経営企画

トークンエコノミーとは?先進事例やもたらす未来についても徹底解説

2021年08月24日

トークンエコノミー

ブロックチェーンの技術の革新により、トークン(代替通貨)を基盤とした経済圏であるトークンエコノミーが注目を集めています。すでにLINEやGMOが先進事例として取り組んでおり、資金調達が行いやすい環境作りやスマートコントラクトの実現などに寄与すると考えられています。
そこで今回の記事では、トークンエコノミーの基本的な知識やトークンエコノミーが広まることによりもたらされる影響などについて解説していきます。

トークンエコノミーとは

トークンエコノミーとは直訳すると代用通貨経済であり、トークンと呼ばれる代用通貨を利用した経済圏という形になります。
国家や政府が正式に発行する通貨および貨幣の仕組みを特定のサービスや事業内、またはコミュニティ内で再現しているようなイメージです。トークンを発行する側とトークンを購入し利用する側が存在することで、トークンに価値が生まれます。トークンを購入した利用者はトークンを利用することで特定のサービスを受けることができます。
デパート商品券やビール券、図書券の電子版という形でイメージするとわかりやすいでしょう。実際に自分の求めるサービスを利用するために、特定のトークンを購入し、サービスを利用するという流れが一般的になっています。

トークンを支えるブロックチェーン技術

トークンは代用通貨であることから、実在する貨幣や通貨と同じく「信用」や「価値」が重要になります。そしてトークンの信用や価値を支えているのがブロックチェーン技術です。いわゆるビットコインやイーサリアムのような暗号資産(仮想通貨)と同じ技術を用いることで、特定の国家や政府およびに依存せず、信用や価値を生み出しています。
実際に世界的にはビットコインを利用できるオンラインサービスも増えてきましたし、日本国内においても実店舗での支払いをビットコインで支払えるお店も存在しています。ただし、まだまだ従来の通貨や貨幣と同じレベルで利用できるとは言えず、あくまでも「代用通貨を利用する経済圏」を理解している人のみが利用している段階と言えるでしょう。

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トークンエコノミーの先進事例

次にトークンエコノミーの先進事例としてLINEとGMOの2つの事例をご紹介します。

LINEの事例

今ではインフラの一つと言えるほど普及した無料通話アプリ「LINE」を提供するLINEでは、LINEが独自に開発し発行したLINE Blockchainを基盤とする「LINK」と呼ばれる暗号資産があります。LINKは既に暗号資産として上場しており、他の暗号資産と同様に取引できる仕組みを備えています。
LINEではLINKを基軸として「LINEトークンエコノミー」を提唱しており、LINEやLINEに関係するサービスや事業を利用するユーザーが何らかの形で貢献することでインセンティブとしてLINKを受け取ることが可能です。LINKは暗号資産なので、インセンティブとして受け取ったユーザーはLINKを売ることもできますし、別のサービスで利用することもできます。
現段階においては特定のサービスの利用時にLINE Payで決済することで、特典クーポンとして「LINKリワード」を獲得、そしてLINKリワードをLINKに交換して受け取ることが可能になっています。
ただし、まだまだLINEやLINEに関係するサービスやアプリ、システムすべてで利用できる段階ではなく、少しずつ狭い範囲から広げているような段階と言えるでしょう。

GMOの事例

GMOでは「GMOオープンソースブロックチェーン」をOSS(オープンソースソフトウエア)として提供しており、トークンエコノミーを地方など特定の地域における経済の活性化に役立てられるように働きかけています。
GMO地域トークンが発行されている地域において、食事や商品の購入、またはサービスを利用することでトークンが付与され、利用者は次の機会にそのトークンを使ってお得に食事やサービスの提供を受けることができます。地域や地方で運営する側においても、クーポンを利用するために再度訪れてくれることが期待できるので、必然的にリピーターの獲得にもつながってくるでしょう。
また、OSSであることから地域や地方における技術的なリソース不足においても一役買う形になっており、ゼロからトークンを発行する必要がないことも評価すべき部分と言えます。同時にブロックチェーン技術はさまざまな最先端のIT技術との相性が良く、連携や連動もしやすいことから、地方や地域におけるDXの推進に役立つことも期待できるでしょう。

