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【ツール8選】APMツールとは?基本解説やおすすめツールをご紹介!

2021年08月25日

APMツールApplication Performance Management

「自社のWebシステムの動作が遅く、システムに問題があるかもしれない」「アプリケーションの不具合を未然に防ぎたい」などアプリケーションやシステム管理の稼働状況を把握したいと考えられている方も多いのではないでしょうか。
APMとは、Application Performance Management(アプリケーションパフォーマンス管理)の略でアプリケーションの性能を管理するツールです。
アプリケーションやシステム全体の稼働状況が管理できることから不具合になり得る状況を予兆の段階で察知し、未然に防ぐことが可能になります。

今回はAPMツールの特徴から基本的な機能、またおすすめツールを8選ご紹介します。

APMツールとは

Application Performance Managementの頭文字から名づけられたAPMツールは、日本語では「アプリケーションパフォーマンス管理ツール」と呼ばれます。

多くの企業で業務の効率化を進めるためのデジタル化がすすみ、複数のアプリケーションを導入して生産性を高めるようになりました。お客様にアプリケーションを提供している場合も、顧客満足度を下げないためには一定レベルのパフォーマンスの維持が必須です。APMツールは、アプリケーションの稼働状況やトランザクションを管理・監視し、トラブルの早期発見のに役立ちます。

まずはAPMツールの重要性と、メリット・デメリットを解説します。

APMツールの重要性

企業に導入されているさまざまなアプリケーションは、業務を円滑に進めるのに役立ちます。

しかし複数のアプリケーションを同時に走らせることで、システムのトランザクションは複雑化し、大きな負荷がかかるようになりました。不具合が発生した場合には大幅にパフォーマンスが低下し、業務の停滞と混乱を招きます。

社内システムではなく、Web上でエンドユーザーに対してサービスを提供しているような場合には、さらに大きな問題を引き起こすかもしれません。パフォーマンスの低下が顧客満足度を大きく下げ、最悪の場合には利益の損失を招くことにもなりかねません。

しかし従来のネットワークやサーバー、データベースなどを個別に管理する方法では、それぞれは順調に機能しているケースが多く、原因の究明が難しい問題がありました。APMツールは、これまで個別で監視していたネットワークやシステムの構成要素を、エンドユーザーの視点で包括的に監視することで、アプリケーションのパフォーマンスを管理できる点がメリットと言えるでしょう。

APMツールのメリット・デメリット

企業がAPMツールを導入することで、どのようなメリット・デメリットがあるのかを紹介します。

【メリット】ユーザーの離脱の防止

Googleは、表示速度が1秒から3秒まで遅くなるだけで、ユーザーの直帰率が32%増加すると述べています。モバイルページに至っては、表示に3秒以上かかると53%ものユーザーが離脱していると指摘しています。

サイトのページ表示速度は、顧客満足度に直結する問題です。サイトから離脱したユーザーが、競合に流れていくことを考えると、パフォーマンスの低下は可能な限り防がなければなりません。

APMツールを導入することで、アプリケーションのパフォーマンス低下を未然に防げれば、ユーザーの離脱率を下げるのに役立ちます。

【メリット】不具合について迅速に対応できる

これまでのシステムの構成要素ごとに管理する手法では、それぞれはまともに機能しているように見えるので、パフォーマンス低下の原因がわかりにくいことが問題でした。

しかしAPMツールを利用すると、システムやアプリケーションを縦断して監視することが可能になります。なにか問題が発生したとき、引き金となったアクションについて、それぞれの構成要素を紐付けて考えられるようになることから、原因を究明しやすくなります。

【デメリット】アプリケーションの知識が必要

アプリケーションに発生した問題を縦割りで分析するためには、対象アプリケーションについての知識がなければはじまりません。APMから得られたデータを読み取り、アプリケーションのどの部分に何がおこっているのかを分析する必要があるためです。

APMを導入しても、実際にアプリケーションを管理している担当者の理解と協力がなければ、十分な機能を発揮できない心配があります。

【デメリット】費用が高い場合がある

APMはアプリケーションを管理・監視することでパフォーマンスの低下を防ぎ、トラブル発生時も早期の原因究明と解消に役立つ優れたツールです。ものによっては機械学習などを取り入れた、高機能なものも多く見られるようになりました。

しかし高機能・高性能なツールは費用が高いものが多いことはデメリットです。予算によっては、求める性能のAPMツールを導入できない可能性もあるでしょう。

APMツールの基本機能

APMツールに備わっている、基本的な機能を紹介します。

ダッシュボード

アプリケーションの応答時間、負荷などのパフォーマンス状況を視覚的に管理する画面です。ユーザーが使いやすいように、自由にカスタマイズできるのが一般的です。

アラート

アプリケーションのパフォーマンスがあらかじめ設定したレベルを下回ったときに、警告を行う機能です。メールやデスクトップ通知などでアラートを出すのが一般的です。

アプリケーションの追跡

ハードのあるシステムだけではなく、クラウドも含め、すべてのアプリケーションを追跡・監視します。

トランザクション

トランザクションのすべてのステップをエンドツーエンドで追跡し、分析しやすいように可視化して提供します。ほとんどのAPMツールは、コードレベルまでドリルダウンし、問題発見を支援します。

