています。
実際に今までのランディングページでは「不特定多数に向けた広告」と変わらない部分があるという点は否めません。しかし、one to oneマーケティングとLPOを組み合わせて作られたランディングページによって「ユーザーのニーズに合わせたランディングページの配信」が可能になります。
個別のランディングページの作成は手間は掛かるにせよ、元々、訴求効果の高いランディングページをさらに最適化することは利益や売上に直接的な影響があるため、積極的に導入すべきマーケティング施策と言えるでしょう。

メッセージ配信

メッセージ配信とはメルマガやSNSを利用して特定のユーザーに情報を発信する仕組みです。セグメントやユーザーの属性など、様々な形で分類し適切なメッセージを配信することで興味関心を育てつつ、リターゲティングのような形で商品の購入やサービスの利用を促します。
また、ECにおけるカート落ち対策や離脱した場合などのリマインド目的にも利用されることもあり、ユーザーの購入や課金するタイミング、またはユーザー登録などのタイミングにおけるもうワンプッシュしたい時のアプローチにも役立てられています。

DM送付

DM送付とはオンラインのDMではなく、オフラインで紙ベースのダイレクトメールを送付する方法を指します。メールやSNSのDMに対しては無視や無関心なユーザーであっても、自分宛の手紙となると閲覧してくれる可能性も高く、クーポンやセールの情報を合わせて送ることで購入意欲やリピート利用につなげることを期待できます。
また、DMの新しいマーケティング手法であるパーソナライズDMでは、DMの内容や送付するタイミングについてもユーザーごとにカスタマイズできることから、さらにDMの効果を高めることができます。
実際に「自分の名前と住所を登録してくれるユーザー」はその時点である程度の信頼や安心を感じているユーザーでもあり、興味関心を越えてリピーターやファンである可能性が高いです。そのため、直接的に届く手紙をポジティブに受け止めてくれる可能性があるため、使い方次第で商品の購入や再来店につなげることもできるでしょう。

one to oneマーケティングの成功事例

次にone to oneマーケティングの成功事例を4つご紹介します。

株式会社ZOZO 

株式会社ZOZOではone to oneマーケティングとしていくつかの施策を行いました。

  • カートに入れて未購入だった商品のレコメンド
  • 購入完了メールにおすすめ商品の掲載
  • 商品の再入荷のお知らせや通知
  • ユーザーの反応に合わせた通知頻度や内容
  • お気に入り商品のセールやキャンペーンの通知


上記はあくまでも一例と言えますが、オンラインショップにおいて効果的なone to oneマーケティングの手法が盛り込まれており、実際にZOZOの売上に貢献した施策と言えます。
ユーザーからも好意的かつポジティブな反応もあったことから、運営側とユーザー側の両方にメリットを生むことに成功した事例と言えるでしょう。

すかいらーくグループ

すかいらーくグループではガストの公式アプリでone to oneマーケティングを行い成功しています。

  • 家族構成などユーザー属性に合わせたクーポンの発行
  • POSデータをデータマイニングして分析
  • POSデータとアプリユーザーの情報の紐付け
  • 分析が早く、鮮度の高いデータによるパーソナライズ
  • 会員のクーポンに対する反応確率の分析や改善


上記はすかいらーくグループがガストの公式アプリで工夫したポイントの一例です。クーポンは来店を促す効果があるとともに「クーポンのある時にしか行かない」というユーザー生み出しやすいため諸刃の剣とも言える施策ではあります。しかし、すかいらーくグループではPOSデータやアプリユーザーの情報などを分析することで、メルマガの10倍の来店効率、そして広告コストの大幅なカットを実現した成功事例です。

リンナイ株式会社

リンナイ株式会社では自社ECの会員情報を元にしてone to oneマーケティングに成功しています。

  • 行動履歴に基づいた個別のメール配信
  • 会員全体へのメール配信の取りやめ
  • 退会者を減らすことへの注力
  • BtoBとBtoCのすみわけ
  • 社員やグループ限定のECサイトの立ち上げ


リンナイでは上記のような形でBtoCを意識したマーケティング施策を段階的に始めました。実際にリンナイの商品についてはそうそう買い換えるものではありませんから、興味関心や購買意欲のある会員に注力したことでメールの開封率が約3.7倍に増加、クリック率は約2.4倍、メールからの購買率の約12.6倍にアップするなど目に見えた成果を出していることから、one to oneマーケティングに成功するだけでなく、利益や売上につなげた事例として参考になります。

パーソルキャリア株式会社

パーソナルキャリア株式会社ではMAツールを導入しone to oneマーケティングに成功しています。

  • MAツールの導入
  • メールマーケティングの効率化
  • パーソナライズメールの配信
  • ユーザーごとのタイプ分類やおすすめ求人の提案
  • 求職者の情報、応募履歴、利用履歴の分析と活用


上記がパーソナルキャリアが行った施策であり、MAツールの導入、パーソナライズメールの配信など、ユーザーに合わせた求職に関する情報の提案がなされていることがわかります。効果として求人応募数が1.8倍に増加、ROIの目標に関しても2年の計画を6ヶ月で達成など目に見えた結果が出てきます。求職に関するサービスはまさに個人ごとに異なるため、one to oneマーケティングが活用しやすく、効果的であることが示された成功事例と言えるでしょう。

one to oneマーケティングを成功させるためには

次にone to one マーケティングを成功させるために必須となる事柄についてご説明します。

適切なデータ分析とシナリオ作成が重要

one to oneマーケティングでは適切なデータ分析とシナリオ作成が重要です。既存の顧客情報や購入履歴、またはcookieから得られる情報を組み合わせたり、分析しながらより効果的なシナリオを作成します。

  • 誰に:ターゲットやペルソナ、もしくはセグメント
  • 何を:提案やおすすめ、またはクーポンやセールの情報
  • いつ:定期的なアプローチやアクセスしやすい時間帯
  • どのように:コンテンツの中間や末尾、メールや通知


上記はあくまでも一例ですが、それぞれの項目をシナリオを考えながら、より効果的になるような施策を考えることが大切です。

MAツールの活用

MAツールとはマーケティングオートメーションツールを指します。one to oneマーケティングは対象となる顧客やユーザーが多くなるため、人力による対応は少々難しいと言えます。そのため、one to oneマーケティングを導入するのであれば、MAツールの利用が望ましいと言えます。
MAツールを利用することで条件に合わせて自動的にアプローチすることも可能ですし、アナリティクスやコンバージョンとともに効果測定することで改善もしやすくなります。
MAツールに関する詳しい情報やツールについては当サイト内の下記コンテンツも合わせてご覧ください。

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まとめ

今回はone to oneマーケティングに関する基礎知識や4つの成功事例、そしてone to oneマーケティングを成功させるために必須となる事柄についてご紹介しました。
one to oneマーケティングは昨今の「ユーザー目線」や「ユーザー体験」を重視するマーケティング手法や考え方に基づいているとも言えます。実際問題として自分に関係のない情報を押し付けられたり、興味や関心のない商品やサービスを提案されるのは正直なところ苦痛であるのは確かです。
逆に言えば少しでも興味がある、自分に関係が感じてもらうことで広告そのものをポジティブに受け止めてもらえる可能性があるということでもあります。
one to oneマーケティングを通じてユーザーに喜ばれる広告やマーケティング手法があるということを意識してみることをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事がone to oneマーケティングについて知りたかった方のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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