トークンエコノミーがもたらすもの

次にトークンエコノミーがもたらすものを3つの視点からご紹介します。

資金調達が行いやすくなる

トークンエコノミーは実在する貨幣や通貨とは違った形で「価値生み出すこと」ができるため、資金調達が行いやすくなります。
例えば地方経済の施策の中に「ふるさと納税」というものがありますが、直接的に特定の地域や地方への納税が可能な仕組みが受け入れられ、直接的に税収をアップすることができた地方や地域が存在しています。トークンエコノミーも同様であり、特定の地方や地域における「小さな経済圏」で利用できる「価値」を求めるユーザーや利用者と直接的に支援ができる仕組みとして利用できるということです。
単に地方や地域といっても、実際に活性化するために必要なのはベンチャー企業や地元の企業と官民一体となった施策が必要です。簡単に言えばお金がないからできない、といったような状況をトークンエコノミーで解決できれば、必然的に「やれることが増える」ようになり、結果として利便性のあるサービスの提供、または地域の特色を活かしたイベントや商品の創出にもつながります。

スマートコントラクトを実現可能

トークンエコノミーを利用すればスマートコントラクトを実現可能になります。スマートコントラクトとは契約の自動化を意味しており、簡単に言えば、購入からサービスや商品の提供されるまでの流れをシームレスかつ安心、安全にできる仕組みを指します。
スマートコントラクトを理解するためにわかりやすい例としてよく挙げられるのは「自動販売機」です。消費者は自分で通貨および貨幣を投入し、自分で商品を選び、結果として好きな商品を受け取れるという「購入からサービスの提供」までの流れが完結していることが理由です。
トークンエコノミーも同様であり、特定のサービスの利用や商品の購入、同じく地域や地方において実装されることで、第三者の介入なく、直接的に利益を得られることが魅力と言えるでしょう。

見えない価値を見出す仕組みを実現可能

トークンエコノミーは見えない価値を見出す仕組みも実現可能とします。基本的にサービスや商品の質、または自分自身の価値を示す指標は「お金」と言えます。しかし、実際には「安くても良いもの」や「高くても自分には合わないもの」があるのは確かです。それはお金という定規では測りきれない「見えない価値」であり、単純に好き嫌いや興味関心、喜怒哀楽などの感情など、数値で示すことはできないけれど、確実に各々の心の中で感じている価値と言えます。
例えばトークンエコノミーを活用しているSNSの「STEEM」では、文章や動画、音楽などのコンテンツを評価すること、評価されることでトークンがそれぞれのユーザーに配られます。しかし、評価と行っても闇雲に増やせばトークンがもらえる仕組みではありません。ユーザーごとの信頼や影響力に応じて配布されるようになっており、それぞれの素直な感情や直感的な気持ちによる評価が可視化されやすくなっています。本来であれば感情という価値が見えにくいものに対して価値を見出す仕組みを構築している事例と言えるでしょう。
トークンエコノミーを利用することで、単に商品やサービスの質に対する「対価としての価値」ではなく、今まで価値を付けられなかったものに価値を付けられるようになることがわかります。

まとめ

今回はトークンエコノミーに関する基礎知識や2つの事例、そしてトークンエコノミーがもたらすものについてご紹介しました。
トークンエコノミーはいわゆる小さな経済圏を作り出す仕組みです。本当に価値があるものにお金を払いたい。またはお金を払う価値のあるものを作りたいという双方において、トークンエコノミーは有効であり、同時にブロックチェーン技術という安心と信頼を担保する仕組みが役立つということを理解しておくべきと言えます。
また、既にLINEのようにひとつの企業が独自の暗号資産を発行していることを考えると将来的には企業や組織の規模によらず、それぞれが暗号資産を発行し、相互に交換や活用できる仕組みが生まれて、当たり前の技術として浸透するかもしれません。これらのことから、トークンエコノミーやブロックチェーンだけでなく、最新のIT技術について目を向けることで、企業や組織として成長するための材料を集めることをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事がトークンエコノミーについて知りたかった方のお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人

QEEE編集部

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