APMツールを選定する際の確認項目

APMツールを選ぶときに、確認しておきたい項目を4つ紹介します。

課題を解決できる機能が備わっているか

APMツールを導入するときには、自社で導入しているアプリケーションやネットワークにどのような課題があるのかを洗い出し、その課題を解決できる機能が備わっているかを確認することがもっとも大切です。

実際にAPMツールを利用することになるアプリケーション管理者や現場のエンドユーザーなどから課題を聞き取り、導入後は有効活用してもらえる体制構築をすすめましょう。

継続できる運用費用か

APMツールの導入には、少なからぬコストが発生します。特に高機能のツールについては、費用対効果を考えたうえで導入を検討することが必要です。

最近ではコストパフォーマンスに優れたツール、機能選択できるツールも増えてきています。APMツールは監視が目的なので継続利用が前提です。長く運用を続けられるツールを選定するようにしてください。

使いやすいUIか

APMツールによって、UIもいろいろです。直感的に操作しやすい、監視画面がわかりやすいツールを選ぶようにしましょう。たとえ高機能であっても、使いこなせなければ導入する意味がありません。

実際に使用することになる、アプリケーション管理者や現場スタッフのレベルにあったUIであることもポイントです。

導入後のサポートがあるか

監視するアプリケーションに詳しい知識を持った人材がいなければ、APMの運用がむずかしくなります。

適切な人材がいない場合には、スムーズに運用をスタートし、課題解決に役立てていくために、導入後のサポート体制が整ったツールを選ぶようにしましょう。

おすすめAPMツール8選

ここからは、おすすめのAPMツールを8つ紹介していきます。導入の目的や、使用者レベルのUIかなどを確認しながら自社にあったツールを選ぶようにしてください。

JENNIFER

JENNIFER

【概要】
JENNIFERは、国内250社超、全世界では1,300社で導入されているAPMツールです。JENNIFERには以下の機能が導入されています。

  • リアルタイムモニタリング
  • 個別トランザクション分析
  • 簡単なプロファイル分析
  • トポロジービュー
  • PLC(Peak Loard Control)など


リアルタイムモニタリングでは、ひとつの画面でシステム全体の状況を監視できます。あらかじめしきい値を設定しておけば、予想以上にユーザーが急増した場合にサービスを停止するなど、サービス負荷を軽減する機能も備わっています。オンプレミス、クラウドのどちらの環境にも対応可能です。

【料金】
※料金やプランについては公式ページからお問い合わせください。

New Relic

New Relic

【概要】
全世界の17,000社以上が利用しているAPMツールです。オンプレミスからクラウドまでのあらゆるデータを1カ所に統合してデータを可視化し観測します。New Relicには、以下のような機能が備わっています。

  • リアルタイムモニタリング
  • リアルタイムアラート
  • リアルタイムエラー解析 など


New Relicでは、ダッシュボードでレスポンスタイム、エラー率、トランザクションなどの基本データのほか、レスポンスタイムにもっとも関係の深いコードを強調表示する機能も備わっています。これにより、問題のあるコードをリアルタイムで特定可能です。

【料金】
※料金やプランについては公式ページからお問い合わせください。

AppDynamics

AppDynamics

【概要】
AppDynamicsは、BMWやNasdaqなどの有名企業に支持されているAPMツールです。AppDynamicsには、以下のような機能が備わっています。

  • リアルタイムモニタリング
  • カスタムダッシュボード
  • AIを活用した異常検知 など


AppDynamicsは、AIを活用したインサイトでアプリケーションとビジネスのパフォーマンス向上に役立ちます。収集されたトランザクションとエンドユーザーのデータはリアルタイムでモニタリング、分析されます。特に機械学習を活用した異常検知システムは、トラブルの原因を即座に診断することで、問題解決までの時間を短縮します。

【料金】
※料金やプランについては公式ページからお問い合わせください。

Applications Manager

Applications Manager

【概要】
Application Managerは、ゾーホージャパン株式会社が提供するAPMツールです。Application Managerには、以下のような機能が備わっています。

  • Webアプリケーションサーバー監視
  • Java Webトランザクション監視
  • アラート通知 など


Application Managerは、難しい設定や専門的なスキルは不要で監視データを簡単に可視化します。ネットワークやサーバーだけではなく、データベースなど、アプリケーションを構成する幅広いコンポーネントを監視対象とすることも特徴です。しきい値などを設定することで異常をいち早く感知して通知、自動で対処するなどの動作にも対応します。

【料金】
30日間無料で利用できる評価版があります。詳しくは公式ホームページをご確認ください。

年間ライセンス 価格
ManageEngine Applications Manager Professional Edition 50 モニター& 1 ユーザー版 年間ライセンス ¥306,000
ManageEngine Applications Manager Professional Edition 100 モニター& 1 ユーザー版 年間ライセンス ¥612,000
ManageEngine Applications Manager Professional Edition 250 モニター& 1 ユーザー版 年間ライセンス ¥1,224,000
通常ライセンス(初年度サポート付き)  
ManageEngine Applications Manager Professional Edition 50 モニター& 1 ユーザー版 ライセンス 初年度保守サポート付 ¥734,000
ManageEngine Applications Manager Professional Edition 100 モニター& 1 ユーザー版 ライセンス 初年度保守サポート付 ¥1,468,000
ManageEngine Applications Manager Professional Edition 250 モニター& 1 ユーザー版 ライセンス 初年度保守サポート付 ¥2,937,000

価格はすべて税別で表示しています。

Amazon CloudWatch

出典:Amazon CloudWatch(Amazon)
【概要】
Amazon CloudWatchは、アマゾンウェブサービス(AWS)が提供するAPMツールです。Amazon CloudWatchには、以下のような機能が備わっています。

  • 重要なメトリクスとログの監視
  • アプリケーションとインフラストラクチャスタックの可視化
  • 機械学習による異常検出 など


Amazon CloudWatchでは、アプリケーション、インフラストラクチャ、サービスなどのスタック全体をモニタリングし、アラーム、ログ、イベントデータなどを利用することで自動アクションの実行が可能です。ログデータは1秒単位まで視覚的に確認でき、データは15カ月間保存されます。

【料金】
Amazon CloudWatchは、初期費用や最低料金不要で支払いは従量課金制です。メトリクス・ダッシュボード・アラーム・ログ・イベント・Contributor Insights・Canariesそれぞれに詳細に料金が設定されています。詳しくは公式ホームページにてご確認ください。

Site24×7

【概要】
Site24×7は、SaaS型のオールインワン監視ツールです。以下のような機能が含まれています。

  • サーバー・クラウド・Webサイト監視
  • アプリケーションパフォーマンス管理
  • ネットワーク監視 など


Site24×7のWeb監視では、全世界100以上の監視ロケーション、プライベートネットワーク内からWebアプリケーション、インターネットサービスの稼働時間とパフォーマンス詳細を取得します。ほかリアルタイムでサイトを訪問しているユーザーの監視、ルーターやファイアウォールなどのネットワーク監視など、シンプルに監視機能に特化したツールです。スモールスタートしたい企業に向いています。

【料金】

プラン名 月額(年間契約時・税抜き)
STARTERプラン 2,000円
PROプラン 7,000円
MSPプラン 9,000円

Dynatrace

Dynatrace

【概要】
Dynatraceは、JTBやHITACHなどの企業が利用するAPMツールです。以下のような機能が備わっています。

  • AIによる分析
  • ログアナリティクス
  • ユーザー行動分析 など


Dynatraceは、最新のAIを搭載し、従来のAPMツールとはまったく異なる考え方でフルスペックのアプリケーション性能管理とユーザー体感管理を実現しています。リアルタイムで全ビジネストランザクションを監視し、AIがしきい値を自動設定することで、本当に確認が必要な事象だけを、無駄なく抽出します。

【料金】

プラン 料金(1カ月あたり)
Digital experience monitoring $11
Infrastructure monitoring $21
Full-stack monitoring $69

※フリートライアルあり。

CA Application Performance Management

CA Application Performance Management

【概要】
CA Application Performance Managementは、NTT docomoやANAが導入しているアメリカカリフォルニア州に本部を置くBROADCOMが提供するAPMツールで、以下のような機能が備わっているのが特徴です。

  • トランザクション追跡
  • Webアプリケーション性能情報の取得
  • トポロジーマップのフィルター表示
  • ブラウザレスポンス性能情報の取得 など


CA Application Performance Managementは、これまでのAPMツールでは最終的に人間の判断を必要としていたアプリケーションとインフラ問題の切り分けを自動化しています。ブラックボックスになりがちなアプリケーション環境を可視化し、複雑な環境の監視も容易に行えることがポイントです。

【料金】
※フリートライアルあり。料金やプランについては公式ページからお問い合わせください。

まとめ

デジタル化が加速したことにより、多くの企業が自社でアプリケーションを導入し、業務の効率化を図っています。顧客にアプリケーションを提供している企業においても、快適な使用環境を提供して顧客満足度を下げないことは事業を維持する重要なポイントです。
複雑化したシステムやデジタルネットワークの管理は、もはや人間の目視だけでは不可能です。アプリケーションやシステムや稼働に異常がないかをチェックし、適切に運用するために、ぜひAPMツールの導入を検討してみてください。

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この記事を書いた人

QEEE編集部

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